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短時間で読める異世界転生

7分で読める異世界転生



私は、しがないOL。32歳。




完全に婚期を逃してしまっている。




今日も今日とて、合コンに参加してみるも、男を捕まえることは出来なかった。




「(*´Д`)はぁ。今世は結婚出来そうにないなぁ……」




そんなことを呟いているとき、信号無視のタクシーに轢かれた。


私、死亡。




ああ、世界よ。さようなら。




****************************





「ん、ここはどこだ?天国か?」





イケメン男子

「こんな道端で倒れて、どうなされたのですか?」





(きゃ、イケメンだー。変な恰好だけど)





「ええ、大丈夫です。ここはどこでしょうか?」





イケメン男子

「此処は ”ログルス王国”の領土で、カラバスの町です」





「なるほど(何言ってんだこの人)」





イケメン男子

「怪我は無さそうですね。この町に来るのは初めてですか?」





「はい、絶対初めてです」





イケメン男子

「そうですか。この町はいい街ですよ。是非楽しんでいってください」





「はぁ」





イケメン男子

「では、私はこれにて」





(逃すか、未来の旦那)「ちょっとお待ちを!」





イケメン男子

「どうなされました?」





「私、右も左も分からなくて……良かったら町を案内していただけませんか?」





イケメン男子

「そうなのですね……うーん、私もこれから用があるものですから。あ、そうだ。私の付き人に ”トルネ” という若者がいます。その者に案内させましょう」





「その人はイケメンですか?」





イケメン男子

「イケメン……とはなんでしょうか?」





「いえ、すいません。とりあえず トルネさんに会いたいです。候補は多い方がいいので」





イケメン男子


「?分かりました。それでは紹介しましょう。トルネ、来なさい」





トルネ

「は、如何なされました、アルバス様」





(うわ、急に現れた。手品かな?)





(おお、トルネもかっこいい……けど、子供すぎるかなぁ……多分10代でしょうねぇ……)





(ここはご主人狙いだな)





イケメン男子

「この子に町を案内してあげて欲しいんだ。頼めるかい?」





トルネ

「御意、お任せください」





「あのー、やっぱり町の案内は大丈夫です……替わりにアルバス様の用事に私も付いていきたいのですが」





トルネ

「……!?この女。なんと無礼な……!」





イケメン男子

「抑えなさい、トルネ。……その申し出はありがたいけれど、用事というのが恩人の元に出向くというものなのです。ですから、出会って間もない貴方を同行して参るのは、相手方を困惑させてしまうで……」





「大丈夫です。私、アルバス様の傍に居たいだけなので」





トルネ


「……アルバス様。この女斬りますか?」





イケメン男子

「冗談はよしなさい、トルネ。……それにしても困った子だな。仕方ない、付いてきなさい」





「わーい、やったー」





トルネ

「いいんですか?アルバス様」





イケメン男子

「いいよ、見た限り、害を為すつもりはなさそうだ。こういうえにしにも何か意味があるのだろう。これから会う私の師ならば、きっとそう言うにちがいない」





トルネ

「……貴方がそう仰るなら……」





「さあさあ、そうと決まれば早く行きましょう」





トルネ

「チッ……女、あまりはしゃぐなら、本当に斬るぞ」





「貴方、年下のくせに生意気ね」





トルネ

「年下?はん、どう見ても同い年くらいだろうが」





「は?自慢じゃないけど、私32歳だから」





トルネ

「あん?まじかよ。どんだけ若作りしてんだよ」





「殴るわよ」





トルネ

「殴れよ。だが、代償にその腕を切り落としてやる」





イケメン男子

「ほら、二人とも早く行くよー」





トルネ&私

「あ、はーい」





こうして私は、イケメンと生意気なガキに出会った。



この出会いが私の壮大なる旅の始まりとなるのだった。





向かった先で、イケメンの師たる男から、私は自分が異世界にやってきたことを教えてもらった。



100年に一度くらい、別の世界から凄まじい力を持つ若者がやってくるそうだ。



私もどうやら、その一人みたい。



その異世界人達は、皆 ”勇者”か”魔王”になるのが、セオリーらしい。

(過去作 【3分で読める異世界転生】 【5分で読める異世界転生】 を参照。すごい。なんて、さり気ない宣伝なんだ。)




トルネ

「この女は絶対 ”魔王”になりますよ。ここで倒しましょう」





「あんた、ほんとに口が減らないわね。私は 勇者にも魔王にもならないわよ」





トルネ

「じゃあ、何になるって言うんだよ」





「お嫁さんよ」





トルネ

「誰の?」





「アルバス」





トルネ

「やはり、ここで斬る」





イケメン男子

「こら、二人とも。まだ、師匠の話は終わってないよ」





そっからの師匠の話は、大して面白くなかったので割愛。





イケメン男子

「実は、僕も勇者の末裔なんだよ」





やった、アルバスも地球人の血を引いていたらしい。



これは、血のつながり的な意味でも、二人は結婚するしかないかもしれない。



いや、血が繋がってると結婚できないか……いや、異世界だし大丈夫か。




私とアルバスとトルネ。あと、途中で変な占い師の女も仲間になって、なんやかんや複雑な事情とかもあって、この世界で暴れているという ”魔王” を倒しにいくことになった。



見事、魔王を倒すことに成功したけど、その後、アルバスはその変な占い師の女と結婚することになってしまった。





「。゜(゜´Д`゜)゜。うえーん。私が先にアルバス狙ってたのに、ネコババされたー」





トルネ

「そりゃ、誰だって、アニス(占い師の女の名前)を選ぶだろ。性格も、スタイルもいいし。何より美人だ」





「もう、最悪……折角、異世界に来たのに何もいいことなかった……」





トルネ

「俺は、そうでもないけどな」





「へ?」





トルネ

「俺は、お前がこの世界に来てくれてよかった……と、思わないでもない」





「何それ?ツンデレ?流行らないよ、今どき」





トルネ

「うるせぇ、ほら、さっさと帰るぞ」





「帰るって……私帰るとこないし……」





トルネ

「……俺ん家に来ればいいだろ」





「え……いいの?」





トルネ

「アルバス様の付き人の任も終わったしな。暇で仕方ないから、お前と一緒に居てやるよ」





「ありがと……トルネ」






私たちは半年後、無事に結婚した。



というわけで、異世界に来たおかげで結婚することができました。やったぜ。



ちゃんとイケメンだしね。







終わり



















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― 新着の感想 ―
[良い点] 掛け合いが面白かったです。 可愛くない(褒め言葉)女性キャラ大好きです。 [一言] まさかのあらすじで飯テロ!
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