心だけ、自由
濡れ汚れた紅い葉の上
歩けばやわらかく反発する
秋はもう落ちていた
寂しいと寂しくないとが
手を繋いで私の中を
散歩する
定まらない心地悪さを
放っていることなど
お構い無く
私の中は私だけのものではない
と
気付いたのはいつだったか
構わないことにしたのは
いつだったか
身体の細部に神は宿っている
心だけ自由である
どこかで読んだ言葉を再び開いた
身体中にいる神が
心を監視しているような気がした
揺らぐほどサイレンが鳴り響く
くりかえされる現行犯
心にも神が宿れば万事うまくいくのでは?
それでは人間でなく、神になってつまらない
そうだ、つまらない
寂しいと寂しくないが
ひとつになって消えた