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巻頭詩
○雀の朝
暗闇の中で私は眠っていた
眠りという名の死を眠っていた
谺する鴉の声が虚ろな頭に反響し
東向きのベランダから浮かぶ太陽を見て今が朝であることを悟る
清浄な風や寝ぼけ眼の空や頬を伝う涙
新聞配達のバイクや重機を載せたトラックや人の疎らな始発電車
そんな運動の始まる朝に私は生まれたのだ
いつかだれかが寄り添ってくれた夜を私は忘れない
今は思い出でしかないけれどいつか現実とするために
私を好きだと言ってくれたあなたとすれ違うために
そしてまだ見ぬあなたと出会うために
私は一歩を踏み出すのだ




