表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

猫背の夜

作者: 濁冷 呑
掲載日:2026/07/18

仕事が終わった。

一度周囲を確認してから、職場を後にする。

猫背になる自分の後ろ姿が、鏡を見ていなくてもなんとなく分かる。

帰る足が、自然と帰路から逸れていく。

角を曲がってみる。

淡い紫のネオンが優しく光る店。

気になって、ドアを開けてみる。

こじんまりとしたバーだ。

まだ席数も埋まっていない。

静かな雰囲気にほっとして、中に入る。

白いコースターを置かれる頃には、少し肩の力が抜けていた。

飲み物の冷たさがグラスから伝わってくる。

小さく伸びをする。

もう一口飲んでいると、コースターの文字が目に入る。


『確認しましょう』


ちょっと笑う。


でも。


嫌な音が聞こえた気がした。


はっとして、振り返る。


誰もいない。


一杯だけ飲んで、店を出る。

何度も振り返りながら家に帰る。

玄関のドアを慎重に開けて、閉じる。

隣からやけに重たい足音が近づいてくる。

いつも、自分の影のように音がする。

玄関の鍵は、掛けた。

窓も、閉まっている。

もう一度確認する。

部屋の中の移動と共に、隣から音がついてくる。

窓の鍵は、かかっている。


でも。


カーテン裏のコンセントをじっと見つめる。


やっぱり。


しばらく考えてから、そっと姿勢を正す。

深呼吸を一つ。

それから、スマホを取り出した。


手が、うまく動かない。


『とうちょうき しゅるい』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
オチが良いですね。 良いホラーでした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ