表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

1.ぐしゃぐしゃになりたい

 私も嫉妬深いとおもいます。

 わたしはそうとう嫉妬深い。


 かたまり、とか。

 そんな表現をつかわれるのが、ふさわしいとさえおもう。


 つきあってもいない、ひそかに想いをよせたひとの。そのぐしゃぐしゃな過去を、噂話で耳にしてしまったことがあって。


 そりゃ、おちこんだよ。


 かってなイメージを、おしつけていただけかもしれないけど。

 そのときのわたしは。いだいていた、それが(よご)されてしまったことに、ひどくうろえたんだ。


 傷ついた、とはちょっとちがう。

 やっぱり。うろたえた、が正しいんだとおもう。


 なにそれ? そんなの聞きたくなかった!


 そんなぐしゃぐしゃな過去は、かってにいだいたイメージを(よご)す以上に、このわたしをみじめにした。


 悔しい。

 こんなきもちに、させられてしまうのが。

 いっそのこと、わたしもおなじくらい(よご)れていたら。

 こんなの、たいしたことないって。聞きたくなかった噂話にも、微笑(ほほえ)みをかえせるんじゃないかな。


 そのあたりからわたしは。わたしがぐしゃぐしゃぐしゃになってしまえばいいのに、なんておもうようになっていった。



 ぐしゃぐしゃなわたしなら、ぐしゃぐしゃな過去をもつひとに、悔しくてみじめな想いをすることもない。


 ぐしゃぐしゃになりたい。


 わたしをぐしゃぐしゃにしてくれるものなんて、きっといくらでもころがっているはず。



 あとはそれにみをまかせればいいんだ。

 でも、それは極端。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 同じになることになんにも救いはないと 同じになって初めて分かることもある 自己満足だと分かっていて そう願いたくなるものだとしても 代われたらいいのにと考えて 実際に代われたとしても …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ