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64話 華麗なる変身?

「な?! な?!」


 神爺さんに差し出された鏡に映ったのは、俺の変わり果てた姿だった。

何が変わったのかと言われればまずは顔、顔が変わっている。俺は自分で言うのも恥ずかしいが。この世界に来る前はそこそこ良い顔つきをしていてイケメンの部類に入っていたと思う。今は分からないけど。実際、周りの付き合いがあった連中にも言われていたから間違いないと思うし。

 その顔が女のような日青付きに・・・いや、間違いなく女の顔に、それも少女位の顔つきに変わっていた。可愛い系の顔つきではなくモデルの様な綺麗系の顔つきになっている。そのまま綺麗に年を取って行けばお姉様と呼ばれてもおかしくはない感じだ。


 次に分かりやすかたのが体つきだった。元々筋肉質な体でもないけど、脂肪が多い体でもない。運動不足にならないように運動を毎日していたからそこそこの筋肉がある体つきだった。所謂細マッチョってやつか。

この世界に来てから余計に筋肉が付いた気はするけど。

その体が明らかに変わっている。今着ている服がダボダボになっていて、俺の体が明らかに小さく細くなって居た。

 自分の体を触ってっ確認していくと、明らかに筋肉量が落ちている。かと言って全く無いわけでもなく、皮膚の下に隠れるような感じで存在している。それに体が、男特有のゴツゴツしたものから女特有の丸みを帯びた柔らかいモノになっていた。


「っな!何でこんなことに?」


 俺が困惑していると、神爺さんが俺の呟きに対して答ええてくれた。


「それはじゃな、蒼真ソウマ、お主自身の魂の本質に合わせたからからじゃよ。

肉体は魂を元に作られるんじゃ。元々お前さんは・・・・・この話はまぁ良いじゃろう。兎に角その姿はお前さん自身の姿じゃから安心せぇ」


「安心と言われても、全く安心できなんっだが?!」


「慣れじゃよ、慣れ」


 全く持ってこの姿に慣れたくない。


「良いじゃないですかソーマさん。その姿、素敵です」


 俺よりも先に驚いていたはずのイエイヌが正気に戻ったが、何故だかこの姿を肯定し始めた。

全然嬉しくない。


「嬉しくないんだが!?」


「大丈夫です!!

ソーマさんは自信を持って下さい!今までも綺麗な顔つきでいらしゃいましたが、更に違和感無く綺麗になられています!

 あ〜ぁ、まるで女の子の様です」


 胸の辺りで手を祈るように組んで、頬を赤く染めながら潤んだ目で俺を見てくるイエイヌ。

無表情で俺を見ていた頃のお前は何処に行ってしまったんだ?ホンの少しだけで良いから戻ってきて欲しい。何だか身の危険を感じる気がする。


 そこで俺は、ふと思い出した。

イエイヌが言った「まるで女の子のようです」この言葉がかなり気になった。

 俺は何で、この言葉が気になったのだろうか?

考え出した瞬間、慌てて俺は自分の股間に手を当てて心底安堵した。下品な話だが、まさか肉体的に大事な物が今回の変化によって消えてしまったんじゃないかと思った。

そんなことが有るはず無いだろうと思うかもしれないが、俺はそれでもそれもそうだと言いたい。

実際、神爺さんも俺の考えが読めているのか、「そんな事は無いじゃろう」的な顔で俺を見ている。対して俺としてはそんな連中にこう言いたい。「お前も喰らえば分かる」と。一度でも、あの体の中を弄くり回される感覚を味わえば嫌でも分かる。っと言うか感覚でそう思い込んでしまうのだから。


「何をしとるんじゃお主は、儂は性別まで変えておらんぞ」


「黙れ糞爺、黙って自分でこの辛さを味わってみろ」


「御免被るわい、老い先短い老人に何て事を言うじゃ」


「嘘つけこの爺!

お前ら神に、寿命が有るなんてこと聞いた事が無いぞ。神々に寿命は無くて、どうせその姿も自由に変えられるだろうが!」


「そう言われれば、その通りなんじゃが・・・・・

しかしじゃ、我々神も不老であっても不死ではないんじゃぞ。今の肉体が死ぬ事になれば、次の役目の為に転生するだけじゃ。

まぁ不老の方も時が経てばゆっくりとじゃが老いていくからのぅ。一部の神だけだじゃぞ、自身の姿を若返らせて居るのは。

若返ればその神の力も全盛期の時のように使えるかのぅ」


「その話は置いといてだ、勿論この姿を元に戻せるんだよな?」


 頼む、「うん」と言ってくれ!


「無理じゃよ。

言ったじゃろう?お主の魂の魂の本質に合わせたと。元々お主の姿を構築すると、本来は今の姿に成る筈じゃったんじゃ。しかしじゃ、たまたまお主が生きてきた環境によって以前の姿に変わってしまっていたんじゃよ。

だからというのも何じゃが、その姿の方が正しい姿じゃよ」


「そん・・・な、馬鹿な」


 今の方が正しいだと?

それに元の姿に戻るのが無理とは・・・今よりも前の方が男らしい感じだったのに。こんなんじゃま、ず初見で男とは思われない容姿じゃないか。

 いやいや、それ以前に今後この姿で生活するのか?

無理だろう?!知り合いは少ないが、それでも顔見知りや知り合いは居るのだから何れこの姿がバレるのも時間の問題だ。

よし、こうなったら。


「死のう」


 即決した俺は、銃口を額に向け引き金を引こうとした途端、イエイヌに慌てて俺から銃を取り上げた。


「ソーマさん何してるんですか!」


「だってこうなったら死ぬしか無いじゃないか」


「どこをどお考えたらそうなるんじゃ」


 イエイヌは俺の行動にプリプリと怒り出し、神爺さんはそんな行動を取らせるような行動をした俺に対して呆れた顔をしていた。

だって仕方がないと思わないか?以前と今では丸きり姿が違うんだぞ!こんなんじゃ表に出られないじゃないか!


「だって、こんな、こんな姿じゃぁぁ」


 急にこんな姿に成ったんじゃ俺自身の願望で尾の姿に変わったみたいじゃないか!


「大丈夫ですソーマさん!

私が着いてます!それに・・・」


「それに?」


 イエイヌ、君は何て優しい子なんだ!君と出会えたのは本当に良い出会いだった様だ!っと感極まった瞬間に。


「それに、綺麗系がダメならかわいい系に成れば良いんですよ!」


 凄く良い笑顔で言い放ったイエイヌの言葉に俺の心は木っ端微塵に砕かれたのだった。






 少しずつですが、皆様のアドバイスを元に変更や追加をしていっております!

より良いモノにしていきたいので何か御座いましたらお気軽にご連絡下さい。

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