不連続のリーブル
2134年4月12日、ここ黒牢町では都会とはすこし離れているがまだ住宅地も多くマンションなどが林立していた。まわりからは薄暗い印象らしい。私たちはいつも外に出る事はできない目に見えない境界のようなものに包囲されている感覚を誰もが持っている。ただそれは暗黙に内の意識と化していた。外の人間がこっちにくる事はほとんどない。都会から離れ、森を抜けたとこにあり滅多にこっちにくるものはいなかった。
今、僕は何をしているのだろう。思い出した。漫画を立ち読みしている。
高校を出た僕、七山風見はただ無職で生きていた。
「おい!はやくしろよ!!」
今はコンビニの中だ。コンビニと言ってももうつぶれかけのコンビニだ。従業員はほとんどが自分と同じ年齢のようなやつばかりだ。
「す、すみません。今、終わらせます」
「はやくしろよ。。。。」
男は舌打ちをしながらレジを必死でうってる男にいらだたしい態度を見せる。
僕は家に帰り、鬱病の母親の面倒を見る。
「母さん、今日はこんなんだけどいい?」
母は相変わらずカレンダーを見上げながらボッーとしている
リビングから出て、2階に上がる。兄の鏡は、部屋でゲームをしているようだ。
「よっしゃあ!!そこ!そこ!!ははは。。。××せ!!」
部屋からは甲高い快調な声が聞こえる。でもそこには狂気がまざっていた。国立大学に落ち、その後浪人をしていた兄だったが、予備校でいじめにあい塾をやめ、働こうとするが働き口がみつからずに家でニートをするようになった。
父は単身赴任でほとんどいない。母は、僕の記憶が数年前から亡くなっているのでよくわからないが
気づいた時には、ほとんど鬱状態だった。毎日が淡々とすぎていく感覚すらもにぶくなり、一日が二日に感じる事も多くなった。
僕の部屋には一台のパソコンがある。今の時代、パソコンなんていうのはほとんど使われてないが、この時代はエクセスコミュニーターという電脳端末が開発され、ほとんどがタッチで操作し仮想ホログラムとかで、3Dの映像を見れるんだとか。ただ、それはほとんど出会い目的で使われてるらしい。
いつものようにパソコンを起動する。僕は、掲示板サイトでよくスレッドを立てていた。
そこにはいつものように、スレッドが数多く立てられていた。すると、一つおかしなスレッドを見つけた。
「ん?」
スレッドタイトルは「■■■■■■■(急!)人格買ってください。■■■■■■■■■■」
「なんだこれ?」
ほかのスレッド群に対して明らかに異様なスレッドタイトルだった。なんでだろう。特に考えていなかったのだが、このスレッドのタイトルには何か引かれるものがあった。
深く考える間もなく、感覚的にスレッドを開いた。
「?」
スレッドタイトル : ■■■■■■■(急!)人格買ってください。■■■■■■■■■■
こんにちは、みなさん。私は120年前からタイムリープしてここまできました。これ以上、この空間にいれば私は破棄されてしまいます。今、私は時代の真骨頂にいます。助けてください。
私には過去の記憶がありません。そして、今持っているのは人格を形成するための記憶だけです。しかし、この記憶は全て計画されていたものでした。だから、私はその計画の中にいました。
人格を買ってくれる方は、このアドレスにメールをください
############あっとgropmail.fo.com
あっとは@に変換してください。
「なんだこれ(笑)」
正直、がっかりしたな。なんか、すこし面白そうだったけど中身はただの妄想&釣りか。。。はぁ。。。
僕は、またスレッドを作りほかのスレッドを開く。
夕方から夜にかけてパソコンにむかっていた
その日は結局パソコンをして12時に寝た。
静かな夜だった。僕は夕方の教室にいる。
多分、これは夢なんだろう。たまにこの夢を見る。僕がいた世界の窓と僕がいないはずの世界の窓。
学校には僕しかいないのに。。。ここは2階かな。小学校のようだ。
だるさの中、白い霧が校内を漂っている。まだ明るいのに誰もいない。外から声が聞こえる。
子供達が遊んでいる声だ。でも窓の外には誰もいない。再び廊下に出てみる。だけど誰もいない。
ここはどこだろう。僕はどこから来たの?いつのまにか、涙を流していた。僕の存在を探し求める。
でも、思い出せない。友達も、知り合いも、家族も、今まで会った人も、誰も。。。。。。
「たすけて」
そう、自分で言ったような気がした。。
ふと目が覚める。
「もう朝か。。。」
廊下に出てリビングにおりて行く。
母はいつもどうりソファーで寝ている。悲しそうに俯いてる。
朝食にパンを食べる。僕はこれから、どうなるんだろう。