顔面帰還
あれ…
さっきまでツインテとアリシア?と言われてた人が戦闘していたはず。
そして、私はふーくんという男の人に首を絞められていたが、そこから緑の光が現れ、そしてその光に包まれてそこから意識がない。
これは、私がツインテと出会った直前と同じような構図であることが分かる。
もしかしてあの時、お母さんの力ではなくて自らの力で、お母さんと離れ離れになったのか…?
今、目でわかる範囲で言うと、ツインテもアリシアもいない上に、なんというか都会といいますか…。
島の情景とはかけ離れた何かがそこに存在していた。
建物が立ち並び、たまにマンションがある。そして、いわゆるインフラってやつなのだろうか?街並みがすごく整備されていてとても住みやすいような街に思える。
「あー。いてーなくそが。」
横には私を襲おうとした男の人がいた。
頭についている土をを手で払っている所だ。
まずい!
私は戦闘態勢に入る。
「ひええ!化物だ!」
私は、声の先を見る。この街の住民かと思われるが、その声により他の住民達がこちらへ何事かと言わんばかりに向かってきているではありませんか…!
「おい、こっちに逃げるぞ。」
襲おうとした男の人が私の手を強引に引きその場を立ち去った。
住民たちも何人か走って追ってきたが、持久力と速さがこちらのほうが上手だったようで、途中で見えなくなった。
男の人の手をあまりまじまじ見たことないけど、私の手より2倍位あるんじゃないかってくらい大きいんだなとその時初めて思った。
「ここなら人気ひとけがないだろう。」
この人に殺されそうだったのに、なぜか助けられた。
ここは、路地裏である。確かに人気ひとけはないけど外は明るいのにここは薄暗くてちょっと怖いかも…。
「その、ありがとうございます…。」
私はお礼を言う。
「ッチ。」
舌打ちされました。
怒っているのかな?まぁ、こんなことになったのは恐らく私のせいだしね…。そのおかげで私は助かったんだけど。
「おい、お前。整形してどうにかその顔見れる顔にしろ。人目について、落ち着かない。」
整形かぁ。聞いたことはあるけど、確か自分の顔を変えるんだっけ…。
「じゃあ、私と離れ離れになればいいんじゃないですか?」
「はぁ?」
「だって私がいなかったら貴方は人の目につくこともないんじゃないですか?」
何言ってんだみたいな顔をされた。
え?わたしがおかしいの?
「お前が俺をここに連れてきたんだろうが…。俺は正直、自分の力で元の位置に戻る能力はないぞ。」
「わ、私も無意識にやったんで、戻る能力はないです!」
やはり自分の能力でこの世界に来たかと思いつつ、使い方がわからない上に戻る方法もわからないのでどうすることもできない。詰んだか?
でも最悪の場合、私からしたらお母さんの元へ帰れば問題ないので元の世界に戻らなくてもいい。ツインテには申し訳ないけれどもこれからは一人で旅をしておいて下さい…。
まぁでもさっきの人日本語を話していたから、おそらくここも日本。
なので、ここの現在地が分かればツインテたちのいる場所へ行けそうな気もするが…。ただ、ツインテ達がどこら辺にいるか分からないので、彼が知っている前提の話になるが。
「戻れないと困る。」
でもこの人はやっぱり戻りたいか…。じゃあ、ここがどこか知るところから始めたほうがいいのかなあ。
「どうしてもですか?」
「お前は戻りたくないのか?」
「私はもとよりあの辺りの住民ではなさそうなので…。」
私は人間なので地球に住んでいたはずではあるものの、全く情報がないのでもしかしたら日本以外の場所かもしれない。
「…?まぁ、お前人間じゃないだろうしな。」
まさか、悪魔と思われてる!?いっそこの際悪魔の言葉で話すか!?
いや、事態を悪化させてどうする…!
私は首をふる。
「私これでも人間なんです!信じてください!日本語話せます!ワタクシニホンジン。」
「いや、その顔で人間は無理があるだろ…。目はいいとしても、鼻とか原型とどめてないし口もどこにあるかわからないし…。」
今の顔、そんなにヤバいの!?ツインテに顔のイメージ見せてもらったときはそこまでじゃなかったね!?
まぁ自業自得なところが100割だけどね…。いや本当に、自分のせいだ…。なんでこんなことに…。
「実は、自分で自分を殴ったんです…。」
「は?」
「そしたら、こうなりました。」
「わけがわからないのだが。」
「私もなんでこうなったのかわからないです…」
はぁとため息をつかれる私。
「こっちに来い。」
そうして彼はまた強引に手をつかむ。なんだろう、なんかモヤモヤするような…。何かを忘れているような…。
そのときフラッシュバックする。
私は昔よく同じような夢を見ていた。誰かも分からない。
声しか聞こえないんだ。毎回。おそらく男性。
でも、わからないことを教えてくれるいい男の人だった。
本当に…分からないことを…教えて…くれる…
男性は一度も見たことなかったけど…
夢で初めて…男性というものを…知る…
「おい、寝るな。」
私はひっぱ叩かれた。ぎゃ!といって尻もちをつく。彼が、私に向かって鏡を向けてくれた。
そこには化物とは程遠い美少女が写っていた。
これが…私…!!!!
って治ってる!?
「まぁ、殴ったということは、損傷扱いということで。治癒魔法を使っただけだ。」
治癒魔法。それは傷を癒す魔法。
「治癒魔法ですか!私も理論はわかります!使えませんけど!」
キラキラとした目をする私。
だって私、治癒魔法好きなんだもん!
「そりゃ、治癒魔法は理論はそこまで難しくはない。ただ、そのまま使っても魔力の消費量が大きく使えたものじゃないからな。圧縮して魔力の消費量を下げる事が必要となるが治癒魔法の圧縮方法がかなり難しく、使える人がほとんどいないとは言われている。」
そうだったんだ…。まあ、私からしたらそういう次元の話じゃないと思うけどね…。
というか、この人私に対してめちゃくちゃ殺意高そうだったけどそんな高難易度の治癒魔法使えるんだ。意外…。
消費魔力が多いということは私は使えないだろう。
人は見かけによらないんだなぁ。




