悪魔と言う存在
俺たちはギルドに戻り、ギルド内にある宿泊施設に泊まることにした。
変な宿屋に泊まって襲撃されたらたまならないからな。
俺はなんとかできるが二人に何かあったら大変だ。
ただギルドの宿泊施設は素泊まりなので食事ができない。
「ちょっと買い物してくるから二人は部屋から出ないようにね」
俺は夕飯の食事を買うために外出することにした。
「いってらっしゃい旦那様」
「気をつけてなのです」
二人は心配そうに俺を見送る。
「カオスで良いよ」
旦那様といわれて、こそばゆい俺は苦笑いをしてしまった。
その笑いを二人ははどう受け取ったろうか?
できるだけ嫌な思いわ味あわせたくないな。
◆◇◆◇◆
「野郎の正体は分かったか?」
「へい、新人冒険者で名前をカオス24歳だそうです」
24歳で新人。そんな奴に良いようにやられたって言うのか。
大手犯罪組織グラゼルフの構成員として、このままじゃ示しがつかねぇ。
明日の朝一でやつらは出発する 、待ち伏せして荷物ごと女達も奪ってやるぜ。
「おめえら明日、冒険者ギルドの荷を襲うぞ」
「冒険者ギルドを襲って大丈夫でやすかね?」
部下達は心配そうにするが舐められっぱなしで引いたとあったらボスに殺される。
引くわけにはいかないのだ。
それに俺の怒りも収まらねぇ。
奴の嫁を目の前で犯して俺の虜にしてから奴を殺そう。
俺の改造一物で喜ばなかった女はいないぜ。
明日、奴の泣く顔が拝めると思うと股間の躍動が止まらねえ。
ビンに入った強めの酒をそのままぐいっと一息で飲むとゴンザレスは手下に新しい酒を持ってくるように指示をする。
しかし、その言葉に誰も答えない。
答えるものは存在しなかった。
「おい! 俺の言うことが聞けねぇのか?」
ゴンザレスは荒々しく席をたつと隣の部屋に向かった。
となりの部屋には一人の白い服を着た銀の兜を被った男が一人立っていた。
「何者だてめぇ!」
「俺が何者でも構わないだろ? お前は今ここで死ぬんだ」
「ふざぁ……」
ゴンザレスはすべての言葉を吐く前に首を切断され死んだ。
そして彼の死体は消え去った跡形もなく。
◆◇◆◇◆
「ようクランチ、こんなところで何やってるんだ?」
俺は次の獲物のクランチを追いかけた。
クランチは森の中にある小さな小屋で身を潜め隠れていた。
「なんでお前がここに!」
クランチはケガひとつない顔で驚きの表情を見せる。
「決まってるだろ。お前を殺しに来たんだよ」
クランチはその言葉を聞きうしろに後ずさる。
演技としては合格だな。
「ふざけるな、お前にはなにもしてないだろ。それに殺されるようなこともしていない」
まあ、女性を斡旋するのは場合によっては犯罪じゃない。その女性自身が自分から進んで情婦になる場合だ。
だが、こいつの場合は違う。
そう斡旋したとか云々の前に殺さなければいけばい存在。
「悪魔にしては往生際が悪いな」
勇猛果敢なのが悪魔の特徴とケバ子に聞いたが。ご託を並べるタイプもいるようだな。
「……なぜ気がついた」
俺が正体を見破ぶったにがそんなに不思議なのか俺に見破った方法を聞く。
今後の糧にでもするつもりか、お前に今後はないんだがな。
「お前な、あのパンチで生きてる人間なんて存在しないぞ?」
そう手加減したとは言え強化された魔物のパンチなのだ、たかだかレベル15程度で防げるわけがない。
「なるほど、あのログハウスの時には気がついていたか」
「お前がどんな目的で人間の世界に潜り込んでるかは知らんが、ここで死んでもらう」
「人の身で我を殺すと? 滑稽、滑稽。ならば試してみるが良い、己の非力を呪いながらな」
そう言うと背中からはコウモリのような羽、頭部からは羊の角尻からは尻尾がニョキニョキと生えてきた。
「テンプレ通りの悪魔だな」
「テンプレ? なんのことだ?」
「ああ、気にするなこちらの話だ」
魂が具現化した存在である悪魔は通常攻撃や魔法が効かない。
エクソシストなら多少のダメージを与えることが出きるが殺すことはできない。
つまり通常なら俺はこいつを殺せない。
「ひとつ聞いて良いか?」
「なんであるかな?」
「お前の元になったクランチはどうなった?」
「あやつなら魂ごと喰らったよ、奴の病気の妹と一緒にな」
そう言うと悪魔は舌舐めずりをする。
「ではかかってくるが良い」
「お言葉に甘えて」
俺は剣で悪魔の首をはねた。
悪魔は全く避ける気配すらない死なない油断からかそれとも力を見せつけようと言うのか、愚かにもわざと切られたのだ。
「ははは、中々の腕前しかし悪魔魂の存在。魂は切ることができない、いくらでも復活するぞ。あれ、復活しないなぜだ!」
首だけになった悪魔は蘇生しないことに焦り慌てる。
「すまんな、この古代龍の腹よりいでし聖龍剣は魂をも切り裂くんだ。貴様程度の魂など、たすく切り裂く」
そう魂を切れる、エミリをも。
当然だ、そもそも倒す手段がない状態でラスボスと戦わせるクソゲーがどこにある。
女神様は最初から殺す手段を用意していた。
だが俺はこの剣を見てみぬふりをした、まるで持っていないかのように。
1万年の牢獄から解放するのは簡単だ。この剣で殺せば良い。
だが俺はせめて同じ死ぬでも幸せを味わってから死んでほしいと思った。
あのまま死なせるにはかわいそうだと思った。
そのまま年老いて死ねる選択肢があれば、それに越したことはないのだが。
だがエミリはもう限界のようだ。
壊れかけている。
いや、とっくに壊れているのだろう。
だから、1年、1年だけ待ってもらった。この1年を楽しんでもらうために。
楽しんでもらえたのなら、その時は殺そう。
この剣で。




