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主人公は美少女だったはずでした

「あれ…朝…?」

夜に熊に襲われたときどうするかのシチュエーションをしてたはず。

つまりこれは、襲われた後で死後の世界ということか?

「おはよう、ユメ。」

向かいから、ツインテが現れた。彼女までも食べられてしまったか。

「どうして…こんなことに…。」

私は大泣きしてしまった。

「あ、ごめんなさい。強くお腹を殴りすぎて頭がおかしくなってしまったのかしら。」

数秒、お互い沈黙。なるほど、つまりはお腹を殴られて、また気絶してしまっていたというわけか。

しかし、ここで気づいた。これだと私が頭がおかしい人みたいになってしまうということに気づいてしまった。

よし、こうしよう。夢から覚めていなかったシチュエーション。これなら何も問題はないであろう。

「あれ?これって夢だよね?」

そういって、私はおもいっきり自分の顔を正面から殴った。グシャアと顔が鳴っている気がした。実際はボキボキと鳴っている。

私は元いた位置から5m先の木までとてつもない音を出しながらふっとんだ。周りの木々をなぎ倒しながら。

私を止めた木は元の姿より変形し、すこしよろめいていた。

「あれぇ、夢じゃなかったみたいぃ。」

私は笑顔でツインテに言った。


「私思うのよ、普通自分を傷つけるときってどうしても力が弱くなるはず。

どれだけ強く殴ったつもりでも他人を傷つけるよりかは弱くなる。それは防衛本能だと思うの。

それでもあなたは、何もない状態から自分の力で、自分の顔を骨折させ、ぐちゃぐちゃで気持ち悪い顔になった。

あなた、頭どころか精神までぶっ飛んでるわ。でも、自分の力をいつでも最大限引き出せる。それはだれにもできないことよ。」

フォローを入れてはくれたものの、頭どころか精神がぶっ飛んでるキャラになってしまった私。


ツインテに私の今の似顔絵を描いてもらいみせてもらったが、とても人間とは思えないほどまがまがしいなにかになっていた。

木が変形していると思ったが、私の方が変形していた。

雰囲気は驚くほどまがまがしい奇形種だ。よくこれで生きてられるなという形。

脳に損傷がなくてよかったです。と伝えたら脳はもう最初から損傷してるからじゃない?と言われてしまった。

私は、お母さんの前ではおしとやか美少女キャラであった。ツインテも私をおしとやか美少女と思っていたに違いない。

それをこんな顔にまでしてしまってなにが美少女キャラなんだろうか。

「どうしてぇこんなことにぃ。」

また私はボロボロと泣いてしまった。

「自分でやったんでしょ…。」

ツインテが発言したその時、山の下の方から物音が聞こえた。

どんどんと音は近づいていく。

そして、気づけば私たちは全員が同じターバンをつけている謎のグループに囲まれていた。



「お前たち、何者だ。」

囲んでいる中の一人の人間が発言した。

体格や威厳さをみるにおそらくこのグループのリーダーなのだろう。

「私たちは怪しい者ではありません。ただの旅人です。」

ツインテは両手をあげた。私も両手をあげようとしたそのとき

「うわぁ気持ちわりぃ化け物がいる!」

私の横から叫び声が聞こえた。私が振り向くと、おそらく発言した者は私を見ていた。

その声をはじめに、グループ同士でざわめきが走る。

ツインテはすごい苦い顔をしていた。ただこちらも説明しようとしてもうまく説明しようがない。

この場をおさめるにはどうすればいいのか。

リーダーと思われる人間は前に出てこういった。

「こいつらを捕獲しろ!もしかしたら粟のやつらかもしれない!」

そして私たちは、この謎のグループどもに捕らえられた。

これからどうなるんだろう…。不安とともに彼らと山を下っていった。


私たちは村にある階段を下った先の地下の小さな一室に閉じ込められいた。

私とツインテは両手両足をロープでしばられていて、身動きがほとんどできない状態だ。

「こんなところで言うのもなんだけど、ここが目的地よ。」

実に私が目覚めてから11日目

最悪の形での村の訪問となった。

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