まだ恋じゃない。
チョコをもらえてない蓮池さんがいたので、湘子はチョコを買って渡した。
第2話「バレンタインデー」
昔のディケアの頃、まだ若手グループだった頃、「今は中堅のグループ」私は蓮池さんにチョコを渡した事がある。それは100%の義理チョコであった。
きっかけは男性職員の中で彼だけがチョコをもらっていず、男性メンバーにからかわれているのを見て、ここで、私がチョコを1個渡せば少しはハクがつくかな・・・と考え、夫にお金をもらいチョコを買ってきたのだ。そして、通りがかった蓮池さんに
「これ・・・どうぞ。」
と言って渡して、照れ隠しに
「・・・すみません、それそこいらの安物なんです。」
と私は言うのでした。彼は嬉しそうに受け取り、さっそく男性メンバーにからかわれているのでした。私はそれを見て渡して良かったと思ったのでした。
しかし、そんなある日、若手グループの1人の男性職員に
「蓮池さんにチョコを渡したでしょ。職員には渡してはいけないんですよ。」
と言うので、その職員に
「・・・さんも沢山、受け取ったのでは。」
と言うと、
「僕は1個も受け取ってません。」
と言うではありませんか。その職員はイケメンで女性メンバーに人気があったので、私はそれを指して
「・・・さんって鉄仮面。」
と言うと、彼は涼しげな顔で
「それが普通です。」
と言うのでした。
そして、そこに同じく若手グループのやはりイケメンの職員が来たので、私はさっそく
「・・・さんはチョコを沢山受け取りましたよね。」
と聞くと、その職員もやはり
「僕も1個も受け取ってません。」
と言うので、私は2人に
「2人とも鉄仮面。ひどーい。」
と反論したのでした。
そして、その話を女性の若手グループのメンバーに話すと
「私、渡したけど受け取ってもらえたよ。」
「私も・・・さんに渡したけど受け取ってくれた。」
と2人が受け取っているとの裏付けが取れてしまったのでした。その男性2人は急に女性メンバー相手に話を始め、その1人が
「僕は若手グループの人からしかもらってません。」
と言い、もう1人も
「僕も若手グループからしかもらってません。」
と言うので、私は素直に意味が分からないと言うとその男性職員は
「湘子さんは若手グループ、蓮池さんは中堅グループ、つまり、蓮池さんは湘子さんからグループが違うので、もらえないんですよ。」
と淡々と説明をするのでした。私はすっかり責任を感じてしまうのでした。
その日の廊下で夫と歩いていると、向こうから蓮池さんが歩いてきて、私は
「ごめんなさい、・・・さんから聞きました。ご迷惑をおかけして。」
と謝りました。すると、蓮池さんは
「そんなの気にしてないよ。」
と笑ってくれるので、私はますます辛くなり
「・・・ごめんなさい・・・。」
と言っているうちに泣き出してしまいました。そんな私を彼は
「湘子さんは笑っている方が可愛いよ。」
と職員らしく慰めてくれたのでした。
この出来事がのちに事件につながるとはこの時、夢にも思ってないのでした。
この時な彼に私はまったく恋心を抱いていないのでした。
蓮池さんにチョコを渡した事で、若手グループの職員に叱られるのであった。