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Route Of Elsion  作者: 世界史B
崩れかけた世界の中に
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終わらない終わりの始まりの日


「間もなく発車します。シートベルトのロックをご確認ください」

そのアナウンスが鳴ると父親はカントのベルトを確認し、次に自分のものもしっかりと締め直した。

ガタン、と音を立てて50人乗りのエレベーターは空へ向けて発車した。

すると窓から見えていた景色がどんどん後ろに流れていき、地上が遠くなる。それと同時に重力に逆らう何とも気持ちの悪い感覚がカントを襲った。

しかしそれもあっという間。ベルト着用サインが消えるとカントはすぐにベルトを外し、初めて重力の無い世界を味わった。そこは全てが上であり、全てが下。重さを感じられなくなり、まるで自分が消えてしまったかのような感覚に駆られる。

エレベーターが着いた先は宇宙ステーション。地球とコロニーを繋ぐ唯一の架け橋だ。父親はそこでカントに手を振り、カントと、そして母親とは反対の方向に歩いていった。

それがカント キサラギが覚えている最後の父の姿である。

地上800キロメートルに浮かぶ宇宙ステーションと地球を結ぶ唯一の手段がその軌道エレベーターだ。一度に人間を1000人まで、貨物を400トン同時に運ぶことができる。

そしてステーションから飛び立つ宇宙船が向かう先は現在合計8つ存在するスペースコロニー。そこには全人口の5分の3という人間が住んでおり、人類の第二の故郷となっている。しかし巨大な円筒形のそれは故郷と呼ぶにはあまりに頼りなく、儚げだった。

そしてその中で1番最後に作られたコロニー、コロニーツヴェルフにカントは住んでいる。

およそ十年前、カントが7つの時に起きた地球合衆政府とコロニー間で起きた独立戦争。それによって5つのコロニーが破壊され、内一つ、コロニーエルフが地球へ落下、地球の半分が死の大地となり、何億とも数え切れない命が宇宙に、そして地上に散っていった。カントの父もその一人であった。



ポケットのアラームがけたたましい音を鳴らし、作業場に響き渡る。カントは慌ててアラームを止め、アルバイトのタイムカードを通し、磁気靴を脱ぎ捨てると居住エリアに向けて全力疾走した。

今日は先の戦争の終結からちょうど十年。コロニーと地球合衆政府の平和記念式典がこのコロニーツヴェルフで執り行われることになっている。その開始時間にアラームをセットしておいたのだが、もっと早めにしておけばよかった、と後悔した。

途中、宇宙船ドックに運び込まれる巨大なコンテナが視界に入った。大きさからして中身はルミナスアート。通称LAだ。先の大戦に使われ、今も尚開発競争が続いている巨大な人型汎用兵器。あのまま貨物の積み込みのバイトをしていれば中身をお目にかかることができるかもしれなかったとちらりと思った。しかしカントには今それ以上に優先すべき目標があることを思い出し、居住エリアへとつながるドアを勢いよく押し開けた。その瞬間、ドアが向こう側の何かにぶつかる鈍い感触がした。

「おい小僧」

突然カントの頬に拳が飛ぶ。ぶつかったのはでっぷりと太った中年の男。

確かにカントも急いでいて注意がおろそかになっていたのは事実だ。が、ここは居住エリアと作業エリアを分けるドアだ。万一の時に空気漏れを防ぐためドアは居住エリア側に開くようになっている、ということくらい常識だ。

と、文句を言おうとしたカントの目についたのは『ZE』と書かれたバッジ。世界最大の企業、ゼネラルエレクトロニクスの、恰好から見ておそらく幹部クラスだろう。

ゼネラルエレクトロニクスは子供用玩具からルミナスアートまで、というキャッチコピーの通り幅広く電子機器を扱っている。と、いうことは先ほどのコンテナの中のものもゼネラルエレクトロニクスのものかもしれない。とにかく、そんな大企業の、しかも幹部といざこざを起こすのは得策ではないとカントは腰を90度に曲げ、早口で謝罪を述べると再び居住エリアに向けて全力疾走を再開した。



「遅い」

明らかにムスッとしている。ミサキ マルクス、カントの幼馴染だ。このコロニーの議長、ライヘン マルクスの一人娘。カントの父は戦争で死に、その知らせを聞いた母も後を追うように還らぬ人となった。カントの父とミサキの父は互いに仲が良く、両親の死後、色々と面倒を見てくれたのがライヘンだったのだ。

「もう始まっちゃうよ、早く早く」

ミサキはカントの手を取り、会場まで走る。式典の様子は全コロニーと、そして地球にも大々的に放送されるのだが娘として父親の晴れ舞台は生で観たいのだろう。

その気持ちはわかるのだが半無重力の作業場から500メートル全力疾走してきたカントとしては少し休ませてもらいたかった。それでも右手の僅かに汗ばんだ柔らかい手の感触を諦めるのと僅かな休息を天秤にかけ、天秤が傾いたのは言うまでもない。


式典には地球合衆政府大統領と各コロニーの議長が横に並んで座っていた。幸いなことに未だ始まってはいないらしい。ふとカントが上空を見上げるとコロニーの中心に位置する巨大な発光板の陰でキラリと何かが光った気がした。だがミサキに服を引っ張られて視線を再び会場に戻した。よく考えてみればコロニー全体を照らす照明の温度に人間が耐えられるわけがないのだ。そう、人間なら。


「やべッ、今見つかっちまいましたかね」

LAの中でカイルは呟いた。コロニーの芯のように縦横に走る照明板の横に彼らはいた。

「黙れ、集中できない」

「しくじるんじゃないよ、この作戦にはあたし達の運命がかかってるんだからね」

最初のはハイド エイルマン、彼を叱ったのはアリシア ローゼ。彼らのの正式名称は宇宙自由軍、軍と言っても彼らが勝手に名乗っているだけで正式な軍隊ではない。もちろん彼らはのんびり式典を見に来たわけではなく、ある任務を遂行するためにこのコロニーツヴェルフに潜んでいた。



今まさにライヘンが壇に上り、平和記念式典の開会を宣言しようとしたその時だった。突然辺りが真っ白になった。同時に足元を地響きが揺らす。当然会場は大パニックだ。

ただでさえ大量の人がいるのだ。それが一気に我を忘れて逃げようと四方八方に動き回っては収拾がつかない。カントはミサキとはぐれないように手を握っているのに精一杯だった。

「地球合衆政府大統領、並びに各コロニー議長、聞け!」

上空から女の声が聞こえた。

「地球合衆政府は地球からコロニーを利用できるだけ利用し、不要になったら簡単に切り捨てる!そんな合衆政府と平和記念式典を結ぶコロニー達よ!目を覚ませ!思い出せ、苦難の日々を!虐げられていた屈辱を!」

煙の中から現れた3機のLA。うち1機は自由軍の主力LA[ヘリアム]、もう1機も機体色は違うものの同機種、しかし中心の赤いLAはカントの知らない機体だった。

その青いヘリアムがすぐ近くにいたミサキを掴む。

「やめろっ!」

カントはミサキを掴んで立ち上がろうとするヘリアムの腕に飛びついた。しかし所詮人間の力、すぐに振り落とされ、背中を強打する。目の前に火花が散った。

「今一度貴様らを考え直させるためにライヘン マルクスの娘は我々が預からせてもらう!」

そう言うと赤いLAはコクピットの中にミサキを入れ、宇宙船ドック方へと飛んでいった。カントも追いかけたが到底追いつけるはずもなく、警備に当たっていたコロニー軍や合衆政府軍も根こそぎ倒されていて、追うのは絶望的かと思われた。

「クソッ!なんでミサキが……」

カントは地面を殴りつけた。拳に血が滲む。と、そこへ見知った顔が現れた。

「カント!何があった、ミサキは!」

声に主はジード アイルガン。アイルガンはカントの母の旧姓でカントの叔父にあたる人物だ。

「さっきの放送の通りだよ、ミサキが連れてかれた」

「そうか……警備の兵は何をしている!」

回れ右して去ろうとするジードの服をカントは掴んだ。

「待てよ!叔父さんはどうするんだ?」

「俺は敵の船を追う。敵もさすがにヘリアム単体で逃げ切れるとは思ってないだろう。どこかに母艦があるはずだ」

その回答はカントにとって文字通り渡りに船だった。

「その艦に俺も載せてくれ!」

LAの操縦はおろか輸送機の操縦すらしたことがないのだ。カントには自分が何の役にも立たないことは十分理解している。しかし十年間側にいた幼馴染が目の前で拉致された。指を咥えて待っていろだなんて無理な相談だった。

「ダメだ。お前はここで待っていろ」

にべもなく却下される。しかしカントはここで諦めるわけにはいかなかった。

「頼む!何でもやるからさ!」

「ふざけるのもいい加減にしろ!母親を悲しませるな」

その言葉に一瞬すがりつく手が緩んだ。しかしそんな自分が逆に堪らなく悔しかった。

「それでも……」

「だめだ」

ジードはカントを厳しい目で睨みつけ、踵を返して行ってしまった。

「それでも……もう何もせずに背中を見送るのは、嫌なんだよ……」

大きく深呼吸をし、覚悟を固めると、カントはみるみる遠ざかっていくジードの背中を追いかけた。



ジードの後をつけてたどり着いた先は通常使うドックとは反対側の面にあるドックで、そこには人目をはばかるようにひっそりと合衆政府軍の宇宙艇[ソディア]が停泊していた。

「こんな戦艦があるなんて聞いてないぞ」

ジードは宇宙服を着て磁気靴の電源を切ると床を蹴ってソディアに乗り込んだ。カントは今まさに積み込まれている巨大なコンテナの陰に隠れ、素早く格納庫へ滑り込んだ。普段積み込みのアルバイトをしているおかげで格納庫内の構造は頭に入っている。

「おいそこのお前!」

突然怒鳴りつけられ、早くも忍び込んだのがバレたかと硬くなる

「もうすぐ出航だ。早く宇宙服を着ろ!」

そう言って白色の宇宙服を投げ渡される。ほっと胸をなでおろしつつ宇宙服を着ていると、

「すまない、これを頼む!」

そう言うのと同時に何か柔らかいものを投げてよこした。

カントと同年代ほどに見える少女。カントのそれとは少し違う宇宙服を着ていた。

そしてそのままLA、[アルゴン]のコックピットに吸い込まれていった。

「あいつ、パイロットなのか?」

やけに慣れた動きだったし、新兵というわけではないのだろう。となるとカントと同年代で既に実戦を経験しているということになる。

「それにこれ、頼むってどういうことだ?」

カントが手に握っていたのはホットドッグ。誰もが知っているあのホットドッグだ。

「ルミナスアートが出るぞ!」

その声と共にカタパルトハッチが開き、艦載されていたアルゴンが次々と虚空へ飛び立っていった。

「とりあえず中に入るか」

ホットドッグの処理場所探しもかねてカントはドックの二階部分へ飛びあがった。

カントは二階通路の手摺に足をかけたその瞬間、艦が大きく揺れた。

ジャンプする際に磁気靴の電源を落としていたカントはその衝撃でいとも簡単に通路から放り出され、ドックを漂うことになった。さらに近くの壁が爆発し、大穴が開く。幸いドック内は空気を抜いていたお陰で空気漏れはないものの、ソディアの外壁の破片が内側に飛び散った。

カントが破片を避けるため近くのコンテナの陰に隠れているとすぐ目の前を巨大な破片が物凄い勢いで飛んできた。そしてコンテナに直撃、大きな裂け目を作ってしまった。さらに悪いことに大きく開いた外壁の穴から自由軍のLAが進入してきたのだ。カントは咄嗟に先ほど開いた穴からコンテナの中に身を潜めた。

しかし自由軍のLAはコンテナを破壊しようとビームブレードを展開しだした。カントが慌てて奥へ隠れようとすると右手が何か冷たいものに触った。金属のような。それを乗り越えようと暗闇の中を手探りで進んでいると左手の指先が何かのスイッチを押した感触がした。

「うわっ!」

突然足場が消え、というよりは開いてカントは小さな部屋に転がり落ちた。

中は真っ暗で自分の手足すら見えない。何度も頭をぶつけながら手探りで周囲の確認をすると肘が何か柔らかいものに触れた。形状から推測して椅子のようなものらしい。とりあえず椅子に座ろうとすると部屋が大きく揺れ、カントは顔面を前面の何かに強打した。その時、真っ暗な部屋に『声』が響いた。

[あなたは何故ここにいるの?]

『声』はカントよりもずっと若い、というよりは幼い感じだった。何故、とカントは考えた。そうだ、ミサキを助けるために自分はソディアに乗った。

[あなたはそのために何を捨てることができますか?]

再び『声』はカントに問いかけた。父を亡くして泣いている母を思い出した。強くなりたいと思った。ミサキが連れ去られる瞬間、青いLAから振り落とされた時を思い出した。強くならなければと思った。ミサキを……助けたいと思った。それができるなら死んでもいいと、そう思ってこの船に乗った。カントは無意識に呟いた。

「何だってしてやるよ」

するとカントが先ほど顔面をぶつけたものが光った。小型モニターだった。そこに手のマークがあり、10の穴がある。ためらいながらもカントがそれぞれの穴に一本ずつ、10本の指を入れると穴の奥から針のようなものが出てきて僅かに指先を切った。

「痛つっ!」

[指紋認証完了。声紋認証完了。遺伝子データ照合完了。当機、型式番号EL-00エルシオンはカント キサラギをパイロットとして登録しました。エルシオン、起動スタンバイ]

すると今まで真っ暗だった部屋に明かりが灯り、全天のモニターが表示された。横にはレバー、スイッチ類が所狭しと並んでいる。何と現在カントがいる場所はLAのコクピットの中のようだ。モニターを見る限りエルシオンは2機のLAによって牽引されているようだった。

「この機体……確か自由軍のだよな……」

カントがそう呟くとエルシオンの方から回答が帰ってきた。

[肯定。前方の2機は宇宙自由軍主力ルミナスアート、ヘリアムです]

「じゃああれについて行けばミサキの所に行けるのか?」

[回答不能。2機の母艦がミサキ マルクスを拉致した機体と同一かは不明]

「そうか……」

カントががっくりと肩を落とすと今度はエルシオンの方から話しかけてきた。

[提案。一度母艦へ戻っては?]

「そう……だな、でもそれにはこの2機をどうにかしなきゃならないだろ?」

カントは当然LAを動かしたことなど無い。増していきなり2機を相手にしろなんて無茶な相談だ。

[肯定。しかし行動不能にする程度ならば当機のオートパイロットシステムで可能です]

「そ、そうなのか?じゃあそれを頼む」

まるでレストランで料理を頼むような言い方だが今のカントにそんなことを気にしている余裕はなかった。

[了解。エルシオン、起動します]

そう言うとエルシオンは両腕に巻き付けられていたワイヤーを逆に引っ張り、敵機の動きを止めるとそのまま腕をクロスさせる。ワイヤーを離すのが遅れて敵の機体同士がぶつかる。そして腕に付いたワイヤーを引きちぎり、逆に敵に巻き付けた。

[これより帰投します]

エルシオンは180度反転するとスラスターを吹かし、ソディアへと向かった。

前方にソディアが遠く見えた。と思うとそのすぐ横で青と黄色の閃光が交差しているのを捉えた。

「なあ、あの光は何だ?」

〖回答。あれはビーム兵器の光。あそこでも戦闘が行われているようです〗

エルシオンは他人事のように言うが明らかに味方のアルゴンが押されている。もう既に左腕と右脚が無い状態だ。するとそこに通信が入った。

『そこのルミナスアート!6時の方向に自軍ルミナスアートが持って行かれた!奪還に迎え……それは……誰が乗っている!答えろ!私は地球合衆政府軍……ぐっ!』

この声は船でジードを出迎えたあのパイロットのものだった。

「おい、あのアルゴンを助けるぞ!」

カントは思わず叫んでいた。

[否定。当機のオートパイロットシステムでは複雑な戦闘機動は不可能]

「な……できないのか?……じゃあいい、俺がやる!」

[了解。当機の現在の武装を表示します]

そして前面の小型モニターに映し出された武装は頭部バルカン砲、そして腰部ビームブレードだけだった。

「こ、これだけなのか?」

[肯定。当機は輸送中の戦闘を想定しておらず、使用可能な武装は搭載兵装のみです]

「くそッ!バルカンは……これか?」

カントは左右のレバーについているボタンを押した。すると機体の側頭部に搭載されている小口径のバルカン砲が発射され、敵機を掠めていった。

「当たらねぇ……この!この!」

バルカン砲をいくら撃てども一向に敵機に当たる気配が無い。それどころか敵の狙いがエルシオンに向けられた。敵のビームランチャーの銃口がエルシオンに向けられ、真っ直ぐにコクピットを狙ったビームが迫る。カントは目を閉じて死を覚悟するが一向にその瞬間は訪れない。薄目を開けてみるとエルシオンがビームを躱していた。

「何だよ……できるじゃねえか」

[否定。先程は敵の位置、銃口の角度、ビームの威力が判っていたため単純に横に加速しただけです。提案。当機は敵機に接近します。パイロットはタイミングを合わせてブレードを振る、というのは?]

「わ、分かった。ブレードは……これか」

横のボタンを押し、腰部に搭載されているビームブレードを取り出して展開する。

[了解。当機の合図に合わせてレバーを前に倒してください]

エルシオンは真っ直ぐ敵機に接近する。そして前面のモニターに映し出される敵機が赤くなった瞬間、カントはレバーを思い切り前に倒す。するとエルシオンのビームブレードが敵機の腹部、コクピットを両断し、敵機は完全に沈黙した。


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