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お家帰りたい同盟

作者: 蒼井うみ

「お家帰りたい同盟」

 異世界転生した人間達が勝手に立ち上げたサークルのようなものである。当然国は存在すら知らない。

 主な活動内容は「元の世界に帰る方法」を探し出すことである。


 誰かが言った。魔王の強力な魔法で元の世界へ帰れるかもしれない。タイムスリップ的な感じで。

 その言葉に全員が魔王について調べた。

 その結果、この世界には魔法はあるが魔王はいない。

 元からいなかったのではなく、100年前に勇者が現れそのまま倒してしまったらしい。

 定期的に復活するらしいが次は400年後とのこと。

 この世界では医療が発達していない。そのため生まれてすぐに亡くなる赤ちゃんも少なくない。3桁生きた人間は片手で数えられるほどしかいない。


 次に異世界から人間を召喚する魔法や装置がないか探した。

 異世界から人間を召喚するなんてことも行っていないらしい。

 そもそも場所を移動する魔法自体存在しない。

 そんなものが出来たら世紀の発見レベルだろう。

 きっと一生遊んで暮らせる。


 転生者は最初こそ異世界を楽しんでいた。

 子どものとき……いや、現在進行形で憧れた剣と魔法の世界。

 おとぎ話やゲームの世界そのままに最初は興奮した。ワクワクドキドキした。

 剣をふるい魔法を使い、子どものときの夢を叶えた。

 しかし彼らは日本に生まれ育った現代っ子なのである。

 世界各国の美味しいご飯が集まってくる。綺麗で安全な水が飲める。クリック一つで欲しい物が手に入る。スマホ一つあれば時計も電話も電卓もカメラも要らない。毎日お風呂に入れる。丈夫で安価な服や靴。衛生的な街。豊富な娯楽。平和な日常。

 大した知識も技術も権力も持ってないので日本の快適な暮らしが羨ましくなったのだ。


 お家に帰りたい。

 今日も彼らは元の世界に帰る方法を探している。

この話の転生者は転生先を選べない設定です。神様に会うこともなく気づいたら知らない世界で赤ちゃんだった人達です。


転生者全員が全員「お家帰りたい同盟」に入ってるわけではありません。

この世界を楽しむ者、この世界を発展させようと努力する者等人によって様々です。


近いうちにチート能力を持つ人間が現れて帰りたい人は帰れるようになります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリーとメッセージが しっかりしてて 映画っぽい。 [一言] 失くして解る 有難味 便利に胡座かいてると バチが当たりますな
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