盗賊の襲撃 ③
現れた人物は、剣をたずさえた騎士、袈裟に身をつつむ僧侶、がっちりとした体格の武闘家であった。
どうやら、金で雇われている流れ者の用心棒という感じだ。
その3人は僕たちのほうを見ると、
「これが、俺たちの相手か。盗賊のやつらもだらしがねえな」
「あのでかい男だけやれば、あとは楽勝ですね」
「まあ、ものの3分ってとこか」
と、言っているのが聞こえる。
この先生方と言われる人たち、なんか人を見た目で判断して、そんなに強いのかなと思ってしまう。
「フフッ、あなたたちの相手は、あたしだけよ」
舞っているかのように、ヒラヒラとペーリーさんが、その3人の前に行って対峙する。
「ほう、お嬢ちゃん。相手ってなんだい?ひょっとしてデートの相手かな?」
からかうように言う騎士の言葉に、武闘家がガハハと笑っている。
しかし、目をこらして見ている僧侶が二人を制する。
「待ってください!黒聖服を着てないから気づきませんでしたが、その女、ペーリー・カーンじゃないですか」
「ペーリー・カーンって、あの闇の魔導士のか?」
「馬鹿野郎、あの有名な魔導士が、こんな可愛い女の子のわけねーだろー!」
「いや間違いありません、自分は彼女が戦っているところを一度みたことがあります。我々が束になってもかなう相手じゃありませんよ!」
3人は動揺し、あわてふためいているようだ。どうやらその道では、ペーリーさんってかなり有名らしい。
「あら、あたしのこと知ってるようね。それに、可愛い女の子なんて言ってくれてありがとー。お礼にいいこと教えてあげる」
「・・な、なんだい・・」
ペーリーさんは愉快そうに声をかけるが、3人とも返事するのがやっとだ。
「あたしの後ろにいるあの人たちね、体の大きい人が魔神ガイターで、そのとなりの美人さんが暗黒魔女ファン・エレートよ」
その言葉に3人の目が見開く。
「ふ、ふざけるな!ガイターだのファン・エレートだの、そんなの伝説じゃねえか!そんな神話の登場人物みてえなのが、こんな片田舎にいるわけねーだろー!」
「そ、そうですよ、そんなことありえませんよ・・」
ペーリーさんの言葉を否定しているが、3人とも足がガクガクと震えているのがここからでも分かる。
そこへファンさんが、
「フォルクェス・タヴァロス」
と、呪文をボソッとつぶやき、指をパチッと鳴らす。
バーーン
一瞬、ピカッと光ってあたりが真っ白になると同時に、すさまじい音がなりひびく。
それは雷の落ちた音だった。近くの大木に落ち、その大木はメリメリメリっと裂け、裂けた半身が3人の前にドドーンと倒れた。




