01.ボク誕生
犬のチワワの「ボク」目線で物語が進みます。ほのぼのとした物語ですので、ぜひ楽しんでください。
真っ暗・・・・。
ボクは誰?
フンフン、クンクン。
良いにおいがする。
安心する。ふわふわしてて温かい。
ウトウト。何だか眠いな。
おやすみなさい。
「ふふふ。元気な子供達が産まれてきて良かったわ。」
1.ボク誕生
最初は真っ暗で何も見えなかったけど、しばらくしたらうっすらと少しずつ景色が見えるようになったんだ。
最初はポッって何かまぶしかったからビックリしたけどね。
目の前にいるのがボクのママ。
やさしいボクの自慢のママ。
ママはね。ふさふさしてて温かいんだよ。とってもいいにおいがするんだ。
目がクリクリしてておっきいんだよ。
お耳もね、とってもおっきいんだ。
なんでも、ボク達はチワワっていう一族らしいよ。
ママが教えてくれた。
「ママ!お腹空いたよ!」
そう言ってボクはママのところまでかけよった。
でも、すでにお兄ちゃん達がデーン!ってママのおっぱいを占領してる。
いっつもママのおっぱいをお兄ちゃん達と争奪するんだ。
ボクのほかにお兄ちゃんが3匹いて、なかなかおっぱい飲めないんだ。
お兄ちゃん達、とっても強くて・・・。なかなか勝てないんだ。
でも、今日こそは!!
ボクは気合を入れて、お兄ちゃん達の間に無理やり入り込んだ。
「コラっ!お前無理やり入り込むなよ!」
「ボクだっておっぱい飲みたいよ!」
「順番に飲めばいいだろ。じゅ・ん・ば・ん・に。」
「いやだ!だって、兄ちゃん達そう言ってずーと占領してるじゃん!」
ボクはキュンキュン、キャンキャン鳴いてみた。
すると、ママがボクも飲みやすいようにゴロンってお腹全体を出して横になってくれた。
へっへーんだ。さすがボクのママ。
そう思いながらボクはお腹いっぱいになるまでおっぱい飲んだ。
兄ちゃん達は基本的に意地悪だけど、でも優しい時もあるんだよ。
一緒に遊んでくれるし。
ずーと、こうやってみんなと一緒にいられたらいいなぁー。
そう考えながらボクはウトウトと夢の中に入っていった。