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新人への会社生活は、あまりにも理不尽だ.1

「こんなゴミ共の始末、お前がやってみないか?」


デミアン・デモニクスは、エドワード・シンクレアに向けてそう問いかけていた。


「え、ちょっと待ってください。1話は確か僕の独白……1人称視点の観察者視点だったはずなのに、なんで急にナレーションさんが割り込んでくるんですか……?」


唐突な視点の変化に戸惑うエドワードに対し、天の声――ナレーションが冷酷に告げる。


『それはお前の説明が自分勝手すぎる上に、語彙力も皆無だから作者様が私を投入したのだ!! 大体な、紹介文の時点ですでに私が説明していただろうが!! お前はツッコミ入れてないで、早くあいつの質問に答えろ!!』


「なっ……!?」


その頃、デミアンはフランツ・クローマー兄妹が逃げ出したのを見て、心底惜しそうに舌打ちをしていた。 「あーあ、逃げやがったか……。チッ、つまらねぇ……」


「僕は……もう、行く当てがないんです……」


絞り出すようなエドワードの言葉に、デミアンは無慈悲に問い返す。 「で? だから何だ?」


「だから……入ります(入社します)……」


その瞬間、デミアンはついに『特級奴隷』を手に入れたと言わんばかりの邪悪な笑みを浮かべた。 「おぉ!! そう来なくっちゃな!!!」 デミアンは歓喜の叫びと共に、エドワードの腕を強引に抱え込みながら言葉を続けた。 「歓迎するぜ!! 我ら『デミアン・デモニクスの何でも承り所』の新入りよ!! 覚悟しとけよ、ガキ・シンクレア……!」


「……今更ですけど、どうして分かったんですか? フランツが犯人だって」


その問いに、デミアンは「コイツ、今更何を言ってるんだ?」という呆れ顔を隠そうともせずに答えた。


「そんなの当然だろうが! あいつ、『チェンソーXマン』のレXにそっくりだったから速攻で疑ったわ!!!!」


デミアンの暴論は止まらない。 「おまけに逃げようぜって言い出した時から、『あ、こいつレXのパクリだわ〜』って確信してたしな!!!!! ……というのは嘘で、実際あんな風にお前に近づいてきた時点でバレバレなんだよ! 大体よぉ! 俺が1話であんなに『少しは人を疑え』って言ったのに、お前みたいなカモワードがまんまと引っかかりやがって! なぁ!!???」

デミアンはまたしてもエドワードをボコボコに殴っていた。 エドワードは呆れていた。なぜなら、彼の目に映るデミアンという男は、髪の色が黒くてサングラスをかけているだけで、やっていることは自分だって**『デビル・メイ・クライ』のダ○テ**の完全なパクリだったからだ。


「痛っ!!! 痛いですって!!!」


「あー、もういい!! さっさと行くぞ!!」


「あの、デミアンさん……地下にメナス特別管理部の方々が取り残されてて……」


エドワードの言葉に、デミアンは怒号を飛ばした。 「この野郎……ッ!!! なんでそれを今更言うんだよ!!!!! 今すぐ行くぞ!!!」


「助けに……ですか?」


「違うわボケ!!! あの『若年寄り』の副隊長野郎と交渉する時の材料にするんだよ!!!!」


デミアンは気絶した二人の隊員を抱え上げると、今すぐメナス特別管理部へ向かうぞと怒鳴り散らした。 「シンデレラと白雪のバカ共が、今そこに捕まってんだよぉ!! お前みたいな『ガキ』を助けようとしてな!!!」 ドカッ! デミアンは再びエドワードを殴り飛ばした。


「痛っ!!!!! 痛いですって!!! また殴った……また殴った……!!!! 親父にさえぶたれたことないのに!!!!!!」


「それはお前の親父がお前を放置してたからだろうが!! このガキが!!!」


デミアンの容赦ない『正論パンチ(ファクト暴力)』に、エドワードは衝撃を受けた。 「貴方……本当に、ひどすぎます……」


「お前の方がひどいわバカ野郎!!! あぁ!? 敵の巣窟にホイホイ入り込みやがってよぉ!!! えぇ!!??!?」


「すみません……」


その救いようのない『クズとカモ』のコンビがメナス特別管理部に到着すると、拘置所では泣きじゃくるシンデレラと、なぜかヘラヘラ笑っている白雪が二人を迎えた。


「社長ぉぉ……っ(泣)」 「先輩! ガキ・シンクレア! 遅かったじゃない〜!」


デミアンは傲慢な笑みを浮かべて言い放った。 「おい、ヨハンを連れてこい〜!!!! ヨハンさんの、だぁ〜いじな部下共は俺様が預かってるからよぉ! ^^!!!!」


メナス特別管理部の職員たちはその場に凍りついた。デミアン・デモニクスの悪名と恐ろしさは、すでに知れ渡っていたからだ。


一人の女性署員が、震える声で告げた。 「デ、デミアン・デモニクスさん……ヨハン副隊長がお呼びです……」


「はぁ……。あの『若年寄り』のクソ野郎、自分から来いってのによ。わざわざ人を呼びつけやがって! どこにいやがる、あの野郎」 秘書は狼狽しながら答える。 「あ、あの……2階の中央にある副隊長室という場所に……」


「ありがとな、お姉さん♪ ……おい、ガキ・シンクレア! 何をもたもたしてやがる。お前、サツ(警察)を見ただけでビビるタマか? ったく……これだから気合の足りねぇガキは……」


デミアンはエドワードを連れて、ついにその『副隊長室』へと到着した。

デミアンは副隊長室の扉を豪快に蹴り破り、満面の笑み(※ただし邪悪)を浮かべて言い放った。 「久しぶりだなぁ!! ^^ ヨハンさんよぉ!」


「デミアン・デモニクス……ッ!」 ヨハンは鋭い眼光を向け、即座に警戒態勢に入った。


「何をそんなに警戒してんだよ、ヨハンさん。他でもねぇ、俺様の『だぁ〜いじな部下共』を釈放してほしくて来たんだわ ^^」


「何だと……? 彼らは公務執行妨害を犯した者たちだ。出すわけにはいかない」


「ちっ……。これ、使いたくなかったんだけどなぁ。おい、ガキ・シンクレア!! 例の連中をさっさと連れてこい!!」


デミアンの命令を受け、エドワードは気絶したヨハンの部下二人を引きずってきた。ヨハン中佐の冷徹な仮面が剥がれ落ち、そこには驚愕の表情だけが残った。


「貴様……一体、何をした……!?」


「あぁ、別に大したことじゃねぇよ。ただ、カルト宗教の神父のせいで三途の川を渡りかけてたあんたの部下を、『救済』してやっただけだ。それに、もうこのガキの濡れ衣も晴らしてやっただろ? さっさと解放しろよ、うちの部下を……」


「確かに……。貴殿の報告と、あの方の調査書を確認した結果、エドワード・シンクレアの罪は消滅した。我々の失策であったことは認めよう。だが、あの者たちが公務を妨害したのは事実だ、だかr……」


「あー、話が長げぇんだよヨハンさん!! うちの部下を出せって何度も言わせんな。さっさと出せよ、それともここをぶっ壊してやろうか?」


デミアンの瞳に本気の殺気が宿る。その威圧感に押されるように、ヨハンは苦渋の決断を下した。 「……今回、一度きりだ」


その言葉と共に、二人の釈放が決まった。


「おい、ガキ・シンクレア! さっさとこいつらをあの『若年寄り』に突き返せ!!」


エドワードはエラとテオドールを傷つけないよう慎重に座らせ、思わず小声で漏らした。 「……すみません。うちの社長が、あんな感じで無茶苦茶で……」


ドカッ! その瞬間、デミアンの拳がエドワードの頭にめり込んだ。 「なんでお前が謝ってんだよ!! この野郎!!!!! メンツが丸潰れだろうが!!!」


……またしても、哀れなカモワードことシンクレアだけが苦労を背負う羽目になったのである。

白雪はデミアンに抱きつきながら、「やっぱり先輩ぃぃ~~~~♥ 助けてくれると思ってましたぁ~~~!」と甘えた声を出す。だが、デミアンは全力でそれを撥ね除け、容赦なく蹴り飛ばした。 「あぁっ、もう!! 失せろクソ女!!!」 「あ〜ん♪ 先輩ったら、もう〜っ♪」 蹴られてなお、白雪は恍惚とした表情で笑っている……。


「社長……ありがとうございます。でも……あの……事務所の家具たちが……」 シンデレラの控えめな言葉に、デミアンは「はっ」とした顔をした。 「あ……! そうだ忘れてた……! おい、お前ら! この**新入り(新ピン)**を連れて先に事務所に戻ってろ! 俺はあいつらに損害賠償をふっかけてくるからよぉ!!!」


デミアンが嵐のように去った直後、「待てっ!!!!!」という叫び声が響いた。 そこにいたのは、1話の後半でエドワードを執拗に苦しめた警官、テオドール・シュマッヘルだった。(※名前が死ぬほど呼びにくいあいつだ)


「貴方は……!!!」 エドワードは恐怖で身を強張らせる。だが、テオドールはエドワードに歩み寄るなり、真剣な眼差しで突如として腰を直角に曲げた。 「すまなかった!!!!! 本当に申し訳なかった!!!!!!!」


「えぇっ……???」


「私は市民を傷つけ、拷問までしようとした!! 悪人から市民を守るべき警察官として失格だ!! 申し訳ない!! 私を殴っても構わない、さあ!!!!」


テオドールのあまりにも重すぎる熱量に圧倒されながらも、エドワードは困惑気味に答えた。


「……いえ、別にいいです。……いつか、何か一つ恩を返してください」


その言葉を聞いた瞬間、テオドールはボロボロと涙を流しながら叫んだ。


「ありがとう……!! 本当にありがとう……っ!! この恩は必ず返すぞ!! 絶対だ!!」


彼はそう言い残すと、激しく泣きじゃくりながらメナス特別管理部へと戻っていった。


「ふぅ……。やっと……行ってくれた……」


エドワードがようやく安堵のため息をつき、肩の荷を下ろした、その時だった――。


エドワードがようやく安堵のため息をついた、その時だった……。彼にとっての『新たなる災厄』である白雪が、猛烈な勢いで詰め寄ってきた。


「ちょっとぉ! カモワード君! さっきの熱血バカに恩を売る時、私の取り分も確保しとかなきゃダメじゃない!! 全然センスないんだからぁ~。そんなんじゃ女の子にモテないよ?」


余計なお節介(というか、ただの強欲)を焼きながら、白雪はズカズカと会話に割り込んできた。


「……いや、白雪さん。ついさっきまで牢屋に入ってた人が言うセリフですか、それ?」


「えーい、それはそれ、これはこれ! 今度あのおじさんに美味しいもの奢ってもらう時、私を呼ばなかったら殺すからね? 分かった? ねぇ?」


『ああ……見よ! 死線から生還した同僚の生存を祝うどころか、たかりの算段を始めるあの美しき仲間愛を! 果たしてこの事務所に、まともな人間はシンデレラだけなのか!』


唯一の……そう、唯一の常識人であるシンデレラが、この混沌とした会話に終止符を打つべく、ついに動き出した……!!


白雪の絶え間ない『取り分要求たかり』攻撃に、エドワードの魂が残り0.1gほどになった頃。隣で静かに涙を拭いていたシンデレラが、ついに重い口を開いた。


「ねぇ、白雪……。もう行かなきゃ。事務所の掃除もしなきゃいけないし……」


シンデレラのその言葉に、白雪はハッとした顔で叫んだ。 「あ、そうだっ……!! 先輩デミアンに怒られちゃう……!!」


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