表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

突然の……

 馬鹿みたいな会話を交わしながら過ごす時間、どこにでもある普通の風景だろう。

でもそれはとても心地よくてとても大切で……ずっと続くと思われた時間。

でも壊れた、一瞬で。



 私は美術部に所属している。

絵が下手だけれども描くことは大好きだ。

そもそも文章や絵で表現することが好き。

今日も部活があり、あたりが暗くなったころ、ようやくその活動が終わった。

最終下校が迫る中、もたもたしている紗季に付き合って遅くまで美術室に残っていたのだ。


「早くしてよー」

「ごめん、奈鼓。今いそいでいるから」

「紗季、あなただけをおいていくよ」


と顧問の絹江先生。周りからは結構嫌われている人だけれども私は結構好きだったりする。

面白いしあまり先生って感じがしないし。


「ほら、先生にも言われてやんの」

「ごめんなさいっ!」

「もう!紗季がさっさとパレットと筆を洗わなかったからいけないんでしょ」


その時だった、胸のあたりを激しい痛みが襲ったのは。

いきなりの激痛に私は倒れた。

それを見た先生がいそいで私のもとに来る。

私の様子を見てすぐに紗季に指示を出す


「早く保健室の先生を!」


何があったのか分からず、あたふたする紗季に先生はもう一度……


「早く!」


走っていく紗季、その様子を見送ると先生は私に聞いた。


「どこがどのように痛いの?」


先生は冷静になっているように見えてパニックになっているのかいつもと声の様子がちがった。

私は答えたいけれど答えられない。

苦しくて、痛くて。

目さえも開けているのが辛い。涙が溢れてくる。


「……胸が……苦し……い……息ができ……ない……」


やっとのことの思いで伝えることができた。

その時、先生の顔はゆがんだように見えた。


次の瞬間、保健室の先生が駆けてくる、心配顔の紗季とあと一人誰かいる。誰?

絹江先生が私の手を握って頑張れと言い続けている。

保健室の先生が救急車を呼んだらしい。

あとちょっとの辛抱だ。


でも、また私の体に激痛が走る。

痛みに顔を崩す。

もう耐えられない……。

次の瞬間、私の記憶は途絶えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ