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100回死んで地獄を制覇したら、異世界がヌルゲーになっていた  作者: nekorovin2501


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第9話:Aランク試験と、初めての「本気の無双」――もう誰も俺を止められない

ルミエルのギルドは、朝から異様な熱気に包まれていた。

掲示板の前には冒険者たちが群がり、俺の名前が飛び交う。

「新人の佐藤太郎がAランク試験を受けるってマジかよ?」

「Cランクから一気にA? アイスウルフのアルファを一人で倒したって話だけど……」

ギルドマスターが俺を奥の部屋に呼んだ。

厳つい顔のマスターは、珍しく笑みを浮かべている。

「佐藤。お前、特別試験だ。Aランクは通常、S級モンスター討伐か複数Aランククエストのクリアが必要だが……お前の実力なら、特別に『模擬戦』で決める。」

相手は、ルミエル支部のNo.1冒険者――Aランク剣士の「雷鳴のガルド」。

40代半ば、雷属性の剣技で知られるベテラン。

「若造、俺を本気で倒せばAランクだ。だが、甘く見るなよ。」

試験会場はギルド裏の広大な訓練場。観客席は満員。リリアも最前列で手を握りしめて見守っている。

ガルドが大剣を構える。剣先に青白い雷が走る。

「いくぞ!」

ガルドが突進。雷撃を纏った大剣が俺の頭上を狙う。

普通の冒険者なら一撃で炭化する威力。

俺は動かない。

剣が直撃――するはずだった。

バチバチッ!

雷が俺の体に吸い込まれるように消える。

ダメージゼロ。

【業火耐性Lv2】+【全耐性統合パック】で、雷属性も「地獄の業火に比べりゃ可愛い」判定。

ガルドの目が見開く。

「なんだと……!?」

俺はゆっくり短剣を抜く。

「悪いな。俺、もう死なないんだ。」

反撃開始。

棍棒を軽く振るだけで、衝撃波が発生。ガルドの体が後退する。

「くそっ!」

ガルドが雷の嵐を召喚。訓練場全体に雷雲が広がり、無数の落雷が降り注ぐ。

観客が悲鳴を上げる。

俺は真ん中で立ったまま。

落雷が体に当たるたび、ジリジリと煙が上がるが……痛くない。

むしろ、心地いいくらい。

「雷? 焦熱地獄の溶岩に比べりゃ、シャワーだな。」

一歩踏み出す。

地面が割れ、俺の体が瞬時にガルドの懐へ。

短剣を首元に当てる。

「終わりだ。」

ガルドの剣が落ちる。

訓練場が静まり返る。

「……負けだ。完敗。」

ガルドが膝をつく。

ギルドマスターが立ち上がる。

「佐藤太郎、Aランク認定! これより、お前は『地獄の覇王』と呼ぶに相応しい男だ!」

観客が沸く。拍手と歓声が鳴り響く。

リリアが駆け寄ってきて、俺に抱きつく。

「太郎さん……すごい! 本当にすごいよ!」

俺は彼女を抱き上げ、くるくる回す。

「これで、もっと大きなクエスト受けられるな。一緒に世界見て回ろうぜ。」

その夜、Aランクパーティの特典として、ギルドから豪華なマンションを貸与された。

バルコニー付きの広い部屋。ルミエルの夜景が一望できる。

リリアと二人、ワインを傾けながら話す。

「太郎さん……これからは、どんな冒険になるのかな。」

「魔王討伐とか、王都の陰謀とか……全部片付けて、スローライフもいいよな。」

リリアが頰を赤らめて、俺の胸に寄りかかる。

「私、ずっと太郎さんのそばにいる。地獄の記憶が辛くなったら、いつでも抱きしめてあげるから。」

俺は彼女の髪を撫でる。

「ありがとう。もう、地獄の苦しみは過去だ。

 今は、お前とこの世界を楽しむだけ。」

ステータスを確認。

【名前:佐藤太郎】

【レベル:20】

【ランク:A】

【スキル:地獄周回者(9/100)】

【業ポイント:4600(使用可能)】

【耐性一覧(統合後)】

• 全属性耐性+50%(地獄由来)

• 物理攻撃耐性+40%

• 精神攻撃耐性+60%

• ……他多数

【地獄の覇王 解放条件:残り91回達成】

【現在の無双度:大陸最強クラス(推定)】

翌朝、ギルドに新しいS級クエストの依頼が届く。

「大陸北方の『氷の魔王』復活の兆し。討伐パーティ募集。Aランク以上推奨。」

俺はリリアと顔を見合わせる。

「行くか?」

「もちろん! 太郎さんとなら、どこだって!」

俺たちは馬車に乗り、北方へ向かう。

道中、魔物が襲ってくるが……全部一瞬で片付く。

狼の群れ? 短剣一振り。

ドラゴン級のワイバーン? 棍棒で頭を叩き落とす。

リリアが笑う。

「もう、本当にヌルゲーだね……太郎さん。」

俺も笑う。

「そうだな。地獄を制覇した代償だよ。」

でも、心の奥で思う。

残り91回の地獄。

いつか、100回達成して「地獄の覇王」スキルが完全解放されたら……

この世界は、どうなる?

今は、そんなこと考えなくていい。

リリアの手を握り、俺は前を向く。

異世界は、俺の庭。

これからは、ただ楽しむだけだ。

(つづく)


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