レッカー済んで日が暮れて
「じゃあ、お預かりします。」
小雨の降りしきる中、丁寧に、手際よくエストレヤをレッカー車に積み込んだ男性は車に乗り込み、最後にもう一度、レッカー車の後ろの小窓からこちらに会釈をして出発した。
バイク屋さんに相談をした1週間後の平日休みの日、打ち合わせ通りに朝、レッカーサービスを手配した。任意保険のレッカーサービスは路上の事故やアクシデントじゃないとレッカーサービスを適用してくれない。だから、家やバイク店からレッカーサービスで他へ輸送するという使い方は断られるとのことだった。
僕の場合、エストレヤが動けなくなるほど故障しているというのを察知し、そこからエンジンが止まらないように気を付けながら家まで何とかたどり着き、家の目の前で不動となってガレージに入れた。だから、家の外で故障し、不動になったと言える。それでも、家に持ち込んで、そこからレッカーというのは微妙な線になりかねないというので、家から少し離れたところまでもっていって、レッカーサービスを呼ぶということにした。保険を頼んでいる代理店の担当さんも大丈夫だろうということだった。
オペレーターさんに連絡を入れ、インタビューを受けた後、レッカーを手配してもらう。手配が決まってから20分くらいして地元のレッカーサービスから到着時間を教えられた。場所の特定が難しかったらしく、ちょっと遅れて、最初の電話から大体1時間半くらいで到着。直ぐにレッカー車に積み込み、そのままバイク屋さんへ配送ということになった。
小雨の中、ずっとエストレヤと共に外に立っていた。幸い、木の下は雨に打たれることはなかったので濡れることはなかったが、季節の変わり目の温度変化で少し風邪をひいてしまった。
レッカー車を見送った後、バイク屋さんに連絡を入れる。
「到着したら、色々と診て整備していくよ。」
手短に話して電話を切る。ちょっと不思議な気分。購入してから修理に出すことはあっても、レッカー車で運んで、長期入院のために手元から離れることは初めてだった。離れて初めて感じる気持ち。やっぱり寂しく感じるし、もう一度思い切り走りたいなと思う気持ちが浮かんでくる。車検のいらない軽二輪だから普段からあまりしっかりと整備してもらっておらず、タイヤやオイル、ブレーキパッドの交換くらいしかしていなかった。
これからはもうちょっと自主的に点検に出したり、もう少し自分の整備スキルを上げていきたいと思う。車検が無いから気軽に持ち続けられるのも軽二輪の良さだし、何だったら廃車にして、手元に置いておいてもいいとも思う。整備しつつ、カスタムもしていきたい。
インスタのコメントに、バイク屋さんから、
「無事に入庫したよ、これから随時整備していきます。とりあえず故障の原因はキーシリンダーかジャンクションボックスっぽいかと思います。」
とコメントがついていた。とりあえずこれで一安心。今回はある程度出来るところまでは整備してもらおうと思う。帰ってきたら伊豆半島グルっと回るツーリングに行こう。その日が今から待ち遠しく感じる。




