59話 バカの今後
やっと、投稿できました・・・・・
長い道のりでした・・・・
大方の粗筋をゼルフに伝えると、ゼルフは息子である駄肉に全力で叱責しだした。
「ゼフよ、お前は何て事をしてくれたんだ!
寄りにもよってこちらの方々に手を出すとは!しかも聞けば己の欲望の為にこんな騒動を起こすとは!!」
「し、しかし父上!
この男はこの僕を攻撃してきたのですよ?!僕こそ何もしていないのに!
現に手を出してはいけないと思い、僕たちだけがこんなに怪我を負い。子供だからといって、それを感じ取ったこの男はどこも怪我を負ってないではないですか!
この男の言っている事はデタラメです!僕の方こそが被害者なのです」
俺に撃たれた所を見せつけながら自分こそが、と主張し始めた駄肉。
こいつに言われて思い出したけど、俺ってこの世界では14才だったんだよな。いつも不審がられずに会話が成立していたから忘れていたわ。
「黙れ!お前が普段、街で好き勝手に動き回り民に迷惑をかけているのをこの私が知らないとでも思っているのか!
それにこの方はその年で、この度ベルガ様から直々に御依頼される事になった方だぞ。
お前の様な体だけ大きくなった人間じゃない」
「な?!し、しかし、それこそ貴族である僕たちの特権ではないですか!
僕たち貴族に民が従うのは当然!民の物は帰属の物と言っても過言ではないはずです!
だったら僕の物したって良いはずではないですか!」
あ~この馬鹿は自分で頭のおかしい事を言ってるのに気が付いているのか?
周りの目線が冷たい目線どころか蔑む様な物に変わってきているのを。
「・・・ゼフよ、お前の考えは分かった」
「で、では父上この男に処罰を「黙れ!!」?!」
お?これは面白いことになるかも。
「時が経てば自分の立場を正しく認識できると思っていたが、お前は私の地位を自分の力と勘違いし続けるだけではなくその力を悪用し続けるとは・・・・・・
貴様にはもう一度、貴族とは何かを教える必要がある様だな。
お前たち!このバカ息子を屋敷に閉じ込めておけ!
一歩たりとも屋敷から出すな!!ついでにゼフの雇った護衛も連れて行け!」
「そ、そんな父上!僕が何を!」
ゼルフに呼ばれて出てきた、同じ装備を着けた男たちに駄肉が引きずられる様に運ばれて行く。
あ、今男たちの1人が、喚く駄肉の股間をワザと踏みつけた。踏みつけられた駄肉は悶絶しながら消えってった。
「ソーマ殿この度は我が息子が迷惑をかけた。
ゼフに変わって謝罪する。申し訳なかった」
ゼルフが運ばれていく息子(ゼフ)を見送ると、俺に直ぐさま謝罪してきた。
「その謝罪は俺ではなくイエイヌにするべきじゃないのか?」
今回、被害を被ったのは俺じゃなくてフリムとイエイヌだしな。
「その通りですな、イエイヌ殿、今回は愚息が申し訳なかった」
「い、いえ、私は何もされませんでしたから大丈夫です」
「そう言ってもらえるとこちらも助かるが・・・今後何かで困った事があったら貴女に協力しよう。
何かあったら何時でも遠慮なく言って欲しい」
「は、はい、ありがとう御座います」
何となくだが問題なく事が落ち着いてくれて良かった。但し、このやり取りが俺を間に挟んでのやり取りで無かったら良かったんだがな。
その後、ギルドにも迷惑をかけたとゼルフが謝罪として今日のギルドの酒場の料金を全て持つという事になり、その場を後にした。
それによって今の酒場は宴会状態になっている。タダ酒だからといって遠慮なしで飲んでいるこいつらの神経の太さに驚きだ。
俺たちは参加せずに宴会会場となっているギルドから出て城に向かって帰っている。
ギルドでの騒動以来、イエイヌはずっと俺の服を掴んだまま離さなず後をついてくる。奴隷にされた時の恐怖でも蘇ってしまったのだろうか。腕の中のフリムもイエイヌの様子が気になるのか、顔を後ろに向けてイエイヌを度々見ている。
どうしたものかと考えながら歩いていると、不意に服が後ろに引っ張られるような感覚が起きて歩くのを止めて振り返る。後ろに居るはずのイエイヌがこちらを見たまま歩くのを止めて何か言いたそうな感じにしていた。
「何か言いたいことでも?」
「・・・・・ソーマさん、お願いがあります」
意を決したようにイエイヌが俺に願い事を言ってきた。




