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第二次世界大戦、ドイツ、ユダヤ

作者: エラワン

 現在書いている連載の続きを考える気持ちが薄れています。要するに、やる気モチベーション、意欲野心バイタリティ、意志活力エネルギー源、突き動かすものが減ってきているためです。


 そこで今ふと思いついた事を書いてみる事にしました。

 題名は「第二次世界大戦、ドイツ、ユダヤ」というエッセイですが、ドイツの政治家が何故日本を軽視するのかという話になります。


 現代のドイツ社会はナチスの反省から、ホロコーストを繰り返すまいとパレスチナ問題でも一貫してイスラエル寄りの姿勢を示しています。イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘がどんなに激しくなろうと、イスラエルのパレスチナ難民に対する攻撃が国際社会から非難を浴びていようと、イスラエルやユダヤ人に肩入れするドイツ人政治家は多いという。ただしドイツ人社会の世論と政府の公式見解は食い違っており、シリアやパレスチナからの移民の比率が多くなったせいか、政治がドイツに在住する人々の考えからかけ離れているようでもあります。


 此処で日本が出て来るんですが、ドイツの元首相メルケルさんは首相在任中、中国に12回訪問して大歓迎を受けていたようで、経済面でも両国は親密な関係にあった。一方日本には5回しか来ていない。外交儀礼上の最低限の訪問であったし、日本でどんなにドイツ車が売れていようと関係なかった。この違いは何処から来るんだろうか。

 第二次世界大戦は約6年にわたって続いた戦争であった。ドイツ・イタリア・日本など枢軸国の背負う事になる暗い記憶が、ドイツ、特に政治にかかわる者の胸には未だに影を落としているようです。

 以前ギリシャの経済危機で大型借金を抱えるギリシャとドイツとがもめた時の事です。ギリシャ側はユーロ圏を離脱して借金を踏み倒すことも辞さないという、最強硬のヴァルファキス財務相。一方、ドイツ側も妥協知らずのショイブレ財務相が登場して、双方の果たし合いになりましたが、ギリシャに勝ち目はありませんでした。しかし何処からか声が掛かった。悔し紛れなのか、「ドイツはナチスが周辺国にした蛮行を思い出すべきだ」と非難の罵声が飛びかい、時のドイツ首相メルケルさんがそれを聞くと即座に「ばかばかしい」と言って不快感をあらわにしたと紹介された。消す事の出来ない過去の傷をつつかれて、行き場のない感情からそのような発言になったのでしょう。

 そしてこれは考察とまではいきませんが、彼女やドイツの政治家があまり日本に目を向けないのは、再びドイツと日本が親密になるという事態は、彼らの脳裏に大戦から80年近く経った今でも共に戦ったとの記憶、つまりナチスの記憶を蘇らせるから、無意識の内に避けてしまうのではないかと思うのです。それだけナチスの記憶はドイツ人の脳裏から拭い去れない重いものであるようです。

 ところが現代のドイツは人口構成が大きく変わり、シリアやパレスチナからの移民も多くなって、一概にドイツ人がこう思っているとの共通の見解を述べる事は難しくなっています。

 だからドイツの政治家は日本を軽視しているわけではなく、嫌な過去を思い出したくない、それに尽きるのだと考える訳です。皆さんはどうお考えでしょうか。


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