丸、まる、マル
第3話丸、まる、マル
丸が生まれてから、パステルカラーの毎日が始まった。
笑っちゃうのだが、今まではドラえもんさえ観なかった舅が、何を思ったのか真剣にアンパンマンを観始めたり、わたしはわたしで子連れのお母さんに、意味もなく話し掛ける始末。鬼姑は、
「すぐ着れなくなるって言うけど、服位買ってやればいいのにねぇ」
なんて米子ちゃんのお母さんぶりを軽く非難しながら、自分の服ばかり買っている。
なぜ鬼姑がこんなことを言うのかと言うと、めきめきと成長する丸は、すぐに着れなくなるという理由で、一枚500円の古着をたったの二枚しか持っていないのだ。
話は変わって、わたしのおじさんが、真四角家の跡取りが生まれたと知って、大喜びした。鬼姑がちっとも連絡しなかったので、やきもきしていたそうだ。照夫は、そんな風に言われて面食らうと同時に、とても嬉しかったそうだ。
そして三ヶ月になった丸が我が家にまた遊びにきた。
米子ちゃんの母乳を飲み、すくすくと成長した丸の体重は、なんと8000グラム。抱っこするとまだ首がすわっていないので、怖い、怖い。
ニコッとしたり、泣いたり何をしてもまるで一歳児のような風格だ。
米子ちゃんは一人目を産んでも、一生懸命運動しているからかすごくスタイルがいい。
だって今回は鬼姑にリクエストして、お得意のハンバーグを作ってもらったのだが、ひき肉1キロ位で作ったそのハンバーグを、
「おいしいです。おかわりしてもいいですか?」
と、ペロッと平らげて、鬼姑をご機嫌にさせてしまったからすごい。
ちょっと笑っちゃったのが、丸の服装だ。古着でも服はいっちょまえで、Tシャツにズボンという、もうすぐにでも歩くんじゃないか、という格好なのだ。丸が来ると家族中が明るくなる。
また一ヶ月後、来るそうだ。
丸、早く大きくなあれ。