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ラストプリズン プリンセス~後章~

5日たっただろうか…。

やっとシルファが迎えに来れるみたいだ。

明日に迎えに来てくれるらしい。

なので、今日はいつも通り仕事をしていた。

最近皆の活気がある。

なんでなんだろうと思ったのだが、初めてノルマ達成をした次の日、急に一致団結し、ノルマ達成をみんなですることによって、毎日チャーハンを食べることに生きがいを感じていたのであった。

なんなら、ふーくんさんの手を借りなくともタオルを共有し合うようになっており、ノルマ達成できるようになっていた。

まぁでも、もうあのチャーハン食べれなくなるんだけどね…。

この空気の変わりようは、ふーくんさんも感じ取ったらしく、ため息をついていた。

まぁ作っているのはふーくんさんだしね…。


「おい、アマネ。」

「なんだ?」

ふーくんさんは何も言わずにチャーハンを作り続けている。

「やっとみんなが活力を見いだせているのに、チャーハンを作れる奴がいなくなったらどうするんだ。」

今は、囚人たちの分を作っている。

「別に問題はないだろう。元より彼らは死ぬべき存在。活力を見いだせられても困る。」

「じゃあなんで、チャーハンなんて与えたんだよ。」

「記念のつもりだったのだが思ったより好評すぎたので延長することにした。」

まぁでも、あのチャーハンはアマネのチャーハンの1000倍はおいしいしね…。

アマネには申し訳ないのだけれど…。

「まぁでも。明日からチャーハンがなくなったら暴動がおきるかもしれないぞ?」

「んーまぁ確かに。そうですね。ノルマを達成を不可なレベルまであげるしかないんじゃないですか?」

でもそれだと、アマネの言っていたタオルの仕事の協調性云々を度外視した仕組みになってしまう。なんだかんだ、ここから出られないとはいっても、生きる方法は今までには存在していた。

とはいえど、毎日生キャベツだったら栄養失調で死ぬとかはあるとは思うのだが。

「一応、カリキュラム的にそれはできない。これは私が決めたルールではない。」

決めたのはシルファなような気がする。

「じゃあアマネさんがこのチャーハンを作れるようになれば、問題はない気はしますけど…」

もうこれしかないような気もするが…。

ただ、ふーくんさんレベルのチャーハンを作れるのかは疑問である。

「え、絶対無理だろ。」

ふーくんさんがアマネに対して突き放した。

まぁ、そうなっちゃうよね…。

なんか、炭素の味がして、料理の味がしなかったし…。

「私でも作れる。」

アマネさんは伸びていた。なんというか、物理法則を無視して伸びていた。

これは、やる気なの…か?

どうなんだろう…。

「いや、絶対無理。あきらめた方がいい。一回自分見つめなおした方がいい。」

めっちゃいうじゃん…。

でも、アマネさん自体はすごいやる気そうなんだよね。めっちゃ伸びてるし。

「それに、化学調味料入っているしな。」

「何!?」

アマネがとても苦しそうな顔をして縮んで崩れていった。

確か、アマネが作ったチャーハンには化学調味料は入っていなかったはずだ。

でも、そんなに苦しむようなことなのかな…?



「まぁ教えてやってもいいが、一つだけお願いがある。」

ふーくんさんがアマネさんの前に立ち、頭についているアルミホイルを取った。

「何をする。」

「お前に常識など必要ない。なぜなら、お前は神だからだ。なので、常識を捨てろ。」

ふーくんさんはアルミホイルを丸めてごみ箱に捨てた。

「あ、知ってますか?アルミホイルって丸めて叩くと、鉄球みたいに光り輝くんですよ。」

私は、ごみ箱捨てられたアルミホイルを拾った。

アマネは、諦めたかのような表情をして、納得した。

「しょうがない。私は神。常識を妥協して生きる。」

「まぁ、後は教えるからには、囚人を死ぬべき存在として見るのではなく、きちんとラストプリズンの看守として囚人たちを見守れ…。」

意外だな。ふーくんさんがこういうことをいうのは。

「教える意味がなくなるからな。」

多分本音はこっちだな。



アマネさんが4時間たっても厨房から出てこない。

私は、アルミホイルを地面に叩きつけまくっていた。

とても光沢はでてないものの、元がアルミホイルということが分からない程には鉄球らしさはある。

そういえば、磨かなきゃいけないんだっけ…。

私は自分の服で磨くことに専念した。

さっきよりもピカピカな気がする?

気持ちだけの問題かもしれないが…。

すると、アマネが厨房から顔を出す。

さっきよりボロボロじゃない?

アマネさんが手に持っていたのは、黒くないチャーハンだった。

「食べて。」

私はチャーハンを口に運ぶ。

う、うまい!ふーくんさんには及ばないのかもしれないが、すごい上達してる!

「お、おいしいです!」

私はすぐチャーハンを平らげた。

「みんなにも食べさせてあげましょう!」

アマネは頷く。

私たちは、大量のチャーハンを運ぶ準備をする。

そして、暗い廊下をひたすら走って、暗闇へと消えていった。


みんなの部屋ともいえる、牢屋の方に向かう。

すると、めちゃくちゃ喧嘩しまくっていた。なんで!?

「チャーハン今回なんでこねぇんだよ!」

「おい!ふざけんじゃねぇ!」

喧嘩じゃなくて、暴動が起きていた。

「待て。ここにある。」

アマネが、皆の中心に行く。

そしてみんなの牢屋のカギを開けた。


「チャーハンだ。」

アマネはチャーハンを見せる。


「早くよこせや!」

みんなが一気になだれ込み、アマネは潰されてしまった。

そして、みんながチャーハンを一気に食べまくる。

「なんかいつもと味が違くないか?」

「今日は私が作った。」

潰されて床と一体化したアマネが言う。

「普段は違うやつが作ってたのか。」

「あれじゃね?給食センターみたいなやつじゃね?」

「なるほど。」

なんか納得している。

「ていうかなんでお前牢屋からでれてるんだ!」

一人の男性が私を見て叫んだ。

「あ、えええと…。牢屋破壊したので、もう私の部屋はこの建物全体なんです…。」

「え。」

アマネが困惑していた。

どんな嘘だよ!

自分でもあわあわしてしまう。

だが、周りはまじかよ…。いつかやると思ってた。バケモン…。と噂を立てていた。

え、これでも通用するウソになってるの?皆からどんなふうに思われていたの!?

「じゃあ俺の牢屋も破壊してくれよ!」

やばい!詰んだ!

私は目をグルグルさせながら、その人の牢屋の棒を二つ持ち、左右に力をいれた。


「う…ううう。」


私は力を抜く。やっぱできるわけないよね。

私は牢屋の方をみた。

人が出入りできる隙間ではなかったものの、なんと牢屋の棒が歪んでいた。


「ひえええ!」


私が一番びっくりした。私ってこんな力あったの…!?

周りの囚人たちは、すげぇ!と大盛り上がりしていた。

その日の夜。私はラストプリズンの女王とあだ名がついた。

ちなみに、アマネに後から聞いたのだが、この牢屋は魔法で作成された牢屋であり、この牢屋自体かなり硬いようだ。なので、歪むだけでもやばいらしい。




「えぇと、ラストプリズンの女王こと私は、今日を持ちましてラストプリンズンを卒業することになりました…。皆さんこれからも頑張ってください。」

次の日の朝、いつものタオルの場所で前に出て発表していた。

「後多分、ノルマをクリアしたらアマネさんのチャーハンが食べられます…。達成できなければ毎日生キャベツです…。あとは頑張ってください…。」

「ラストプリズンで卒業とかできるのかよ!?」

「ああ、ええと…普通はできないんですけど、牢屋を壊したのでここでは収監できないということで場所移動になります…。」

彼らには嘘をついて申し訳ないが、適当に理由をつけた。

私はなぜかここで目立った存在だったみたいで、急に消えるのはよくないということで、皆に説明することになった。

ふーくんさんはここにはいない。アマネによって殺されたことになっていた。

「記念にアルミホイルを叩きまくって完成させた玉をプレゼントします…。」

私は皆にアルミホイルの玉を見せる。

アルミホイルとは思えないほどの光沢を見せている。

そうして、私は皆にプレゼントをするつもりでアルミホイルの玉を、力を入れて投げる。

アルミホイルの玉は明後日の方向に行き壁にぶつかって、壁がその威力によって破壊された。

「あれ、鉄球じゃね?」

「いや鉄球でもすごいだろ…。」

一人の囚人が、アルミホイルの玉を拾いに行く。

そして、大声で、軽い!という。

「アルミホイルの玉で壁を破壊した…。」

「すげぇ…かなわねぇ…。」

皆は眼福そうに私を眺めていた。

「お前、伝説だよ。」

「これからも頑張って。俺らも頑張るから。」

「俺たちも牢屋を破壊して、ラストプリズンを卒業してやる!」


囚人たちとの別れ。

ラストプリズンは、最初の悪い雰囲気が嘘のかのように、温かい空間へと変わっていった。




つまりそれは、アマネとの別れでもある。

私とふーくんさんは入口のほうに行く。

シルファが私たちを迎えに来たみたいだ。

そういえば、100点とかそういう話あったな…。普通に5日が一か月のように感じた。頭にアルミホイルまいたほうがよかったかも…。

「お前とは戦いたかったが…戦闘には慣れていないようだった。また出会うとき戦闘能力が向上していたら戦おう。」

私はアマネと最後の握手をする。

「死にたくないので嫌です!」

私は笑顔で答えた。

「そうか…。」

アマネはしゅんとしていた。

「それにしても、100点を取るのが早かったように思えたわね。」

シルファが意外そうな感じで言っていた。

「俺たちは意外と優秀ってことだな。」

「そ、そうですよ!」

本読んだだけだけど!

「そう、この本をー。」

アマネが本を取り出したその瞬間、ふーくんさんの魔法で、本が燃えた。

「あら、何事?」

「山火事みたいなもんですよ!紙も木からできていますし!」

「そんなめちゃくちゃな理論本気で言っているの?」

シルファはとても困惑をしていた。



「まぁなにはともあれ、アマネに100点と言われたのなら、文句はないわね…。腑にはおちないんだけども。本当に何をしたのかしら…。」

「送った張本人が言うなよ…。」

私たちはラストプリズンから出て、シルファの運転する車で会話をしていた。

「常識はちゃんと見に付けましたよ!」

私は胸をそった。

「じょ、、常識…?」

シルファは困惑している。

あれ、なんかまずいこといった!?

「アマネ自身が言っていたんだぞ。常識とかなんとか。」

ふーくんさんがフォローに入る。私が間違えたのかと思ったよ…。

シルファは、何も話さずに運転していた。

そして、口を開ける。

「もしかして、正直の部分を勘違いした…?」

文脈は分からないのだが、正直を常識と勘違いしたということか。

「まぁ、あいつに常識なんてないからな。」

「と、いうか本当はあそこでなにをしたらよかったんですか?」

「確かいつも通り、正直にやってノルマクリアできたら終わりと伝えていたんだけど…。」

な、なるほど…。ってそれ伝え方が悪くない?

「あいつなら、常識のノルマとか勘違いしてそうだな…。」

「ありえる…ありえます…。」

私たちにしか聞こえない声で話す。

「ちなみにタオルのノルマは、1万だった?」

い…一万!?

簡単すぎない!?

「ふざけんじゃねぇぞ…。」

ふーくんさんはめちゃくちゃぶちぎれていた…。

まぁ怒りたい気持ちもわかるけどね…。

「一応、2000~15000の間と伝えてあるはずだけど、あなた達はどの数字だったの?」


「10万」

「100万」


私たちは、このふざけた数字を並べた。

信じてくれないかもしれない。

それでもいい。

私たちは成し遂げたんだ。

なんだかんだシルファの目標も達成できていたじゃないか。

全員でノルマを達成したんだ。

いいじゃないか。




30分後。

「まぁ普通にやっていたら畳まずに盗むやつもいるから、クリアは一生できなかっただろうな。」

「なんだかんだ、あの人が死んでくれたお陰もあるかもしれませんね。」

「あぁ、あいつは殺しておいて、正解だった。チャーハンのおかげかもしれないが、あいつが死んでから、なんだかんだ雰囲気よくなったし。」

「貴方たち、本当にあそこでなにをしてたのよ。」


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