第壱話 退屈な日常
レゴブロックで作ったロボットと月面基地を飾る時に思いついたストーリーです。完結できるように頑張ります。
俺には幼馴染がいるが友達はいない。作る事ができない。俺がいるこんなちっぽけな世界では友達を作れない。何も起こらない日常、昨日と同じ今日、今日と同じであろう明日。何も変わらない、退屈な日々が延々と続く。
ここはどこだ?なぜ俺は青空の下にいる?…夢か、そう夢だ。もう十年も青空を見ていない。ここの空は真っ黒だ。…
「ソラ、早く起きて。」
空から声が聞こえる。空に起きろとは馬鹿な、いやソラは俺か、
「早く起きろ!」
「おはよう、アスカ。朝から元気だね。」
「そんな事は良いから、学校の支度しちゃってよね。」
「了解」
今日もいつもと同じ朝だ、アスカとは幼い時から一緒だ。お互い親が技術者で滅多に帰ってこない。子供の俺たちの事なんて気に掛けない、そんな酷い親だ。このちっぽけな世界にくる事になったのも親の所為だ。
「アスカ、学校行こう。時間ないからごはんはいいや。」
「まったく、もっと早く起きればいいのに。」
俺とアスカはたわいもない会話をしながら学校へ行く。教室には誰も居ない。いつもの事だ。ここへ来たばかりの頃は慣れなかったがもう慣れた。このちっぽけな世界、月面都市ルナⅠには成人を迎えていない人間が俺たち2人だけだからだ。
「さっさと授業終わらないかな、詰まんなーい。」
「本当、退屈だ」
退屈で当たり前。俺たちは英才教育を無理やり受けさせられたから高校の授業は六年生の時に終わった。どうせ2人しか居ないのだから学校なんてシステムは無くてもいいのに。そんなことを考えている内に放課後になった。
「ねえ、ソラ。地球を見にいかない?」
「?」
何を急に。地球、どうやって、宇宙服ならあるけど月面にでるセキュリティーカードが無い。
「どうやって?」
俺は疑問を口にした。するとアスカはいたずらが成功した時のような怪しい笑みを浮かべた。せっかくの美人が台無しだ。アスカは、いや俺もだが顔は整っていて美形だ。それが人工的に遺伝子を構築され生まれてきた結果だ。本当の親なんて居ないんだ。
「なに暗い顔してんのよ?」
顔に出てたのか、いけないいけない。
「何でもないよ。」
「そう、なら良いは。明日行くわよ。」
「まじで?」
「あったり前しょ。」
まあ良いか。少し違った明日になりそうだ。