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33話 やって来たあの子







最近、色々とご感想を頂いて、嬉しい限りです!!


 そして、誤字が激しく申し訳ありません!

確認をしているつもりなんですが、全然気がついてなく、読みづらかった所が多かったと思います。

 ご指摘を頂いた部分は随時訂正していきますので、お待ち下さいませ!


 今後とも作者と作品の両方をよろしくお願いいたします!

 出発できると言うことで、屋敷の門に集まると、門番の人たちが何やら騒いでいた。


「だから、ここを通す訳には行かないんだ。

それに今はお客様が来ているだ。余計に通す事は出来ない」


「お願いします、彼がここに居るのは知っているんです。

お願いします」


 何処かで聞き覚えのある声なんだけど、何処でだっけ?


「聞いて頂く事はできませんか?

蒼真と言う名前の方なんです」


 俺?


「今俺の名前出ませんでした?」


 門番の人たちの所に行くと、見覚えがありすぎる人が門番の人たちの間から見え隠れしていた。


「何でココにいるんだ?ミルエルさん?!」


 見覚えがある所か、本来ならココに居ない人だった。


「蒼真さん!

私、来ました!来れました!」


 門番たちは、俺と不審人物として対応していたミルエルが知り合いと分かったのか、警戒するのをやめた。


「来れたって、何でまた。

コンビニはどうした?」


 ミルエルにココに居る理由を聴き始めた時、まだ腕の中で寝ていたフリムが起きて、ミルエルに甘える様に飛び付いた。

飛びつかれたミルエルも、嬉しそうに抱っこしてあげながら答えてくれた。


「コンビニは、店長に任せてあります。

店長からも責任を持ってフリムを育てなさいと言われているので大丈夫ですよ?

それにフリムにとっても、親が2人共いる方が環境としても良いはずですよ?」


 老人1人でコンビニ経営って大丈夫なのか?


「それは嬉しんだが、良いのか?

それと凄く気になっているんだが、背中の羽はどうした?」


 ミルエルの背中にあったはずの羽が無くなっていたのだ。

取り外し可能だったら、軽くホラーだな。


「羽ですか?

消してるだけですよ、流石に出したままには出来ませんよ。

神界では無いので」


 良かった、取り外しではなかった。


「ああっと、君たち良いかな?」


 後ろにオイバザードさんが居た。


「済みません、知り合いだったものでして」


「それは良いんだがそろそろ、出発したいんだが良いかな?

何だったら、そちらの知り合いも一緒でも構わない。

積もる話もあるのだろう?」


「度々済みません」


「彼女にも何か有るのだろう?

まぁ聞かないでおくけどね」


 小声で、俺にだけに聞こえる様に言ったオイバザードさんは、ミルエルに声をかけていた。

こに人はどれぐらいまで知っているのだろうか。


「それでお嬢さんのお名前は?」


「申し遅れました、私はミルエルと申します。

フリムの母親役となっていまして、蒼真さんの知り合いでもあります」


「母親役とは、そのソーマ君の使い魔は生まれたばかりの子なのかい?」


「そうで御座います。

この子は、私と蒼真さんの魔力によって親として認識して生まれてきました」


「ほぅ、珍しい形の使い魔になるね。

それと申し訳無いが、我々はこれから王都に向かわなければならない。

もし宜しければ、ミルエル嬢もソーマ君たちと一緒にどうだい?

君にもソーマ君に話があるだろうから良いと思うんだけどね?」


「宜しいのですか?

お急ぎの様ですが・・・」


「構わないよ。

それにソーマ君の知り合いと言う事は、少なくても自分の身ぐらいは守れるぐらいは戦えるのだろ?

そんな格好でいるのだから」


 そうミルエルは今まで着ていたコンビニの制服ではなく、鮮麗された青いコンポジットアーマーの様な鎧を来ていて、両腰に細身の剣を装備していた。

金髪の見た目もあって、いつもの羽もあったら戦乙女と言った感じだろうか。

本人は天使だけど。


「はい、前衛と後衛の両方ができます。

前衛ではこの剣を、後衛では魔法を使って行きます。

前衛の方が得意ですが」


 前衛後衛できるのか、万能だな。


「そうかい、ソーマ君の知り合いは優秀な子が多くて羨ましいな」


 笑いながら馬車に向っていった。

俺たちも馬車に一緒になってついて行ったが、後ろで相馬さんとミルエルが初対面してお互い人見知りを発揮していた。ミルエルはなんとなくわかるんだけど、相馬さんって人見知りだっけかな?




 さあいよいよ出発となる時に、馬車の前方が騒がしくなってきた。


「ソーマさーん!

どこですかー?」


「ふぇ?!俺?」


 びっくりした、また俺だ。


「まだ居るんですよねー?!」


 乗りかけていた馬車から前方を見ると、今度はエレスさんが門番の人たちに囲まれながら騒いでいた。


「ソーマ・・・って、貴方どこ触ってるんですか!

この変態!」


 門番の1人が、何処か触ってはいけない所を触ってしまったんだろう。

エレスさんにビンタされて吹っ飛んでいった。飛んでいった門番はピクピクしたまま起き上がらない。

打ちどころが悪かったのか・・・


「エレスさん、これは何の騒ぎですか?」


 未だに起き上がらない門番を視界の隅に捉えながら近づいていった。


「あ!ソーマさん、これはアレですそこの人がイケないんです!

乙女の胸を触るなんて!」


 確かに触るのはイケないけどここまでなる様な事しなくても。

あ、門番が数人がかりで運ばれていった。


「それは気の毒に・・・じゃなくて。

なんでココに来たんです?屋敷の人に伝言を書いた紙を頼んだハズなんですが」


「はい、頂きました。

その事で来たんです!誰ですかユウカ・アイマって人は!

この名前の感じだと女の方ですよね?!

アレですか!ソーマさんのか、彼女ですか!」


「違うよ、ちゃんと読んでくれた?

護衛で王都まで行くって書いてたでしょ!」


 エレスさんもこんな感じだっけか?


「そうなんですが、それでも急です!

何でソーマさん何ですか?違う人でもイイじゃないですか?」


 うーん、長期の依頼だから心配してくれてるのかな?


「そうも行かないんだよ、これについては俺も少しは関わってる依頼なんですから。

それに無事に戻ってこれますから」


「本当に戻ってくるんですか?

そのまま向こうに定住って事になりませんか?」


「たぶん、それはないと思いますよ。

向こうに一旦は長期滞在しても、メルギルに戻ってくるつもりですから」


 向こうにい続けたら、絶対に面倒事に関わらせ続けられるから嫌だ。


「本当に戻ってきて下さいね。

戻ってこなかったらコッチから行きますからね?!」


「は、はい!キチンと戻ってきます!」


 何て迫力で迫ってくるんだこの人は。


「約束しましたからね?

信じて待ってますから、長くなってもいいですから、無事に戻ってきて下さいね」


 いい人だ。

ここまで心配してくれる人はなかなか居ないぞ。


「約束です。

それでは時間ですから行ってきますね」


「はい、いってらしゃい。

ソーマさん」


 エレスさんと分かれて馬車に乗り込むと、馬車や護衛の人たちが移動を開始した。

そんな馬車の中で、なぜか俺はミルエルに睨まれていた。

相馬さんは相馬さんで、何か聞きたそうにしていた。


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