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いとしのメリーさん (前編)

僕は、昔からマンガやアニメが好きだった。

ある時ホラーマンガを見ることで僕に衝撃が走った。


面白いと怖いが両立していて、そんな話を今まで知らなかったことがショックだったんだ。


当時の僕は小学生で親や友達からもホラーが好きなんて、と不思議がられていた。


学校の図書館で、妖怪や、ホラー小説を読んだり調べたりして、帰ったらパソコンで都市伝説を調べていた。


そんなある日、僕はメリーさんに出会ってしまった。

出会うなんて言っても話にである。


自分の大事にしていた人形を引っ越しで、やむを()ず捨てなければならなかった主人公の心情。

それに対して人形は、主人に会いたくて追ってくる。


あくまで、僕の解釈(かいしゃく)だが、そこまで聞くと(たましい)を持った人形の想いと、人の物を大切にする心がわかる。

悪い話じゃないと言える。


だがそこじゃない。


この話は、オチを読者に(あず)けている。


そんなの怖い話なのだからよくある。

なんて言われるかもしれない。

でも僕は、あえて言おう。

この話は、愛の話なのである。





これは、僕、烏丸(からすま) 信二(しんじ)がホラー記事を書いていた時の、とある取材での話だ。


◆◇◆◇◆◇◆







私の名前は、竹花(たけばな) 梨花(りか)

ものすーごく田舎(いなか)に住んでいる。


生まれた頃から、この町で暮らしてきた。


学校には全校生徒12人、スーパーやコンビニまで車で30分以上かかる。

町行く人達ほとんど知り合いで、みんな仲がよかった。


クラスには、小学6年生は私しかいなかったけど、いつもみんなで遊んでた。

なわとび、おにごっこ、缶けり。

私達が一番楽しかったのは、かくれんぼかな。


でも、なんでも話せる仲ってほどでもなかつたのかも。

でも、私の家には友達がいた。

人形のメリーちゃん。

金髪(きんぱつ)の青いドレスを着たお人形。



家では、いっつも一緒。

ご飯食べる時も

テレビを見る時も

お風呂は、お母さんにダメだって言われちゃったけど、寝る時も一緒だった。


最近は、もうそろそろお人形さんと一緒にいるのやめれば?なんて言われることもあるけど、なんでも言い合える私の大切なお友達。


ある日、学校が来年で廃校(はいこう)になることが決まった。

廃校って意味は、よくわからなかったけど、なくなっちゃうってことだったみたい。



私は悲しかったし、(つら)かったし、たっくさん泣いたけど、一人だけ泣いてない子がいた。


小学4年生の、ひまりちゃんだった。

ひまりちゃんは、いっつも一人で遊んでいて上級生(じょうきゅうせい)の人達もいつも気を使っていた。


けど、こっそり私達は遊んだりしていた。

ひまりちゃんも一番年齢(ねんれい)が近かったのもあったからか、みんながいなくなったら仲よく話をしてくれた。


ひまりちゃんは、私達に見えていないものが見えていたみたいだった。


一度、私の部屋に来るなり、(おび)えだしたことがあった。



「な、なにその子…」

私の家に来た時、部屋に入るなりメリーちゃんを指さして、ひまりちゃんは腰をついた。

(ふる)えるひまりちゃんは、今にも泣きだしそうだったけれど、おどろいただけだと思って私は、紹介することにしたよ。

「私の友達。メリーちゃんだよ。」

私がそう言うとひまりちゃんは、

「いやぁぁぁぁぁ。」

なんて叫んで駆け足で帰っていった。



それから、ひまりちゃんとはしゃべっていないな。


私は、廃校(はいこう)が決まって、数ヶ月後(すうかげつご)お引っ越しすることが決まった。


引っ越し数日前だったと思う。

ひまりちゃんから家に電話があった。

「久しぶり。」


「どうしたの?ひまりちゃん。」


「明日帰り、教室で待ってて。」


「…なんで?」


「いいから、会わせたい人がいる。」

そう言って一方的(いっぽうてき)に電話は、切られた。

久しぶりに、ひまりちゃんと話せたのは嬉しかったけど、なぜか怒りが私の中にはあった。

自分勝手だなって思ったからかもしれない。


次の日私は、一人教室でひまりちゃんを待っていた。

もう、日も暮れてくる。

早く帰りたいな。そう思っていると、部屋の扉がガチャっと開いた。

「君が、梨花(りか)ちゃんかい?」

見たことのない大人の男の人が入ってきた。


「キャーーーーー、せんせーーい!」

私は、大きな声で先生を呼んだ。

そう教わっているし、いきなり私の腕を(つか)んできたから。


梨花(りか)ちゃん、この人、私の知り合い。」

そう言ってひまりちゃんが教室に入ってきた。


「怖いよー。ひまりちゃんから入って来なよー。」

私は、ちょっと怖くて震えていた。


「ごめんごめん。それでね、この人のことを紹介(しょうかい)したかったの。」

紹介?よくわからなかった。


「なんで?」


梨花(りか)ちゃん、あの人形この人に渡して?」


「なんで?」


「あの人形は、危ない感じがすごいするの。」


「なんで?」


「だって、あの人形…」
















「私を見て笑ってた。」











「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。見つかっちゃった。」


─────ドサッ


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


その子は、気を失って倒れてしまったんだ。

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