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57話 テンプレってやっぱりあるんだな

 中に入ってみると、同じギルドでもやはり場所によって変わってくるもんだな。

メルギルとは違って活気はあるものの殺気立つというか、刺々しい感じはしない。何かって言うか、気品があるって感じか?向こうは酒を飲む所も一緒にあったから喧嘩とかも日常茶飯事だったしな。

 こちっも立ち物自体の作りはそんなに変わらない。

依頼掲示の場所、その受付や報告する受付場。椅子やテーブルがあるフリースペースに隣接されている食事スペースやちょっとした品物を売っている売店。

配置が多少違うだけのようだ。


 中を確認し終わったら、空いている受付の所にそのまま向かう。


「こんにちは、ご依頼の受付か報告でしょうか?

それともご依頼の発注でしょうか?」


 受付を担当していたらしい男が、俺に訪ねてきた。


「済みません、俺はメルギルで新人講習を受けていたソーマと言うものですが。

ここで新人講習の達成の報告ができると聞いてきたんですが」


 事前にオイバザードさんから受け取っていた、講習達成と依頼達成の内容証明を出して受付に渡した。


「こちらは・・・只今ご確認致しますので、少しだけお待ち下さい」


 そう言い終えると男は席を立ち、離れていった。

5分ぐらい待っただろうか、席を離れていた男が戻ってきた。


「大変お待たせ致しました。

ご確認させて頂きました。確かにこちらで講習の過程を終了の証として、今お持ちのギルドカードを更新致しますのでコチラにお出し下さい。」


 俺の前に置かれたトレイに持っていたギルドカードを差し出すと、それを男がトレイごと受け取り机の上で作業をしだした。

作業自体はやっている事は何となく分かるんだが仕組みが分からない。

渡したカードを男が机の脇に置かれている端末のような物にある差し込み口にカードを入れると、差し込み口から淡い光が漏れてくる。

その後、何やら操作を行っているようで。

それが終わると光も収まったようだ。

そうして差し出されたカードがこれだ。


「お待たせしました。

こちらが新人講習を終了した証となる記載となります。

本日只今を持ちまして冒険者ギルドの正規の一員となりますので宜しくお願いいたします」


 カードの裏に新人講習終了の記載があるだけで、その他には変わりがない。

あとは・・・有効期限があるだけか。

そう言えば、エレスさんが教えてくれたっけか。冒険者として活動するには有効期限があって、期限が切れる前に更新して行くって。


「ありがとうございました。

それでは、私は失礼いたしますね」


 受け取ったカードをマジックポーチに仕舞いながら男に言うと、「何かありましたら、またご利用下さいませ」と返してきた。


「ありがとう御座います。では」


 と、返しながら振り返り。出口に進もうとすると、横から急に声をかけて来た者たちが居た。


「そこの君たち、待ちたまえ」


「・・・俺たちの事か?」


 声をかけられた方向を向くと、貴族風の服とその上に装飾過多の鎧を纏った肉の塊のような男とその仲間と思われる数人の男が一緒に立っていた。


「この僕、この国の国防大臣のゼルフの息子であるこのゼフに対して随分な口の利き方だね。

でも僕は平民に理解ある人間だから、言葉使いは許して上げるよ」


 あの男の息子かよ、アイツよりも数十倍馬鹿にして豚とゴブリンを混ぜたみたいな息子だな。

周りの人たちに視線を流すと。それぞれがまた始まった。と、言いたげな表情をしていた。


「そうか、それはありがとうな。

で、その国防大臣の息子とやらが何の用で?」


 視線を相手に戻した俺が言うと。


「その君が抱いているフリムドラゴンの子は君にかな?」


 そお言いながらフリムに纏わり付く様な視線を向けた。


「それがどうした?」


「ではそのドラゴンを、僕に寄越したまへ」


「・・・は?」


 一瞬、何を言ったのか分からなかった。

いきなりなにを言い出すんだこの馬鹿そうな男は・・・いや、馬鹿だから言うのか。


「君には言葉が理解できないのかい?

僕はそのドラゴンを寄越せと言っているんだよ。

そのドラゴンは凄く珍しいんだ。それもまだ成体ではなくて幼体だよ。欲しいに決まっているじゃないか。成体でも本当に珍しいんだから。

だから僕に寄越せ、勿論タダとは言わないよ。

即金で、50万R出そう」


 ゼフが言い終わると、一緒に居た男が持っていた袋を俺の近くのテーブルに何かが入った袋を置く。

ガシャっと音がした事から多分金が入っているのだろう。


「ほら金だよ。

だからそのドラゴンを大人しく寄越せ」


 俺の意志の確認もせずに金を置いた男がフリムを掴もうと手を伸ばしてきた。

それを迷わず払い除けた俺の行動に、周囲は静まり返った。


「俺の子に手を出すな」


 静かだが、本気で逆らう意思を含んだセリフにゼフは怒りに震えているのか、フルフルとその無駄すぎる贅肉を震わせていた。


「この僕の言う事を逆らうのかい」


「あぁそうだ、オマの言う事に逆らわせてもらう」


 俺の答えに、ゼフとその他の男たちが一斉にそれぞれが持っていた武器を構えた。





 いや~最近は本当に時間が無いです。

それでもできるだけ早めに投稿致しますので、お待ち下さいませ。

そしてお待たせ致しまして申し訳御座いません。

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