みずうみ
久しぶりに描きました。
[ふぅ]男はため息をつく。そして買ってきたビールを飲むとまたため息をついた。
それは誰が見ても悩みか不安があるのが解るため息だ。
時間を戻そう、時は午前10時まで戻る。彼は普通のサラリーマン。年は30前半、そこそこな役職を任され部下もいる普通の会社員だ。
[これがわからないんですぅ〜]いつもの声だ。彼女は今年入った新人だ。年は同い年だが前の整形外科の助手の仕事を辞めてここに来た。そして彼に毎日甘い声で近寄ってくる。
[ここは昨日教えただろ、メモとか取ってないの?]少しウンザリしながら答えた。解らない事を教えるのは良いがこう毎日同じ質問されると流石に少しは不安が出てくる。
[え〜?そうでしたっけ〜?お願いしますから教えてください〜]
そしてその後、[いつもすみません〜、これからぁ呑みに行きません?]
これもまたいつもの様に甘い声で誘われる。
一体なんなのだろうか?こちらに気があるのか?
確かに私は独身だがまだ彼女は欲しくないし仕事にやりがいを感じてるので無理だろう。
彼はまた深いため息を吐く。
不意に家のインターホンが鳴った。
誰だ?!こんな夜更けに?
[開けてくださ〜い]
あの女だ、なぜここに来たのか解らない。
ドア越しに彼は対応する、なんの用だと。
[忘れ物持ってきたんですよ〜、明日の会議に使う資料忘れたじゃ無いですか〜、開けてくださいよ〜]
確か、明日の会議に使う資料を彼女にまとめておいてくれと頼んだな、それか。
ドアを開けて玄関に入れた。
資料を受け取ると一応の感謝と帰りなさいと伝える。
[え〜、喉乾きました〜、何か飲ませてくださいよ〜、それにどんな部屋か興味もあるし(笑)]
目眩がする言葉だが仕方なくコーヒーを淹れる。
[私、初めてじゃ無いんですよ。あなたの家に来るの]
???意味が解らない何処かであったか?思わず[えっ?!]思わず変な声が出た。
[だって、あの時ちゃんと見たから]
あの時?いつの事だ?コーヒーを淹れながら考えるがわからない。[どこかで会った事あったか?]彼が聞く。
[覚えて無いんですか〜?ずっと思ってたのに]ますます解らない、どう言う事だ?
その時、彼女が背中から手を回してきた。
次の瞬間耳元から
お前に会いたかったよ
その声は聞いた事がある、同じ学校の同級生の声だ。確かあいつはいじめがあって転校したと聞いていた。席が隣だから話した事もあるし友人とは行かないが仲が良かった。なぜあいつの声が!?
気づいたらダイニングに仰向けで倒れてた、あいつは馬乗りで刃物らしき物を持ってる。
[待て!なんでこんな目にあわなきゃならんのだ!]俺は叫ぶ!
あいつは言う
おまえを探してた、いじめられてた俺をいつもいつも憐れみの目で見てた、俺はお前のその目が嫌だった。だから俺は女になってお前に近づいた。ここまで上手く行くとはな(笑)
[そんな事はない!俺は友人だからこそ少なくとも俺はそう思ってた!]
友人なら俺の誕生日、いや好きな事を言ってみろよ
[好きな事、そういえば音楽の話とかしてたな、音楽聞く事か!]
違うね、俺が好きな事は俺の思い通りに物事を運ぶことさ!
目の前の刃物は俺を目掛けてやってくる、瞼から涙が溢れる、それは後悔なのか恐怖なのかわからない。
やがて、この部屋は赤い湖が出来るだろう、俺の涙と共に。
こんな話で良かったら(笑)




