表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

はじめ (詩パート)

詩の書き出しは6月入った頃でしたね。

詩でこれだけ寝かしたのは初めてでした(笑)



寂寥(せきりょう)



過去を惜しむ

あとから気づくもの

あの頃へと人は手をのばす


届きそうで届かなかったもの

手からこぼれ落ちたものほど

人の心は忘れがたいと感じるのだ



振りほどく手

掴もうとする指先は届かず

悔いる気持ちと共に握りしめる拳は白く

絆を感じていた心は凍え千切れていた


凍りついた心

流れぬ涙

裂けた魂は目に見えぬ血を流し

傷は癒えぬまま時だけが過ぎる




内なる慟哭の果て


涙流されぬまま






時が経つ





傷は消えない

心へと残り続ける


きっかけがあれば傷は開いて

そこから見えぬ血が流れる


傷を与えるとはそういうこと

傷を受けるとはそういうことだ



つらい

かなしい


そう嘆きながらも

やがて時の歩みにさらされて

傷のあり方は

僅かずつ変わってゆく



流れる血を感じつつも痛みは鈍くなり

寂寥(せきりょう)ともいえる感情が顔を出す



孤独の中に感じるもの

寂しさに身を委ねてしまわずに

心の奥底を覗き見る




人の心は物事から傷を受け

時にその傷から壊れてしまうけれど


その傷は光を与えられたときに

想像もしない輝きを見せることがある


その得も言われぬ彩りと輝き

それは(まった)きままでないからこその光なのだと




輝きの乱舞は複雑に絡み合い

吸い込まれるかのような深い色を魅せる


そこには傷が在るからこそ

壊れなかったからこその何かが現れている



傷は消えない


受けたもの与えてしまったもの

それは消えずに残り続ける


けれども残った傷は脆さや危うさの代わりに

しなやかさと強さを得てゆくことがある




傷を受けたからとは言いたくない…

でも傷がなければここには至らなかった…




寂しさと優しさはすこし似ている

悲しみと強さがすこしだけ似ているように



寂寥(せきりょう)と共に感じるもの

あの頃のなにも知らない自分と

滑らかなものに変わってゆく過去の後悔や苦しみ


変わるもの

変わらぬ想い


こころの奥に眠っている

過ぎ去ってゆくものに想いを馳せる




懐かしさ

楽しさ


そうしたものを

苦さや悔いる気持ちの中へと感じとる




やさしさや

うれしさや


やわらかい気持ち


温もりを心に感じたこと





その時のことを思い出して今は歩こう




あの時の楽しさは今もある



挿絵(By みてみん)



   - ○○の詩 〈 猫又(のぞきや)タマ(^ω^) 〉 -



◇◇◇◇◇


『探偵・日暮旅人の探し物』 著 山口幸三郎


この作品を読み始めた時に出てきた想いを核に書いたものでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ