お前、今日からゴブリンな
私はアキュリール、冒険者ギルドで受付をやっている。
今、私は同じ受付のラディアの命令で動いている冒険者6人に服を破かれ裸になっている。
「こんなことして許されると思っているの?」
「許すも許さないも私次第よ、貴女はこれからこいつらに犯されるのよ。私に逆らわなくなるまでね」
新人の冒険者を騙して食い物にしていた奴等だ、多分私もむさぼり尽くされるだろう。
こいつらのオモチャになるくらいなら自決を……。
いや、私にはやらなければならないことがある。
こんなところで死ねない、ましてやこいつらのオモチャになってる時間など無い。
私は短剣を構えラディアを睨む。
それが気に入らなかったのか私を犯すように命令を出す。
その時、上空から銀の仮面を被った白い服のナイトが舞い降りた。
◆◇◆◇◆◇◆
下道を歩くには面倒なので屋根伝いにここまで来たのだが。
間に合ったがこのままではあいつらを殺せないな。
清楚さんに顔を見られたら清楚さんまで殺さないといけなくなる。
なるべく無関係な人は殺したくはないからな。
俺はアイテムボックスからミスリル製の兜を取り出し、それを被ると下に降下した。
「なんだてめぇは!」
いきなり現れた俺に皆が動揺する。
だがすぐに我に返ると6人の冒険者達は俺に剣を向け威嚇する。
俺は清楚さんにアイテムボックスから取り出した、汚いオーガの腰巻きを投げると逃げるように促した。
一緒に戦うと言ってきたのだが足手まといはいらないと言ったら素直に引き下がり表通りに逃げていった。
さあ、これで遠慮せずに殺せるな。
「なんのつもりだ俺たちから楽しみを奪うとか覚悟はでき、ぐふ」
獲物を逃がされた怒りからか6人の中でも一際大きい男が前に出てきたところを有無も言わさず殺す。
いや以外と喋ってるけどね。
有無を言わさず殺したのだ。
悪は即効で斬るの精神です。
そして残りの5人も遺言も残す時間も与えずに首をはねた。
ケバ子は腰砕けの状態になり失禁している。
ケバ子を後にしたのは恐怖心を与えるためだ。
あの時の恐怖を少しでも味わってもらわないとな。
俺はケバ子に一歩一歩ゆっくりと向かう。
怖かろう怖かろう。
俺が受けた恐怖はこんなもんじゃないぞ。
「お願いします命だけは、命だけは」
命乞いしたところで魔物はやめてくれない。
俺は残念だけど人間じゃない魔物だだから命乞いに貸す耳はない。
「ダメだね」
その言葉は死亡宣告に等しく、ケバ子は脱力する。
「おねがいします、びょうきのいもうとがいるんです」
その言葉は力無く呟いた一言だったが、俺の動きを止めるには十分だった。
詳しい話を聞くと難病の妹のために悪事に身を染めていたと言うのだ。
登録に来た新人を人身御供としてさしだす代わりに登録料を自分の懐にいれる。
カスガン達は新人を潰せてなおかつ囮も手に入りケバ子はお金が手に入り治療費に使えると言う寸法だ。
「分かった、お前は今日から俺の物になれ。それで命は助けてやる」
ケバ子は細い蜘蛛の糸を掴むチャンスとばかりにすぐに了承した。何でもすると、俺のために何でもすると。
″従属体獲得″
その文字が目の前に浮かぶステータスの従属体を確認するとケバ子が入っている。
「じゃあ、お前今日からゴブリンな」
俺はケバ子の体を部位交換でゴブリンにした。
この従属体は細かな設定も出来るようだ。
俺の言うことには絶対服従。
俺の悪意を抱いたら地獄の苦しみを味わう。
俺以外とは意思の疎通ができない。
取り敢えずこんなものか。
ゴブリンに変えられたケバ子はそのことに耐えられなく叫んでいたがその設定をすると地面をのたうち回りだした。
つまり俺に悪意があったということだ。
こいつやっぱり反省してなかったな。
まあこれから実験体として色々遊ばせてもらうわ。
なぜゴブリンかと言うと冒険者の中にはゴブリンを手なずけるものもいて荷物持ちとして使っているのでギルドで魔物登録することで町で自由に動けるようになるのだ。
カスガン達に教わったことなので本当かは知らないけどね。
ケバ子はまだのたうち回っている。
「おい、いい加減俺に悪意を持つな」
悪意を持たなければその苦しみから救われることを教えると痛みや苦しみが引いたようで落ち着き出した。
「これからギルドに魔物登録に行く」
ケバ子をギルドに連れていき登録を済ませようとしたのだが元に戻して欲しいと不服そうに口を開けた。
黙れと一喝するとちゃんと押し黙った。
よし、ちゃんと命令も聞くようだ。
これならちゃんと登録もできるだろう。
ギルドにつき受付に行くと知らない受付のおっさんがいた。
ギルドは24時間営業している。
もちろん併設の酒場はちょうどかきいれ時だ。
「おいおい緑タグのチュートラーがゴブリンを連れてやがるぜ。大丈夫なんだろうな」
酒場の方から俺への揶揄が飛ぶ。
相手が自分より格下だと強気に出るバカな人間はどこにでもいるもんだな。
「おい聞こえねぇのかチュートラー!」
誰も止めないところをみると、初心者をチュートラーと言ってバカにするのが慣わしのようだな。
ならこちらもそれなりの挨拶をしないとな。
ケバ子をその位置で待つように指示し俺は酔っぱらいの冒険者の前に立つ。
背は俺よりも少し高い、酒臭い息が当たる。
俺はこいつの仲間にぶちのめしても良いのか聞いた。
そう言われてバカが殴りかかってきた。俺はその殴ってきた腕を取り、その勢いで背負い投げで投げた。
高校で習った柔道で意外と何とかなるもんだな。
ちなみに酔っぱらいはそのまま意識を失った。
仲間の奴等も特に怒っていないようなので俺は受付でケバ子の登録をお願いした。
登録は言うことを聞くかを確認され、お手やお座り等をさせた。
これでケバ子は晴れて奴隷魔物と言うことになる。
冒険者のタグよりも5倍ほどでかいタグを渡されケバ子にかけ俺たちは宿屋に戻った。