ごめんね狸さん
夜遅い時間に帰宅。
家の周りは自然豊かで、動物たちも多くみられる。
野兎、猪、鹿、猿、そして、一番見かけるのが狸。
兎はすばしっこいし、猪も結構早い。鹿は突然ぴょんと道路に出てくるので一番怖いけど、その中でも見る頻度が多くて、そして、動きがのそのそしているのが狸。
いつものように、家に向かう2キロの上り坂を登っていくと、前方を走っている車が何かをよける動き。あっと気が付いたのが遅く、道のど真ん中に轢かれた小動物の姿。よけきれないと思い、タイヤで轢かないように上を通過。多分、猫か狸だったのかもしれない。
家に帰り、奥さんにその話をしているうちに、ふと思ったことがあった。道路で挽かれた動物は、どんどんその後も車に轢かれて可哀想な姿になってしまうことが多い。以前、箱根を自転車で登っているときに見かけた狸も、どうにかしてあげたいと思ったけど、少し無残な姿になってしまっていたので、必要最低限の荷物しかなかったからどうしようもなく、ただただ成仏してくれと祈って立ち去るしかなかった。
ああ、そうだ。死んでしまっているけど、もっと無残な姿にするのは可哀想だし、そのあと轢いた人も嫌な思いをするだろう。どこかに穴を掘って埋めてあげられたらそうしてあげても良いかと思い、スコップを車に乗せて狸を見に行くことに。
直ぐに戻ったためか、まだ綺麗なままの姿の狸を発見。血は出ているけど、他に損傷は無かった。しかし、思った以上に大きさがあり、家に持ち帰っても何処にも葬る場所が無い。役所に電話しても、この時間ではやっていない。仕方なく、誰にも傷つけられないように、道路の端っこへ移動してあげるくらいしかできなかった。ちょっと時間がたっていたのか、体はカチカチに硬直していて、顔は少し苦しそうな顔をしていた。
野生動物は寄生虫の問題もあるし、どういう風に対処していいかが難しい。昼の時間なら、役所に電話して回収してもらえばいいのだけど、出来ない時間もある。里山に生きる野生動物は、どうしても車に轢かれてしまうことが多い。轢いてしまった人が、対応したほうが、他の人にも、自分のためにもいいのではないかと思うのだけど。
綺麗な毛艶をしていて、さっきまで生きていたんだろうなという生命を感じる姿だった。
道路では危険と隣り合わせで、これからの季節は暑さとの戦いで、自然で生きる動物の方が、人間達よりも何倍も大変な思いをしながら生きている。ある程度のバランスをとりながら、共存出来たらいいのではないかなと思う。農家の方々にとっては害獣なのかもしれないけど、でも、その狸もいなくなってしまったら、その土地の生態系も変わってしまうことにもなるのだから、やっぱり、どうにか共存していけたらなと思ってしまう。
次の日の朝、もうその姿は無くなっていた。その周辺の農家さんか誰かが、その後の事をやってくれたのだろう。兎も角、可哀想な姿にだけはならずに良かったなと思うほかない。
ごめんね狸さん。道路の端に寄せることしか出来なかったよ。
今度は車に気を付けて、またこの里山に戻っておいで。




