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2001年9月13日(木)  「He who hurries cannot walk with dignity(いそがば回れ)」

文章中にある「アクション」は、当時やっていたPBMプレイバイメール、手紙形式で行動を送るゲームの投稿のことです。ほぼ1ヶ月1サイクル単位で進んでいました。

 まだ3日目でこんなこと言うのも早いかもしれませんが。

 思いました。

 私、けっこうタフなんだなぁー、って。

 中にはぐったりしてる人も(少しだけど、おおむね元気な人が多いけど)いる中、まだまだ元気でやってられます。

 時差ボケに関しては、ぜんぜん平気です。

 アクションや速報発送日のがぜんぜんつらい(笑)。

 出前夜、アクションかいててへろへろでしたし、飛行機の中でしっかり眠れたし。もともと慢性的な睡眠不足なので、いつでも眠れるからここの時間にも簡単に順応することができました。

 ただ、精神的な負荷の度合いが全然違うだけ。

 ちょくちょく聞こえてくる空港の混雑ぶりや、怖い話などを聞くととっても冷静でなんかいられなくなります。


 今日は……ほんっとにいろんな混乱と、話の二転三転がありました。

 朝から、飛行機の件でお話があるということで、早起きしました。

 朝、けっこういろんなアニメがやってますねえ。やっぱり日本の方が好きですけれど。こっちのはおんなじような系統の絵ばっかりで。ただ、ダンスのセンスはすごいなーと感じました。


 ホテルでお友達になった、同じ飛行機の人が、おみくじせんべい(ラッキークッキー)をくれました。中に、点取り占いみたいにメッセージの書かれた紙がはいっています。なにかなーって思って見たら

「He who hurries cannot walk with dignity(いそがば回れ)」

 と、書いてありました。

 ……し、示唆的です。

 考えさせられます。

 やっぱり、トロントとかバンクーバから回った方がいいってことでしょうか。帰りは。

 と、ある方が占いを見て「当たらねーっ」って頭抱えているので見せてもらったら、

「旅は善し」

 ……し、信じられませんーっ!(大涙)


 で、お話。

 航空会社のお話は、毎回毎回言ってることが違います。

 デトロイトは大変な混雑だとか、飛行機が入れないので空いているとか。

 最初は、アメリカに入るのは怖いので、バンクーバ経由で名古屋に行こうと思いました。しかしバンクーバも、同じことを考えている人達によって大変な混乱になっているということ。それに、どちらにしても、国が飛行機を飛ばしていいと言われない限り、どうすることもできないのです。

 今日は、まずいいニュースでした。

 ウィニペグの空港が開いたため、最初デトロイトに飛ぶはずだった飛行機を飛ばすことができる。デトロイトの空港も開いた、と。

 これらの飛行機が行けば、デトロイトの空港が動き出し、国外にも飛行機飛ぶんじゃないか(希望的観測)というものでした。

 今、手元には、ニューヨークから帰る予定だった16日の帰りのチケットがあります。これを、活用したい。そうすると一旦デトロイトに出て、野宿でも何でもして飛行機飛ぶのを待った方がいいんじゃないか。

 そう、思いました。

 もしくはカナダ国内を経由して日本に帰るか……

 カナダ経由は同じことを考えてる人達でいっぱいで、ごった返していて、チケットは20日以降でないととれないということ。

 む、むずかしいよう。

 安全性とか確実とか少しでも早くとか、いろんな気持ちが頭をぐるぐる回ります。

 空港へバスが向かうのが、1時から4時くらいには出るということで、もう選択している時間はほとんどありません。

 航空会社はほっといて、自分で空港に行ってカナダ経由のチケットをとる人。

 上からの命令でアメリカにはいらなきゃいけない人(会社って、〇波少年よりあるいは残酷な命令するんですねぇ……)。

 私は。まあ、一番大きい組織ノースウエストに従っておくのが一番得策かなって思って、とりあえずこの便でデトロイト行こうって決めました。

 ここ、ウィニペグからデトロイトまで、またいつ行けるか分かりませんし日本行きの飛行機が出ている空港のそばにいるの一番安心だろうっていうことで。

 デトロイトから日本行きのチケットの飛行機が出るまで、2日間。どんなに混雑してても大変でも、野宿でもして留まって、なんとしても日本行こう!って。

 覚悟決めました。

そうと決めたら即行準備が必要です。

 前のスーパーに行って、水と、食糧、はチョコレートでいいや。お土産用のしか売ってないけど安いから、いいやつを。あと、衣類。今のままの服じゃ、野宿には寒い。全然売ってないけど、古着で、デニムの上着を。

 あと、ぬいぐるみ……はかなり迷ったけど止めて。

 よし。

 そして部屋に戻ってコンタクトを眼鏡にして、化粧をおとして準備OK。

 ああ、忘れちゃいけない、昨日ボランティアの方々にいただいた、おにぎり。カバンの一番上に、つめこんで。

(「さあ出かけよう一切れのパン、ナイフ、ランプ、カバンに、詰め込んでー」ってフレーズが、一瞬頭をよぎりました)。

 トランクを引きずりつつ、バスに向かいます。

 数回に分けてバスが出るらしく、第1陣が出てから自分たちのバスが出るのを待っていました。

 そしたら、なかなかバスが出ません。

 どうやら、空港が大変混雑しているようでバスがそこまで行けないんだそうです。

 ずーっと、待ってなきゃいけないみたいで。

 でも、不思議なことに。

 これから、すっごく大変なことが待っているかもしれないのに、なんだか自分がわくわくしているような気がします。

 カバンの中には、いろんな準備とお弁当。

 オズの魔法使いにあったランチの木、憧れていたんです。あれを持って、先の見えない冒険に出たいって、子供のころにほんのり思ってたシチュエーションと、不謹慎だけどなんだか似ているような気がするからでしょうか。

 バスの中で隣に座っていた年輩の男性二人と、お知り合いになりました。

 ニューヨークとワシントンに行く予定だった方々で、ニューヨークの宿は、聞いてみたら私が宿泊する予定の宿の、お隣だったそうです(グレード的には、ぜんぜんあちらのがいいみたいですが)。

 帰る予定の飛行機も、同じものだったそうで……残念ですねーって、意気統合してました。

 飛行機が飛んでれば、今頃美術館を堪能してたのにねえ、とか。

 ああ考えてるとどんどんむなしくなります。

 そういえば、朝からばたばたしてて、ご飯食べてませんでしたし、お腹も空いてきました。

 カバンの中にはお弁当……これからいつ、食べられるか分かりませんし、食べられる時に食べて、栄養をつけておきましょう。

 と、バスの中で失礼していただかせていただきました。

 ああ、おむすび。中には梅干し。さといもやごぼうのにものとたくわんもあります。

 ありがたいことですー(涙)。

 で、食べ終わってもまだ時間あるみたいです。

 手荷物用に、水と食糧をちょっと買い足していったほうがいいかなぁ……て、ゴミを捨てついでにホテルの売店へ。水と、やっぱりチョコレートと……き、記念品が欲しい、なぁ。ぬいぐるみ……と、いつも売店のショーケースから私を見あげてくれていた、アザラシのぬいぐるみを手にとってみました。

 手に、とってしまったのです。

 そしたらもう、手いっぱいにあざらしの白くてすべすべでわふわふの、ぬいぐるみの肌の世界が広がって……

 ああっ、もう手放したくありませんーっ。

 空港にひとりぼっちで野宿って寂しいし、この子がいてくれればなんとかなるっ。

 思わず、買っちゃいました。

 売店のお姉さん、しょうがないなあって嬉しそうな顔しつつ、

お姉さん「he is キュート」

私「いえす、あい らぶ」

 心が通じたー、って思いました。


 なんだか、バスは全然出ません。

 空港が、制限してるようです。

 そのうち、ホテルがドーナツとコーヒーを出してくれるよってことで、喜んでホールへ。

 そしたら、同じ飛行機に乗ってた方で、これまでノースウエストと通訳とかいろいろ骨を折ってくださった方が、日本人で分かっていない人多そうだからって、現状の説明をしてくれました。

 いわく。

 ノースはとにかく、これまで乗っていた人を予定通りデトロイトに連れて行きたいだけ。

 デトロイトは大変な混雑。今、いかなくってもこれからデトロイトに行く便はあるから、名古屋への便が出るまで宿のあるここに滞在した方がいいんじゃないでしょうか、って。

 ……いわれて、みれば。

 ここには、ちゃんとした拠点があります。一泊も、およそ四千円くらい。

 まだまだ行く手段が残ってるなら、ここに滞在しておいた方がいいのかなぁ。

 いそがば回れ、っていいます。

 よし、と、空港へ向かうバスから荷物を降ろして宿チェックインしなおしたのでした。

 そして。その後ゆっくりしてから。

 私と、先ほどの男性2人連れと説明してくださった方とで、一緒に空港まで行きました。

 先程の男性の方々とか、数人の方は、JTBでツアーをとってらっしゃったのですが。なんとJTBさんは現地係員さんが来てくれて、空港で帰りのチケットの手続きをしてくださったのです!

 私も……便乗してついてって、確保していただきました。

 帰りの名古屋行きの便は、当初の予定と同じもの。

 あとは、ウィニペグからミネアポリスへ。ミネアポリスから、デトロイトへって乗り継いで行くものです。

 16日、出発。

 はぁ~。

 とれたっ。

 なんとか、帰りの手段は確保できましたようー(涙)。

 あとは、アメリカが出してくれるかとか、飛行機が飛ぶかとか自分ではどうにもならない問題だけ。

 とりあえずは、道だけはできて、ほーっと安心しました。

 ちなみに、デトロイト行きの飛行機。

 検査とか混雑で、その日は飛ばなかったらしいです。

 安心したら、みんなでご飯を食べに行くことになりました。

 今回災難にあった人を、捕まえられるだけ集めて。

 ステーキとかロブスターを食べに行こうって。

 楽しかったですー。

 みんなで、肉おいしい、リゾットおいしい、パエリアさいこーって騒いで。

 何故かドラえもんとかミッキー書き大会になって笑ったり、どうしてここに来たかって境遇語ったり。

 話題になったのが、空港での厳しい荷物検査。

 トランクの中は、ポーチの中から下着の間まで、全部調べられて。こんなものまで怪しまれましたよってお話を。

 守口漬け。あれ、怪しまれた人がいました。そりゃ、現地の人そんなの見たことないもん。

「じゃぱにーず ピクルス」と言っても分かってもらえず、写真撮られてたそうです。

 新品の靴下の中には、紙が入ってるじゃないですか。あれも、怪しいって疑われたそうです。

 あと、正露丸。ビンに入った怪しい銀の粒、って写真とられた、とか。

 パソコンも、機械類は起ちあげさせられた、とか。

 どんな話題でも、みんなで集まってご飯食べて、共通の話題が持てるっていいことです。

 ここに来てから、一度もお腹から笑ったことなかったので、すごくいい時間が持てました。

 それに、一人旅だったらここ、絶対行かなかったし、みなさんともお知り合いにもなれなかったし。

 後で、いい体験になるといいねーって言い合いました。

(その後、私が「無事に帰れたらね……」ってすごく余計な一言を言ったせいで沈んでしまいましたが……うわー、すいませんでしたーっ!)


 いそがば回れ、で、なんとか光が見えてきたように思いました。

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