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年年歳歳花相似たり

暖かい昼下がり、やることも無いけど、休日に家から一歩も出ずに終えるのもアレなので、ちょいと出掛けることに。


どこ行くかな?と思いながら、バイクを暖気する。あ、そうだ、昔良く通ったあの道へいこうと行き先を決めて、チョークを戻して出発した。


暖かいけど、日陰はまだ涼しい。ひなたで体を温めながら平日の246をのんびり走る。近所にも桜はたくさんあるけど、東京で働いていたとき、この季節にはいつも、高速の出口を一つ手前で降りて、秦野の桜みちを走ったものだった。


久しぶりに通る桜みち。少し桜も良い時を過ぎていて、ハラハラと桜吹雪が舞い散っている。長い桜のアーチの中を走れば、なんとも言えない気持ち。毎年毎年、この桜の中を走っているんだけど、その毎年の今日が、なんだか同じ一日のような、この桜を見ていると時間の概念がわからなくなるような不思議な気分になる。


毎年、この桜を見たときには、


「また来年、この桜を見に来たいな。」


と思っていたものだったけど、何故か最近は、


「また来年、この桜を見ることができるかな。」


なんて気持ちになってきた。一年一年を大切に生きていかなければならないんだなという、そんな年になてきたのかもしれない。まだやりたいことがたくさんあるのに、でも、時間だけがどんどん過ぎていってしまうことを感じる。だから、もし来年、この桜を見れなくても、でも何か充実したといえるような時間にしたいきもちがする。


まあ、とりあえず、来年ここに来るまではちょっと気合い入れて、毎日を過ごしていかないとな。なんて、思いながらちょっと夕暮れ時になって肌寒さを感じる町並みを抜け、家路についた。

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