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黒と白の盗賊

次の日になる。


「とりあえず、今日は水をあげることから始めます!」


ただ、この水が厄介ではある。


一切の不純物を取り除く魔法を水にかけなければならないのだが…。


この魔法はかなり魔力を使用する魔法である。


私の魔力では使えそうにはないな。


魔法陣を描いて、この島の人にできそうな人を見つけるしかない。




「大変だ!」


子供たちがセガさんの前に集まってきた。


「俺たちの野菜がなくなった!」


「何!?」


セガさんと子供たちは走ってどこかへ消えて行ってしまった。


見えなくなってしまったものの私も後を追う。


着いた先には、何もない畑だった。


穴がボコボコとしており、恐らく誰かが採ったのだろう。


これはもしや、デストロイヤーちゃん2号か!?


私は詳しく畑の土を見る。


足跡があるのだが、子供たちよりも少し大きいようなきがする。


現在、この島に子供たち以外にいるのは私とセガさんとツインテのはず。


も、もしかして…


「セガさん、あなたが犯人ですね。」


そう、昨日寝ている最中に盗みに行ったのだな!


私は人差し指をセガさんに向ける。


「違うから黙っておけ。」


そういって、私を額をデコピンした。ツインテより優しい!


「よくよく見ろ、靴の形が男のものではないだろう。」


私は凝視する。中央が凹んでないしサイズが少し小さめだ。ヒールやブーツなのかわからないが女性のものらしい感じはする。


「でもこの形のような靴って誰も履いてないような…。」


ツインテも私もスニーカーだし、中央にへこみはないと思われる。


試しに確認してみたが、やはり歩きやすいような形になっている。


「侵入者…かもな…。」


「こんな何にもなく来る意味もないような島に、わざわざ野菜に盗みに来る人がいるんですね…。」


「喧嘩売ってんのか…?」




足跡をたどるも、途中で途絶えていた。


ただ、この方向に侵入者がいるのかもしれない。


「村のみんなで島中探すぞ!」


子供たちは、ばらけて侵入者を探しに行った。


「大丈夫でしょうか。子供に何かあったら大変だと思うんですけど…。」


まだ正体が分からない侵入者。襲われてもおかしくはない。


「大丈夫!?」


看病をしていたはずのツインテが走ってくる。


「なんか問題があったんじゃないの!?子供たちが騒いでるの。」


「かなりやばい状態かもな…。俺も探してくる。」


そういってセガさんが侵入者を探しに行った。


「病気で倒れている子は兄に今は任せてるの。どういう状況か教えてもらえる?」


私は、簡潔にツインテに事情を話した。


「なるほど、、そういうことだったのね。これが、侵入者の足跡?」


私が言う前に侵入者の足跡に気づく。


ツインテは一つずつ見ていく。


「これ、フェイクかもしれないわね。」


「フェイク…?」


「みて、この足跡、歩いてるようには見えるけど、右足左足それぞれでみると角度がバラバラじゃない?」


確かに、言われてみれば普通に歩いた感じではなくて後から手で押したような感じはするかも…。


「侵入者なら、この後島から出ようとするんじゃないのかしら。恐らくこの足跡の方向から逆方向に。」


「でもいつ盗んだんでしょうか。その方向なら私たち昨日深夜にいましたし…。」


そう、やばい茶を飲んだ時の話だ。


「すれ違いもあるかもしれないわね。その時盗んでそちらに行ったのかも。深夜ってことはまだこの島にいるかもしれないわ。」


今はまだ朝の6時。野菜を盗む時間も考えても確かにいる可能性はあるのかも。


私たちは昨日のペットボトル飲料を拾った方向に向かった。


そして、20分ほどたっただろうか。私たちは沖に到着する。


辺りを見渡す。いない…かも。


「助けてくれー!」


少年の声が響き渡る。


視界には入らないが、そこそこ近いのかもしれない。


私たちは声の方向へ走る。


するとすぐに首をつかまれている少年と盗んだであろう二人組が見えた。


盗んだであろう二人組は男女なのだが、男の人が少年の首をつかんでおり少年は苦しそうにしていた。


ツインテは戦闘態勢にはいる。


「放しなさい!」


ツインテは炎の魔法の詠唱を唱える。


しかし、男性は少年を盾にし、ツインテは詠唱をやめた。


「卑劣な…。」


「あのぉ」


私は手をあげる。


「野菜は全部あげます。なので、少年を離してくれないでしょうか…?」


食事も命に関わること。それはわかる。


だが、死んでしまってはどうすることもできない。


「いま野菜を持っているから、メリットがない。」


「じゃあ私と交換しましょう!私こう見えても首弱いんです!」


そういって私は彼の前に進む。


「ちょっと大丈夫なの!?」


ツインテは私のことを心配する。


「アリシア、あの女をやれ。」


アリシアと呼ばれた女性は、斧を出現させる。ってえええ!?めちゃくちゃその斧でかくない…?


そんな大きな斧を持ってしても、軽やかな動きでツインテの方に走りこむ。


アリシアは斧を振りかざす。


ツインテはギリギリのところをかわす。


「まだまだぁ!」


アリシアは瞬時に斧を振り上げる。


ツインテは避けきれず腕が切れる。


「あんたバケモンでしょ!?」


致命傷にはならない程度の傷の深さで安心する。


「お前どこ見てんだ?」


私は男の人に腹を蹴られる。


ぐ、、、苦しい。


意識をどうにか持つ。


「私が代わります!だから…。」


「まぁそこまで言うなら代わってやってもいいぞ。」


彼は少年を投げる。力が強かったのか、地面についた際少し砂に埋もれた。


地面が砂でよかったと心から思う。


私は彼に面と向かって首を絞められた。


かなり強い力で息ができない。


く。。。苦しい。。。死。。。お母さ。。。。


その時少しお母さんが見えた気がした。


だめ。。。もう死ぬ。。。


私が意識が朦朧としている中、男性と緑の光が見え、そして意識を失った。






「あれは…!!」


私とアリシアはユメの方向を見る。


あの山で見た時と同じ緑の光だった。


そして、二人は、姿を消した。


「え、消えた!?」


アリシアが動揺していた。


そのすきに、私はアリシアに炎の魔法をかます。


「熱い!」


しかし、彼女の服は燃えなかった。


「この服は、耐熱性の高い服!ふーくんに作ってもらったの!」


自信満々にえっへんとしていた。


ふーくんというのは、隣にいた男性なのだろうか…。それにしても、全体的にはだけすぎているというか…。


ただ、アリシアと言われている女性があまりにも美人過ぎているし、スタイルも抜群なので似合ってはいた。


多分あいつの趣味なんだろうな…。


ただ雰囲気でいうと、男の方は話が通じなさそうだったが、アリシアの方は話自体は通じそうだ。


少し、交渉をしてみるか…?


「あの…。」




その時、また緑の光が現れる。


そして、先ほど消えた二人がもどってきた。


少し空中に浮いていたのか、二人とも腰から落ちていった。


「ふーくん!」


アリシアが男のもとへ駆け寄る。


「いてぇなぁおい。」


男はユメの頭を蹴っていた。


「ちょっと待ってください!私がここに戻したんです!感謝の一言くらいほしいんですけど!」


立ち上がりユメが男の胸ぐらをつかむ。


あれ…カオスだけどなんか仲良くなってない…?


あと、ユメの顔が最初に出会った頃の顔に戻っていた。この子そういえば顔はかわいいんだった。。。


「それにしても戻るの早かったわね。」


私はユメのもとに駆け寄った。


「え!?早い!?どういうこと!?」


ユメは焦っていた。


え?と思った。今アリシアと二人きりで話したのは3分くらいだった気がするけど…。


「ま、待ってください!私たちワープしてから体感10年以上は過ぎている気がするんですけど…!?」


「それはいいすぎだ。厳密には3年半だな。確かに体感は10年過ごした感じだが…。」


え、3分の間にこの人たち3年半もの時をすごしたの…?


「つまり、1分で1年ってこと…?」


「え、待ってください!ちょっと混乱しちゃってて私…。疲れたので寝ます…。」


ユメは砂に顔を埋めて寝ていった。


「ふーくん、消えてから何があったの?」


「違う場所にワープしてから、監獄に入れられてやっと出れたかと思えば学園の生徒になっていた。そして、スパイ。そして、国から逃げた。」




「「????????」」




私とアリシアは話のスケールさについていけずにきょとんとしていた。

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