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暗黒魔女白書 ⑦

 戦争が始まってから、早や、ひと月が過ぎようとしている。

 今のところ、わたしの住む街が戦場になることはないようだ。

 毎日毎日、レーカーとガイターのことばかり考えている。早く元の幸せな暮らしに戻りたいと切に願う。

 そもそも、この戦争が始まった理由が馬鹿らしいことなのだ。くだらない利権の争いに国民がまきこまれている。

 わたしは街の人とはほとんど交流がないので、戦場の戦況などの情報にうといのだが、この街の若者たちで作られた隊は、となりの国のある都市で戦っているということを行商の方から聞いた。

 時折、負傷者が戦地より戻されてくるようだが、あの二人じゃないと分かると、ホッと胸をなでおろす。

 日々が過ぎ、戦争が、一時停戦になったという情報が流れた。

 兵に取られていた若者が続々と戻って来る。なのにレーカーとガイターは未だ帰ってこない。

 なにがあったのだろうか。なりふり構わず、戻ってきた若者に二人のことを聞いて回るが誰も知らないと答える。不安にさいなまされる日々が続いた。

 

 そんな、ある日であった。

 わたしが外出から家に戻ると、部屋の中に5~6人の男がいた。この街の青年団に入っているメンバーで、いつもわたしに嫌がらせをしてくる人達だ。

 玄関で躊躇するわたしの手をつかんで強引に部屋に引き入れ、戸がバタンと閉じられた。

「なんですか、あなたたち!勝手に人の家に!」

 わたしは手をふりほどき、男たちを怒鳴った。

「なんだい、オレたちはな、おめえのだんなが戻ってきたって親切に伝えにきたところなんだぜ。」

 その言葉に心臓がバクっとする。レーカーが、レーカーが戻って来た!やっと、やっと会える!

「ど、どこにレーカーはいるの!早く教えて」

 あせり懇願するわたしを、なぜか男たちは取り囲んだ。

 二人の男がそれぞれ、わたしの両腕をつかみ、床に仰向けにふせられ、そのまま押さえつけられた。

「まあ、そんなにあせるんじゃねえよ、あいつは教会にいるが、どうせ会いにいっても話はできねえぜ」

「どういうことなの!離して!離して!」

「あんたのだんなは死んで戻って来たんだよ。ガイターのバカは生きちゃいるが半死半生だ。そのままくたばっちまえってとこだ」

 え・・死・・なんのこと・・

 一瞬空白になるわたしの心をひきさくように、男たちが卑劣な行動をはじめだした。

 押さえつけられジタバタとするわたしの服を、力づくで破りだした。

「な、なにするの!やめてー!」

「へへっ、いい女になったじゃねえか、いままでオレたちが声かけても無視しやがって」

「まあいいぜ、今日はたっぷり楽しもうじゃねえか」

 男たちの力は強く、わたしは必死で暴れているのに、なんの抵抗にもなっていない。

 衣服は一枚ずつ破かれ、とうとう、身になにもつけていない姿にされてしまった。


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