天気の話がしたいわけじゃない
仕事場のスタッフは、あまりコミュニケーション上手な人が多くない。いや、少ない。
あるスタッフは、他のスタッフの事を、
「何考えてるかわからないんですよねぇ。」
という。いやいや、アナタも何考えているかわかりませんよ。そもそも、自分から意思疎通を図ろうというそぶりもあまりない同志なのだから、お互い何かアクシデントやイベントがない限り、業務で必要とすること以上にコミュニケーションを積極的にはかろうとしてはいない。
驚いたのは、10年近く同じ職場で働いているのに、一緒にご飯を食べに行ったことも無いという話を聞いて愕然とした。僕の感覚だと一週間以内に食事位行くだろって思ってしまう。
「何を話したらいいのかわからなくて」
というが、なんでもいい。毎日暑いだの、雨降りそうだの、天気の話でもすればいい。そう言うと、話がその後、続かないとかなんとかいう。
別にさ、天気の話がしたいわけじゃない。
その時の声のトーン、表情や仕草、顔色などを見るためにやっているのだから。落ち込んだ感じだったら、何か悩みがあるのかもしれないし、顔色が悪かったら健康状態に問題があるかもしれない。それを察することが出来たら、相手の悩みを聞き出すことも出来るし、病気が悪化するのを食い止めることも出来る。相手のためにもなるし、仕事場のパフォーマンスも維持できるし、仲間意識も強くなる。
人と関わる時、仕事でも恋愛でも日常でも、そのすべてのやり取りは「愛」なんだと思う。
愛だなんて仰々しいと思うかもしれないけど、仰々しいと思うからこそ出し惜しむ。誰かを怒らせたり、嫌な気持ちにさせるより、笑顔にして一緒に笑えた方が絶対に味方にも仲間にもなってくれる。もし、悪意をぶつけられたのなら、もしかして自分が相手の嫌なことをしていたのかもしれない。そうでなければ、まだ人間界に来て10回程度しか転生していないから、愛情に慣れていないんだなと思うようにしている。
みんなの空っぽのコミュニケーションの壺があふれて、自分から話したくなる日が来るまで、天気の話をし続けてやろうと思っている。




