看護師という仕事~白衣の天使どいない~
さて。簡単に私の紹介をしようと思う。看護師である。それ以上でもそれ以下でもない。
ところで看護師と聞くと皆様はどんなイメージだろうか?
やさしい?
献身的?
ほか?
人それぞれだとおもうが
誰しも一度は白衣の天使というフレーズを聞いたことがあるのではないだろうか?
特に男性の皆様。一度は憧れを持ったことがあるフレーズでは?
はっきりいっていない。
世の中の男性はがっかりするような話しになるので、ここからは読まないことをお勧めします。
看護師になろうという若者、なったばかりの看護師、現役看護師に読んでもらいたい。
看護師の仕事。白衣の天使ではいられないのである。
看護師の仕事の現実
日勤
いつも通り患者さんの状態を聞いて、始業開始。とはならない。
看護師ははっきり言って始業開始時間とか関係ない。
早めに出勤して、まず情報収集から始まる。
私は正直いつも始業開始時間ギリギリだったけどね。
そんなの一般企業もそうだと言われるのかな?
看護師は世間一般というものを知らないのだ。世間知らずってやつ。
話しを戻して、夜勤の看護師が頑張ったところで、朝の食事介助など終わらない。
朝出てきて情報収集したら食事介助に行くものである。
そして食事介助しながら早速思うのである。めんどくさい。
「いらない」と言って食べない患者さん。
口を開けない,手で遮る、口に入れたまま飲み込まない患者さん。
頼むから食べてくれ!と思う。無理やり食べさせたくなる気持ちもわからなくはない。
ただ事故につながるとわかっているからやらない。
訴訟になったら負ける気がするしそんなめんどうくさいことになりたくない。
食事介助は時間をかけても進まないもの。それにイライラしても仕方ない。
業務がどんどん進まなくなるからじっと耐える。
朝から看護師のイライラは始まっているのだ。
頭ではわかっているんだが、そうはいかないのが人間の感情というものだ。
治療、療養する患者さんに取って食事は大切。
そりゃ看護を勉強してきたからね。
わかってなくてそう思うやつは看護師やめてしまえと思うけど。
そんなこと言ったらパワハラですと言われるから言わないが。
最近はわかっておらんやつも多いのが現実
あー早く業務開始したいのに!!!!!
そんな気持ちでいるから余計患者さんに伝わり食べてくれないんだけどね。
そこで活躍してくれるのが助手さん
ありがたや~
食事介助を丁寧にして口腔ケアまでしてくれる。もう看護師からすると助手さんこそが白衣の天使よ。
日勤の業務開始!と思ったら、ナースコールの嵐。
たいていはトイレとかが多い気がする。
患者さんも知っている。夜勤は一人だが(一人だからと気を使ってしまう患者さんもいるが、気を使われると、逆に病状悪化につながり、めんどうくさいことになるからやめてほしいのも真理なのだ)日勤(昼間)は看護師が多いということを。
しかし、そこまで多くないのが現実。看護師は万年人出不足なのだ。
そして我が病院は毎日清拭という意味不明なしきたりがある。
入院患者全員である。
患者さんからしたらいいことかもしれないが、こっちからしたら意味不明。
たいていの病院は良くて週3日くらいだろう。いや週2日がいいところだろう。
清拭が無事に終わるのはよくて10時ごろ、下手すると11時近くかかる
そこから次は点滴。こちらもスムーズには終わらない。点滴が入らないのだ。
そして点滴の針を刺し直すことになる。たいてい入りにくい患者さん。
一発で入らないことなど日常茶飯時。全員狩りだされることもしばしばなのである。
やっとその日の受け持ち患者さんの下へ。
比較的健康な患者さんは暇だからか、話したい患者さんに捕まると終わらない。
受け持ち患者さんの部屋の回る順序も大切。勿論重症の患者さんの優先順位が高いのは承知の通り。
急いでバイタル、身体観察、話しをきいているとあっという間にお昼。
受け持つのは1人じゃないからね。
午後は一番にOPEがある。
OPE の準備が間に合わせないとOPE室にも医師にも怒られる。
入室時間は決まっておりよほどのことがない限り遅れることはゆるされない。
そんなときに限って、他の受け持ち患者の状態が悪い。急ではないが気になる。
主治医に連絡するが、たいてい外来に出ているから外来の看護師経由で聞いてもらう。
返事が早急に来ることはよほどのときだけだ。
こちらとしては早く対応したいがそれは無理の話。
わかっているがもどかしい。
患者さんの様子を見ながらお昼の準備。おむつを交換をしトイレの片付け。
寝たきりの患者さんの姿勢を整え配膳を待つ。
おっと内服管理の患者さんの薬準備をわすれちゃいけない。
ご飯前に飲む薬を忘れないようにするのも仕事。
先生早く返事をくれないかな。
待ちきれなくて、外来の看護師に再度連絡するも、まだ聞けていないと言う回答。
そうだよね。外来中に声かけるの大変だもね。と思っても
出る言葉はまだ聞いてくれてないんですか?
それなりに急を要する患者さんの場合は聞いてくださいになるが、今回はそこまで急を要する感じはないので仕方がない。
でも、こいつ患者のことわかってない低能なやつだなと心の中で思う。
我慢、我慢。
そうこうしているうちに食事が運ばれてくる。動ける患者さんは取りに来てもらうシステムにしてくれればいいのに(リハビリにもなるじゃん)、全員配膳するシステム。
意味がわからね~
そうそう忘れてた。車椅子に乗れる自力で摂取できない患者さんを車椅子に乗せることも忘れてはいけない。
かなり慎重な介助(誤嚥する危険が高い)を必要とする患者さん以外は助手さんがやってくれるからありがたい。
それでも看護師が介助しなければならない患者さんは結構いる。
お昼休憩は交互に入るが、一時間など取れるわけない。
だって午後一でOPE の患者さん居るんだもん。
OPE 前にやらなきゃいけないことはなんやらかんやらあるからね。
点滴もOPEまでに入れておかなきゃいけない量がある。手の向きや動きで変わるから見に行かないとね。
休憩中もナースコールはなる。もちろん休憩じゃない看護師がいるが手が回るわけない。ナースコールも出なきゃね。
あっ最近の看護師は取らないらしい。そんな時代に生まれたかった。
口の中に入っている食事をもぐもぐさせながら、歯を磨きながら、患者さんのもとへ向かうのだ。
そんなときに限って今じゃなくてもいいコールだったりする。
でも患者さんにとっては最優先事項だったと思うことで怒りを抑える。
あー麺がのびた。冷めた。はあるあるである。
ご飯をまともに食べる時間もなくOPE出しの時間だ。
どんな手術でも患者さんは緊張している。
寝て起きたら終わってますよというのがいつもの声かけだ。
もう考えるのがめんどうくさい。声をかけないよりは良いだろうと考える。
個別性の看護なんてクソだ。
でも本当はもっと個別性のある看護をしたいと思っている。
看護ってなんだっけ?なんて思っていると入院要請が外来からくる。
日勤の誰が取るか(患者さんの担当をすることを取ると言うのである)で揉めることもしばしばである。
ここまで読んでくれている男性陣がいるかな。
あなただけのことを考えて看護している白衣の天使なんていないから。
OPE室で患者さんの状態を伝え、患者さんを見送り、よし!無事に送り出せた。で終わらない。
次はかえって来てから必要な看護のための病室の準備。ないものがあったらそれだけで患者さんにも夜勤の看護師にも迷惑がかかる。先輩だったら怒られるのが目に見えている。
頭をフル回転させる。
準備完璧と一安心したところで終わらない。
他の受け持ち患者さんの午後の様子を見に行かねばと焦る。この時間の間に何かあったらと不安になる。
最近はそんなのおかまいなしの看護師が多いらしいが、他の病院はどうなのだろうか?
部屋に行ってやっと安心すると思いきや、なんか顔が赤くないか?熱を測ると高熱が出てる。
原因は何だ?午前中の様子はどうだった?なにか見落としたか?
またまた頭をフル回転させながら、取りあえず冷やす。
先生から発熱時の指示があったか確認。
すぐに使うわけにはいかない。
他のバイタルは問題ない?身体所見はどう?
使う前になにか検査したほうがいい?
知識もあるが経験から感じるものもある。
自分の意見や考えも含めて、報告しながら「指示使いますね」または「使いますか?」と伝える。
医師からの指示をもらって一安心と思ったそこのあなた。
それで安心する看護師は低能である。
患者さんの状態は一刻一刻と変化するのだ。
時折、指示出してあるからそれでいいと思っている医師がいるが少し腹が立つ。
看護師っていうプライドがそうさせる。
誰よりも患者さんの側にいて、看ていると自負しているからだ。
そんな医師はたいてい患者さんを診にすら来ない。
そんなもんだ。
なんとなく状態が良くない患者さんのことでやっと医師が病棟に来てくれる。
よかったと一安心。
それと同時に外来の看護師に苛つきを覚える。
医師が待てると判断し来てくれる予定なら、連絡くれてもいいじゃないかと思ってしまう。
だから大体外来と病棟の看護師は仲良くない。関わりのある科は特に仲が悪い。
しかし、病棟に来てくれる医師はちゃんと患者さんのとこに行ってこちらに指示出してくれるからありがたい。
いつまでも来ず、夕方になって慌てだすという医師もいる。
そして日勤がどんなに順調に進んでいても、残業確定である。
あーあー。
OPEの話しに戻ろう
OPEはだいたい予定時間が決まっているが、終わらないことも多々ある。
早く記録を書いて帰室に備えなければと思っていても、受け持ち患者さんのことで気になっていることは山のようだ。優先順位はもちろん命に関わるかどうかだが。どうする?
そんなことを考えていると入院患者さんがきた。
家族が付き添いできていれば別だが、施設などから来た場合はついてきたスタッフがすぐに帰ってしまうことがよくある。
聞くことも、書類等もたくさんある。
そんなときは手伝って、やることをやらないと看護自体に支障が出る。
主治医の治療方針の確認もしなければならない。
検査やらなんやらあることもしばしば。
全員でやるしかないのだ。
結局
自分の受け持ち患者さんのことだけかんがえていればいいということはないのである。
入院を取るか取らないかで揉めているくらいなら「あたしが取る」と言う看護師は少ない。
先ほど言ったように時間がかかるからだ。面倒臭いこと山積みだしね。
私が取ると言いたいところだが自分の受け持ち患者の状況を考えると、逆に迷惑かけそうだから言わない。
ここで大切になってくるのが上に立つ看護師の指示である。
いわいる師長さんと呼ばれる人。
師長さんの一人ひとりの技量と経験を踏まえ、誰に何をさせるかという判断にかかっている。
しかし、残念ながらうまくいかないことのほうが圧倒的である。
師長さんだからできる看護師というわけではないという不条理な世界でもあるのだ。
もとに戻そう
入院患者さんは突如やってきて、大変めんどうくさい業務量になる存在なのである。
誤解がないように言っておくが、入院したらちゃんと看護しますよ。看護師ですもん。
一応皆さんに教えておこう。看護師はただ看護をしているわけではない。
看護計画というものに沿って看護している。一応。
一応というのはできてない看護師が多いから。
ちなみに看護計画とは患者さんや家族の視点にたって目標を決めて、ゴールできる(退院)ように看護していくのである。
看護計画の見直しも定期的にする。カンファレンスというのをして、その患者さんの病状等に沿っているか確認し、改善したほうが良ければ改善した看護計画を立てるのである。
大体の看護師は学生時代に叩き込まれるものだが、最近はどうなのだろうか?
看護とはと聞かれて答えられない看護師も多い。
なんで看護師になったのだろうか?
今度聞いてみようかな?聞いても仕方がないか。おっといけないいけない。
「パワハラです」って言われてしまう。
看護師業界も世間一般の波にあわせてなのか?、はたまた時代なのか?
ちょっと注意するとパワハラと言われてしまう様になった。
昔のような先輩に怒られ、影で泣いて、努力するというのは完全に時代遅れの看護師の象徴なのである。
命を預かる仕事は厳しくてあたりまえと思ってしまう。
これはだめな考え方の様だ。
看護師の仕事って?看護って?
次回に続く