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ダンジョン 2

 ”ダンジョン”


 文献やら伝承やらで、その場所に価値のある”ロスト”が眠っているとわかっていながら、その場所の危険さ故に誰も近寄れなくなっているような、そんな場所を刺すトレジャーハンターの隠語だ。


「さて・・・今回の獲物が眠っているダンジョンは・・・・・・推定Sランク。過去に数組のトレジャーハンターグループが挑戦したが、帰還の報告は無し・・・と、何か質問は?」


 今から挑戦するダンジョンの情報を読み上げたカイトに、カナミは銃のメンテナンスをしながら疑問を口にした。


「つまり今回は封印系?」


 ダンジョンには大きく分けて二つの種類がある。


 ”封印系” と ”自然発生系”。


 ”自然発生系”のダンジョンは、ロストが存在する場所が、様々な外的要因で偶然回収難易度が高くなった場所。特段ロストを守る為に作られた環境でも無いので、知恵を使えばその回収難易度を高くしている要因を上手く回避して攻略することも可能だ。


 対する”封印系”のダンジョンとは何者かが、意図的にロストを保護する環境を作ったダンジョンだ。


 当然ロストを守護するために作られているそのダンジョンは、 ”自然派生系”に比べて難易度が非常に高く、命を落とすトレジャーハンターも多い。


「多分そうだな・・・・・・何か問題でも?」


 挑発するようにそう返したカイトに、カナミは肩眉を上げて彼を睨み付けると、迅速な動きでメンテナンスしていた銃を構え、その銃口をカイトのこめかみに突きつけた。


「もちろん問題ないわ? 知ってるでしょ?」


「オーケイ、やる気は十分ってわけね。じゃあ始めようか・・・・・・クソッタレなトレジャーハンティングってヤツを!」







 ダンジョンの入り口は自然に出来た洞窟のような場所に、不釣り合いな分厚い金属製の扉がはめ込まれていた。扉は堅く施錠されており、ちょっとやそっとでは入れそうに無い。


「うわー、ガッチガチね。前にこのダンジョン挑んだ人たちってどうやって入ったのよ?」


「このダンジョンはかなり広いらしくてな、入り口が複数あるらしいんだ・・・・・・他の奴等が帰って来なかったって事は、その扉にヤバい罠が仕掛けられている可能性が高い」


「なるほどね・・・まあ、わざわざあると分かっている罠を踏む事もないわね。で? この扉はどうやって突破すんの?」


 カナミの疑問に、カイトはニヤリと口角をつり上げた。


「ちゃんと準備してるぜ? まあちょいと準備するのが面倒だったが・・・」


 そして背負ったバックから取りだした、拳骨二つ分ほどの大きさの黒色の箱を扉の前に置く。カナミが背後から興味深そうに眺めるなか、カイトは何やら箱を操作すると、カナミにこの場所から離れるようにと指示を出した。


 十分に距離を取ったのを確認すると、カイトは手元に持っていたリモコンのボタンを押す。次の瞬間、轟音と供に激しい爆発が巻き起こった。


 ごうごうと舞い上がる砂埃を見て、カナミはジト目で横にいるカイトを睨み付けた。


「・・・・・・で? いくらしたのよこの爆弾」


「ノーコメント! さあ行こうか相棒」




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