俺のパッションがご乱心
「クランチが悪魔だったなんて」
俺が首を切り落としたからか、悪魔を見たからか分からないが二人がガタガタと震えている。
よし! これだ、これを利用しない手はない。
「俺はあの悪魔達を倒すために戦っている、怖いなら近づかない方がいい」
きまった! これで二人は俺に近づくことはないだろう。
だいたいあの時助けたのも助けようとおもったからじゃない、ザコルフが嫌いだから助けたまでのこと。
恩を感じる必要などないのだ。
そして、俺は颯爽とギルドの宿舎に戻るのであった。
「一緒に戦いたい」
「です」
その声と共に俺の腕を捕まれる。
一緒に戦いたい? だれと? 俺と?
「悪いが君たちと俺じゃレベルが違いすぎる。君たちは足手まといだ」
足手まといと言う言葉がよほどショックだったのか。俺の腕に絡み付いた腕はするりと抜け落ちた。
俺はそれを気にするでもなく、さっさと宿舎に戻った。
その途中で花屋に売っていた、とてもいい香りのするクチナシに似た白い花の鉢植えを一株買って、アイテムボックスに入れた。
これはエミリへのおみやげだな。別に買わなくても良いのだが、お金を世の中に回さないとな、経済が滞るからな。
しかしアイテムボックスは生物は駄目で、植物は入るのか。意味わからんな。
植物だって生きているんですよ!
宿舎に戻る途中で食欲をそそる匂いが漂ってきたので、その匂いのだす店の料理をみてみると、まさに蒲焼き! 異世界にありました蒲焼き。
今焼いてるのを全部買いアイテムボックスにしまった。
それと近くのパン屋でもパンを買った、ご飯が欲しいところだがパンで我慢しておこう。
宿舎に戻ると部屋のテーブルでパンを切り蒲焼きを挟んでサンドイッチを二つ作った。
おまけでもらった肝も広げて食事の時間だ。
『ケバ子、食べていいぞ』
だがケバ子は少し考え、元の姿で食べたいと言うのだ。
まあ、蒲焼きうまいから自分の舌で味わいたいのだろう。
ゴブリンは悪食なだけに味覚弱そうだしな。
元の姿で食べてるケバ子を見ないように横向きでサンドイッチを食べる。
ヤバイこれうまいな。
地球の物よりも味が濃い。その分癖も強いがそれがまた良い。
この癖の強さは脂身からくるものだろう、あれだけ油を落として、なおもこの癖の強さ沼にでも生息してるんだろうか。
全部食べ終わりデザートのリンゴを食べようとしたとき、体の異変に気がついた。
熱い、体が火照る。
大変だ下半身が大変なことになっている。
「カオス様大丈夫ですか? おつらそうですが」
「うるさい。なんでもない近づくな」
ケバ子が俺の膝に手を乗せ、しなを作る。
すごく魅力的でヤバイ堕ちる。
意識を戻そうとアイテム一覧をみる。
◆バイグランの蒲焼き
効能
精力超増強、男性は理性を失い一晩ハッスルするようになり、女性は男を惹き付けるフェロモンをだすようになる。
くそが! また異世界トラップかよ。
アイテム欄を見ていても俺の高まりはいっこうに収まらず、ケバ子はそんな俺をベッドへと誘う。
「カオス様のお好きにしてくださいまし」
ダメだ、この誘惑には勝てないよ……。
俺はケバ子に手を伸ばし頭にチョップをした。
「お前いい加減にしろよ、あの蒲焼きが精力剤って知ってたろ」
「そんな、なぜ元に。あれは一晩持続するのに」
「お前に魅力がないんだろ?」
危なかった、脳はまだバイグランの影響かにあるが、俺のほとばしりは押さえることができた。
部位交換で脳以外全てのパーツを取り替えた。
血液も入れ換えたのであと数分もすれば完全に抜けきるだろう。
「次やったら殺すって言ったよな?」
俺はケバ子の頬を撫で一言いった。
撫でたのはバイグランの影響だ、たぶん。
ケバ子は俺の腕を取り胸元へいざなおうとする。
こいつ話聞いてないのか?
「抱いていただけないのなら殺してくださいまし、この身も命もカオス様の物です」
涙を流しながらいうその台詞は鬼気迫る物があった。
「お前にこういうこと求めてないし、させる気もない」
俺は思わずそっぽを向きそう言い捨てた。
「私はカオス様に抱いていただきたいのです」
おまえの魂胆は分かっている。俺とそういう関係になって元の体にもどしてもらい、あわよくば甘い汁を吸おうと言う目論見だろう。
クソビッチめ!
俺はケバ子をゴブリンの姿に戻すとベッドの外に押しやった。
『……』
戻して気がついたのだが、先程までケバ子の出すフェロモンにやられていたようだ。
そう言えば効能には女性はフェロモン出すって書いてあったもんな。
冷静になって考えると、ビッチじゃないとしても、死んで罪をあがなおうとしたのかもしれないな。
死んでも良いことなんかなにもないぞ、異世界転生するのがおちだ。
『殺されて楽になろうなんて絶対させない』
俺はケバ子に一声かけてやった。
親愛度上がりそうかなとか思ったがまったく変動はしなかった。
『……はい、申し訳ありません』
ケバ子はそう言うとベッドの下で俺の方をじっと見ていつまでも座っていた。




