上手くいっていた計画は、いつも土壇場で崩れ去る
一方……エドワード(カモワード)側。
「死になさい……。この不敬な、歪んだ神たちに飼い慣らされた犬め……」
そう言い放ち、どう見ても7人はいるであろう信徒たちが、一番弱そうな**カモワード(ホグワード)**をターゲットに、卑劣な集団リンチを仕掛けていた……!!!
あああああ!!! 貴様ら、それでも男か!!!! 今すぐ、貴様らの股下に「男の証」としてぶら下がっている「あの3つのパーツ」を毟り取って、とっとと失せろ、この野郎!!!!!
「どうしよう……!!!! 敵が多すぎる……!!!!!」
行く前にデミアンさんから受けた助言を思い出してみよう……。
「おい、ガキ・シンクレア。行く前にお前に、いいことを教えてやる」
「えっ?」
「お前、自分のメナスがクソったれなチート能力だって自覚あんのか?」
「いいえ……僕はまだ使いこなすのが下手で……」
「このバカ野郎が……! ったく……」
「いっ……痛いですっ……!」
「テメェのメナスがゴミだったら、あのカルト(疑似宗教)兄妹が昨日、冤罪ふっかけて拉致った挙句に能力を強奪したりするかよ」
あ……そうですね……。でも、僕の能力、どうやって戻ってきたんでしょうか……」
「それは、あの野郎がぶっ倒れたからだろ……。俺も正確には分からねぇが、多分あいつも何かしらの制約をかけて能力を使ってたんだろうな」
「…………」
「とにかく、お前も分かってんだろ。昨日のあの惨劇を見たなら……。あいつが使ってたお前の能力は、文字通り『阻止不可能』そのものだった」
「でも、デミアンさんは簡単に避けて、左手の小指のデコピン一発で……傷一つなく、たった一発で……」
「それは俺だからだ、この野郎……。だから、テメェの能力の『正しい使い方』を教えてやる」
「でも、デミアンさんは……僕の能力を一つも知らないはずじゃ……」
「知らねぇなら少しは黙って、聞こうとする努力をしろ。テメェのメナスは特殊系だろ? 特殊系のメナス使いは、それぞれ使う能力こそ違えど、メナスの扱いや使い方は同じなんだよ」
「本当ですか!?」
「当たり前だろ、この野郎。俺がわざわざブラフ(嘘)を吐くわけねぇだろ……」
「どうすればいいんですか……?」
「いいか、特殊系メナスってのは簡単に言えば、漫画やアニメに出てくるような『超能力』を使える系統のことだ。まずは特殊系を理解するために、エスパー共の基本常識についてマスターしやがれ」
「まあ、まずは特殊系に限らず、すべてのメナスを使う前に、基本の準備運動みたいなことをしなきゃならねぇ」
「テメェの体の中にあるマナを脳に集中させろ。そして、まるで『ここにあるすべての電気を消してやる』って思いながら、一発フィンガースナップをしてみな。……こんな風にな」
デミアンが指を鳴らすと、事務所だけでなく周囲のいくつもの建物から、突然電気が消えたことに対する不満の声が響き渡った。
「まあ……ここまでやれとは言わねぇが、一度やってみろ」
デミアンは何事もなかったかのように、再び自分の事務所と周辺の建物の電気を元に戻した。
「こ……こんな感じですか……?」
エドワードが真似をすると、建物の電気がパッと消えた。
「初めてにしちゃ上出来じゃねぇか。テメェ……クソったれなチート能力は伊達じゃねぇってことか……。今のが、自分の中にあるマナを外に放出させるって感覚だ。じゃあ、次の段階に行くか。お前、『スプーン曲げ』って聞いたことあるか?」
「スプーン曲げですか……? 昔、テレビであのおじさんがやってるのを見たことはありますけど……」
「あの、ユリ・ゲ○ーのおじさんですか」
「そうだ!そいつだ、この野郎……!!まあ、あのおじさんの話はひとまず置いといて、シンデレラ、スプーンをいくつか持ってきてくれ」
「はい……社長……」 この事務所の唯一の常識人であり、みんなの少女、我らがシンデレラは、あのクズ社長の頼みを忠実に聞いていた……!!! 良い子すぎるだろ、おい……!!!!
「ここに置いておきますね……社長、お茶でも淹れましょうか?」
「あ、いや。今度は、あの**若いくせに老害な中領(若造老害中領)**から分捕ってきた新しいコーヒーマシンで、エスプレッソを淹れてきてくれ」
「は……はいっ、.....」
「ここに置きましたよ、社長……」
「ああ、サンキュ。お前の淹れるコーヒーはいつも美味いな。何ていうか、マシンで淹れた後に、さらにお前が手作業で仕上げるのが凄ぇよ」 デミアンがそう言うと……。
シンデレラは「いえ、そんな……」と言いながら、顔を赤らめて照れていた……! デミアン、テメェ……まさか……!!!!
「さて、それじゃあ始めようか。ほら、スプーンを持て」
「こうですか?」
「そうだ、この野郎」
「そして、さっきやったフィンガースナップのあの感覚を思い出してやってみろ」
「こうですか?」
「そうだ、この野郎」
「そして、さっきやったフィンガースナップのあの感覚を思い出してやってみろ」
エドワードがありとあらゆる神経を「スプーンを曲げる」という一点に集中させると……!!! 驚いたことに、スプーンは見るも無残に、おぞましい形にねじ曲がった……!!!!
「で……できました……!!!」
「そうだ、その調子だ」 コーヒーを啜りながら、デミアンは答えた。 「まあ、慣れればこんなこともできるぜ?」
彼はリビングにあった大量のス푼を宙に浮かせると、なんと自分のサングラスの形に作り替えてしまった……!!!! ああ、奇妙だ……! この男、あまりにも奇妙すぎる……!!!!!!
「よし、次は実戦だ。テメェのメナスを俺に使ってみろ」
「どのメナスを……ですか?」
「なんだって? テレパシーに決まってんだろ、この野郎」
「テメェが成功させた時の感覚を思い出せ。そうすりゃできるはずだ。……それにしてもこのコーヒー、マジでクソ美味めぇな。おいシンデレラ、もう一杯くれ」 「は……はいっ……!」
(僕が成功させた時の感覚を思い出そう……思い出そう……。……こうかな……!)
『デミアンさんのバカ~!』
デミアンは突然、何かを聞いたような目つきになり「おいテメェ……何送ってやがる」と言いながら、僕を殴った。
「あ痛っ……!! 痛いです、痛いです……!!!! 成功したじゃないですか……!」
「それが問題か? テメェは自分の社長に対する陰口を、影で言うんじゃなく本人の目の前で飛ばすのかよ」
「しゃ……社長、コーヒーどうぞ……」 「お、マジか? ありがとな。とりあえずこれは頂いとくか」
「先輩~! これ見てくださいよぉ!!」 白雪がドイツの有名な、Aから始まる放送局の番組をつけると――。
『速報です。3分前、突如として全世界の電力が遮断される事態が発生しました。国連は自然現象の可能性も示唆していますが、A.A団や最近台頭しているテロ組織の仕業である可能性も考慮し、市民は常に警戒を……』
「これ、先輩とシンクレアがやった修行のせいじゃないですか~!」
「あ……俺か……。まあ、とりあえず点き直したんだからいいだろ。これで、あのクソったれな組織(メナス特別管理部)から苦情が来なきゃいいんだが……」
「もうあたしたち、目をつけられてますよぉ~先輩❤」
「黙れ、このアマ……。はぁ……まあ、文句を言いに来たら、いつも通り逆にブチギレて追い返せばいいだろ……」
「さすが先輩~❤ あたし、そんな先輩の姿が、だ~い好きなんです~❤」
「黙れ。俺はテメェみたいに男なら誰にでも尻振るような女は、死ぬほど嫌いなんだよ」
「あは~ん❤ 先輩ったら……あたしが可愛いからって、照れちゃって~❤」
[ 覚醒のカモワードと、最悪の再会 ]
過去回想が終わり、現在――。
カモワードは以前やった修行を思い出し、全身にマナを集中させていた……!
(……練習の時みたいに……今度はあの時、クローマー神父が僕の技術で電撃を放ったのをイメージして、僕も……!!)
「何をそんなに考え込んでいるのですか。どうせ死ぬ運命だというのに」 信徒たちが襲いかかってきた、その瞬間。
「"ein mächtiger Blitz"!!」
エドワードの一喝とともに、信徒たちはまるで電気の丸焼きのように全身が焼け焦げていった……!
「で……できたのか……?」
その姿を見ていたライムは驚きを隠せない。 「おぉ、マジかよ新人!! てめぇ、S級の新入社員だったのか!? 見直したぜ!」
ライムの傍に隠れていたマテオ会長も、驚いた様子で叫ぶ。 「何だ、お前! やればできる奴だったのか!!」
一方――。
「さぁ~て、遊びはこれでおっしま~い。でしょ? アイちゃん?」
「静かにして……」
その瞬間……! 廊下の奥から、どう見てもヤバそうな女二人の影が近づいてきた。
「あぁん? てめぇら、何者だ……。見るからに雑魚どもの上役か……いや、もっと上の連中か? ある意味、この作戦を仕組んだ張本人ってわけか。姿を現してくれるたぁ、ありがたいねぇ!」 ライムが叫ぶ。
「ほぉ~? 何よぉ~、図体ばっかり大きいお兄ちゃん、意外と頭がいいのねぇ。見た目に反して~♡̇」
「な……何がお兄ちゃんだ……」
(おいコラ!! いくら年下に弱くても、相手は敵の大将かもしれない奴だぞ!? もし戦意喪失なんてしてみろ、このナレーターのおじさんはお前に大失望だかんな……!!)
「それで……お前……ら……は……誰なんだ……?」
「あたしたち~?♡̇ 大したもんじゃないわよ~。お兄ちゃんの正解通り、あたしたちがこの作戦を企てた張本人。ねぇ、アイちゃん?♡̇」
「…………」
驚くべきことに、沈黙を守っていた女は、第1話でエドワードに濡れ衣を着せ、彼を死の淵まで追い詰めたフランツ・アイナ・アインスだった……!!!
「フランツ……!! **君**がA.A団の所属だってことは知っていたけど……!!」
「久しぶりね……エドワード君…………」
「それで……お前……何ていうか、どこかで感じたことのある恐怖を感じるんだけど……お嬢さん、正体は何だ……?」
「あたし~?♡̇ 別に何でもないわよぉ……。あたしはデミアン・デモニクスの、たった一人の妹~♡̇……ジュリエット・デモニクスよ~♡̇」
非常事態!! 非常事態だ!!!!! ようやく花道が開けるかと思いきや……!! 現れたのはデミアンの妹と、第1話でエドワードに色目を使って裏切ったフランツだったのだ!! さぁ、カモワードよ!!! この事態をどう乗り越えるつもりだ!!!!!
次回へ続く!!!!!




