複垢、その誘惑
さて、規約において禁ぜられる複垢。これをしていると言う人物の噂はいくつかある。真実かどうかは置いておこう。面倒臭い。
スマートフォンの画面で隣接する「ログイン」と「新規登録」のボタン。押し間違ったことがある人はわかるだろう。同じ携帯やパソコンでは新規登録は出来ない。IPアドレスだかなんだかが照会せられて防がれるのである。しかして逆に言うなら複数のパソコンや携帯をもつ人物ならば簡単に可能である。やるかどうかはまた別の問題だが。
私はその様な誘惑に苛まれたことがある。一度や二度ではない。まぁ、そのたびに無力感に苛まれるため、やったことはまだない。今後ないとは言い切らんが。
私の場合、『自分の文章は絶対に売れない』という無力感があるがゆえにやらない。この場合の売れる、とは大多数にうけるという意味ではなく、文字通り商売の時に店に胸を張って出せるかどうかという意味である。私は私の文章にお金を払うだけの価値があるとは思えない。仮に本にしたなら、その価値の殆どは紙とインク、印刷業者の手間賃であろう。もし挿し絵などついたなら(つけないかも知らんが)その手間賃とか、その価値が加算される位だ。私の文はうまい棒等の麩菓子程度だと思っている。だからやっても無駄なのだと感ずるのである。
恐らく、複垢をやるような人物は自信に満ち溢れているのだろう。でなければそんなに手間をかけてまで、晒される危険を犯してまで実行する価値はない。ん?流行りの炎上商法?だとしてもそこは変わらんだろう。だってあれ、携帯やパソコンを複数使う気合いがいるんだ。わざわざやることには称賛すら覚える。きっとその人たちの文章はその人たちにとっては、極上の珍味のような価値があるのだろう。読むに耐えないものであろうと、そこは問題ではない。その人に価値があるかどうかだ。
というわけで、私は複垢をやる人物を誉めてやる。但し。読んで苦痛になるような文を除いてな。複垢疑惑の文は何故かまともに読める文が少ないのだが。