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精神年齢

次の日、普段のタオルの仕事は急遽無しとのアナウンスがされた。


私たち以外の囚人たちは初めてのことだったらしく、とても喜んでいた。

とはいえど、牢獄の中にずっといるのも退屈だと思うけどね…。

「それで、何をするんだ?」

私たち二人はアマネに呼ばれ、あの天井の空いた部屋に呼ばれた。

ただ一人、なぜ呼ばれたか状況の分からないふーくんさん。

アマネは一つの本を取り出した。

「ふーくんさん!常識を学びましょう!常識!」

「はぁ…。」

なんか、気だるそうにしている。常識も大事だからね!?

「昨日この本を買った。」

それは、常識!恋愛!ときめきメモリアル!と書かれてあった。

ん?恋愛…?

「これで常識が分かるはず。」

「ちょっと待ってください。恋愛って書いてありますけど大丈夫ですか?」

ていうか、恋愛に常識なんてあるの?

ふーくんさんは、本の裏側をみた。

「これ、地味にR18だぞ…。」

「R18ってなんですか?」

まじかこいつみたいな顔をされた。ふーくんさんは頭を抱えていた。

「そもそもこの本どうやって購入したんだ?」

「本屋の奥の方にあったので買った。店員さんに年齢を確認されたが答えたら問題はなかったみたい。」

「本買うのにも、年齢が必要なんですね!」

知らなかった!私の家にはたくさん本があったから本を買うことはなかったんだよね…。

何歳から買えるんだろう?参考までに聞いてみよう。

「ちなみにアマネさんって何歳なんですか?」

「私の年齢は200歳だ。だが、人間のふりをしなくてはいけないため、100歳と答えた。」

100歳以上かあ。あまり参考にはならないかもしれない。

「ちなみに言ってあげるが、18歳以上ですべての本は買えるからな。」

「え!?私何歳に見えます!?」

「もう18歳ということにしておけ。」

そうなんだ!私って18に見えるんだ!

「念のために10冊くらい常識の本を買った。これで常識はマスターできる。」


最初にこの常識!恋愛!ときめきメモリアルという本をみんなで見た。

「ていうか、このキャラときめき魔法トゥインクル☆はあとの主人公の友達の友達じゃないですか?」

少し絵柄は違うけれども、この『アハッ!キラン!』という挨拶の仕方は紛れもなくこのキャラのセリフだ。

「これ、あれか…。二次創作の同人誌か…。」

ふーくんさんがわけのわからない単語を並べている。

ま…まさか…!

「も、もしかして…私の知らない間に続編がでている!?」

このときめき魔法トゥインクル☆はあとをこの世から愛しているこの私が!!!

知らないなんてこと許されていいはずがない!

「アマネさん!熟読しましょう!常識、マスターしましょう!」

そして、アマネと私は本を読み始めた。

ふーくんさんは寝ていた。


「つまり、触手で体を貫こうとするのが恋愛の常識ってことですね!」

恋愛ってしたことないけど、こういう感じなんだ!

「触手とバトルして、どちらが勝つかみたいな情熱を感じた。」

ふーくんさんはだるそうにしており、ほかの本を見ようとすすめた。

次に出てきたのは、マナーと常識と書かれてあった。

「マシなのがきたな。」

「マナーってなんですか?」

「多分、まな板のことだと思う。」

私たちは、本をめくった。

最初は挨拶の話が書いてあった。

朝はおはようございます…。昼はこんにちは…。夜はこんばんわ…。

「なんかこれ、すごいありきたりなことが書いてないですか?」

「多分、挨拶をしてバトルをするのが常識ってことだと思う。」

「なるほど!丁寧にバトルをすることを心がけるんですね!」

アマネは首をかしげた。

「でも、挨拶をしている間に首を落とされる可能性を考えたとき、不必要だと思う。神の私が言うのだから絶対私のが正しい。」

「なるほど!バトル挨拶の常識は不要なんですね!」

ふーくんさんは次のページをめくる。

「食事のマナーも書いてあるぞ。」

食事のマナーその① ご飯を食べる前にいただきますをいう。

「言ったことないですね。」

「私もない。」

私とアマネは首をかしげてこう言った。

「「言わなくてもごはんは食べれる。」」

私はアマネとハイタッチをした。

「常識を見につける気ないだろ」

ふーくんさんに言われて気づく。今は常識を身に着ける為に勉強している。

今まで通りじゃだめなんだ。

「それじゃあ触手を出す魔法を出してください!」

「そっちはどうでもいいから…。」


「ふーくんさん!」

私は改まっていう。

「常識を身につけたくないんですか!?なんでそんなだるそうにしているんですか!?」

「え?ああ…。終わったか?」

ずっと気だるそうにしているふーくんさん。

常識は大事なんだから私が渇を入れてあげないと!

「バトルする前に挨拶するんですか!?」

「しない。」

「ふーくんさん!常識がないじゃないですか!」

「ああ、そうだな。」

いつも通りに無表情ではある気はするが、顔がめちゃくちゃキレてる感じがするんだけど気のせいかな。

まぁふーくんさんって誰よりも短気な感じするし、しょうがないか。

これまで読んだ本は、全て常識について書かれていた本だった。

「つまり、触手で挨拶して一直線に並びながら南に進む、車のアクセルを踏み続ける、頭にアルミホイルをまいて無農薬万歳が常識ってこと。」

アマネが最後に常識について纏めてくれた。

よし!これで常識は完璧だ!

「もう何でもいいから早くしてくれ…。」



「君たちは100点を取った。おめでとう。記念に私が食事を用意する。」

アマネは頭にアルミホイルをまいた状態で登場した。

「君たちも、頭にアルミホイルをまかないと、電波が脳を攻撃して体に悪影響を受けるぞ。」

私はアマネからアルミホイルをもらった。

私はアルミホイルを頭に巻いた。

私はアルミホイルをふーくんさんに渡した。

ふーくんさんはアルミホイルを真っ二つに割いた。

「それで食事はこれ。」

彼女は一つの料理をテーブルに置いた。

料理は大きな皿に入っており真っ黒の色をしている。

見たことない料理だなあとおもう。

「えぇぇ!これ全部たべていいんですか!?」

「いい。全部食べてほしい。常識を学んだ末、化学調味料を使用していない、無農薬の野菜を使用したチャーハンを作成した。」

チャーハンってこんな料理なんだ!

私は大きい皿に入っているチャーハンを手に取ってスプーンですくって食べた。

「うーん。思ったよりおいしくないかも…。」

なんというか、油ギトギトしているし、炭素の味がする…。

「私が作ったのに…。」

アマネはしゅんとしていた。

「ご、ごめんなさい!えーと多分おいしいです!」

アマネの顔が明るくなった。

アマネもその私のところにあるチャーハンを割り箸を使い食べる。

アマネは割り箸の使い方が独特であり、割らずにそのままグーの手で割り箸を持ち細々と食べていた。

ていうか、箸、向き反対だよ…。まぁ反対の方が面積は少し広いしね…。

「ふーくんさんも食べないんですか?」

「あ、いや。ちょっと今日はいい。」

「私が作ったのに…。」

アマネが先ほどよりしゅんとしていた。

「めんどくせぇ…。」

ふーくんさんは嫌々、自分で小皿を空間魔法から呼び寄せ、チャーハンをよそう。自分のお皿に分けたチャーハンを自分のところにもってくる。

そして、両手を合わした。

「それ必殺技ですか?」

「?」

「それ、ときめき魔法トゥインクル☆はあとの敵の必殺技ですよね?」

「なるほど、手を合わしてお前のことをたべてやるという意思表示か。」

「そうそう、そんな感じのイメージです。」

ふーくんさんは机から立ち上がった。

「どうかしたんですか?」

「頭がおかしくなりそうだから、ちょっと今日は食事はいらない。」

ふーくんさんは部屋を去った。

アマネはすごい悲しそうな顔をしていた。



「まって!」

アルミホイルを頭にまいたアマネが俺を見つけてきた。

「頑張って作った。あまりおいしくなさそうだったか?」

アマネは悲しい顔をしていた。

「普段、あのチャーハンを食っているのか?」

「ああ。他にも料理は作れる。」

まじか…。あんなの生たんぽぽのが100倍ましだぞ…。

「厨房はどこだ?」

俺は厨房を聞く。

「中坊?」

「ああ、チャーハンを作った場所だ。」

「チャーハンを作った場所に中坊はいない。」

ん?どういうことだ?


「厨房のほうか。」

10分説明して、やっと話が通じた。

俺はアマネに厨房の場所を教えてもらう。

「この部屋の隣だ。」

借りるぞ。

俺は、この厨房で、()()()()()()()()ような料理を作ることにした…。

ラストプリズンの食事は、毎日一食の生キャベツだから、そろそろまともな食事をしないと死んでしまう…。



「あれ?ふーくんさん。それはなんですか?」

俺は、3人分のチャーハンを作成した。

「俺流チャーハンだ。」

俺のチャーハンは黒くない。

黄色の色をしている。

「なんかさっきと大分違う気が…。」

よく見ると、先ほどのやばいチャーハンはすべてなくなっていた。

この女、もしかしてあのやばいチャーハン全部食べたのか!?

人間じゃないだろ…。まぁ助かったか…?

俺たちはこのチャーハンを食べる。

「「うまい。」」

2人は感動したのか、すぐ完食した。

まぁ、あのチャーハンに比べたらうまいだろうな…。

俺も、空腹に耐えられず、自分のチャーハンをすぐに平らげた。

「おかわりはないか。」

アマネは空の皿をこちらに渡す。

「作ればあるが…。」

「作れ。」

めんどくさいが、作らないともっとめんどくさいことになりそうなので、作ることにした。

その前に…。

「お前、それは割って使うんだぞ…。」

流石に箸を使えないのは見ているだけでも頭が痛くなりそうなので、アマネに箸の使い方を教えた…。

あの女もやばい奴だが、こいつも別ベクトルでやばそうなんだよな。

最初は、話し方とかオーラといい、ただの戦闘狂だと思っていた。

こいつは、ただの戦闘狂なのではない。

精神年齢があまりにも低すぎる。

「あ、お代わりください。箸の使い方は私が教えておきますので!」

俺には、いま皿が両手それぞれある。



この世界に来る前は、料理はアリシアが勝手に作っていた。

俺はチャーハンを作りながらふと思った。

久々に料理をしたけれど、よくよく考えたら、俺、この世界で主婦をしてないか…。


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