第6話:阿鼻地獄の無間苦痛と、仲間との絆が深まる日々
ルミエルの街は、俺にとって少しずつ「ホーム」になりつつあった。Eランク冒険者として、リリアと組んでクエストをこなす日々が続く。今日は中級クエスト「洞窟の魔物討伐」。報酬は銀貨5枚。洞窟にはコボルトの群れが巣食ってるらしい。
朝、リリアとギルド前で待ち合わせ。彼女はいつものローブ姿で、杖を握ってる。
「太郎さん、今日もがんばりましょう! 私、回復魔法の精度上がってきたんですよ。」
「頼むな。俺は前衛だから。」
短剣と鉄の棍棒、地獄の鎧を着込んでる。耐性スキルがLv2以上になってるおかげで、防御力がバグってる。
洞窟に入る。湿った空気とコボルトの臭い。
最初は順調。コボルトを短剣で斬り、棍棒で叩く。リリアの火球が援護。レベル11に上がる。
「太郎さん、すごい! 動きが速すぎて見えないよ!」
「地獄で鍛えられたからな……って、冗談。」
でも、奥でボス級のコボルトキングが現れる。体長3メートル、棍棒が巨大。
戦闘開始。俺が正面から受け、リリアが魔法で削る。
キングの棍棒が俺を直撃。【衆合耐性Lv1】で耐えるが、衝撃で壁に叩きつけられる。
HP半分。リリアが回復をかける。
「太郎さん、大丈夫!?」
「平気だ!」
短剣を投げて目を潰し、棍棒で頭を叩く。キングが倒れる。
【経験値獲得。レベルアップ!】
レベル12。クエスト完了。
街に戻って報酬ゲット。リリアと酒場で祝杯。
「太郎さん、最近本当に強くなったよね。最初会った頃は、ちょっと頼りなかったのに……。」
彼女の青い瞳が優しい。
「リリアのおかげだよ。回復がなかったら死んでた。」
本当は地獄ループのおかげだけど。
リリアが少し照れくさそうに言う。「私も、太郎さんと一緒だと怖くない。……これからも、ずっと仲間でいてね?」
「当たり前だろ。」
心が温かくなる。地獄の冷たい記憶が、少し溶ける気がした。
夜、宿でステータス確認。
【名前:佐藤太郎】
【レベル:12】
【スキル:地獄周回者(7/100)】
【業ポイント:2800】
【業火耐性Lv2】
【黒縄耐性Lv1】
【衆合耐性Lv2(強化)】
【叫喚耐性Lv1】
【大叫喚耐性Lv1】
【焦熱耐性Lv1】
【大焦熱耐性Lv1】
交換所でスキル強化。【黒縄耐性Lv2】に上げる。
「次は……阿鼻地獄か。八大地獄の最後。最悪の無間苦痛。」
翌日、新クエスト「街道の盗賊団討伐」。5人組。
リリアと街道へ。盗賊を見つける。
戦闘。俺が前衛、リリア援護。
短剣で一人斬り、棍棒で二人目。リリアの魔法で三人目。
でも、残りの二人が弓で狙う。矢が俺の胸に刺さる。
【業火耐性Lv2】で火矢じゃなかったから耐えたが、HP急減。
リリアが回復しようとするが、盗賊の一人が彼女を狙う。
「リリア!」
咄嗟に盾になる。矢が肩に。痛い。
反撃で盗賊を倒すが、最後の一人がナイフで俺の腹を刺す。
【HP:0】
八度目の死。
暗転。
今度の地獄は、真っ暗な空間。無限の闇と、絶え間ない苦痛。
「阿鼻地獄……八番目、無間地獄。」
ここは苦しみに間がない。焼かれる、斬られる、潰される、煮られる、全てが同時に、永遠に。
鬼が現れずとも、業の力で体が勝手に引き裂かれる。皮膚が剥がれ、骨が砕け、内臓が溶ける。
「うあああああ!」
叫びが止まらない。再生しても即苦痛。
前世の全ての罪が一気に蘇る気がする。社畜の残業? いや、そんな生易しいもんじゃない。
魂そのものが削られる感覚。
でも、耐える。耐え抜く。ポイントボーナスを最大限に。
心で叫ぶ。「まだだ……まだ終わらせねえ!」
時間感覚がなくなる。永遠のように感じるが、耐え続けた。
ようやく、光が差す。
【地獄周回:8回目完了。業ポイント+800(ボーナス+400)。】
【異世界に戻ります。】
戻ると、盗賊の前に。
今度は圧倒的。短剣で瞬殺、棍棒で全員粉砕。
リリアが震える声で。「太郎さん……また、死んだの?」
「いや、生きてるよ。」
彼女を抱き寄せる。「心配かけたな。」
リリアが涙目。「もう、死なないで……約束して。」
「約束する。100回まで、耐え抜くから。」
ギルドに戻り、報酬。レベル13。
夜、リリアと宿の屋上で話す。
「太郎さん、私……好きだよ。地獄みたいな苦しみを背負ってるみたいだけど、一緒に乗り越えたい。」
俺は頷く。「俺もだ。リリアがいるから、地獄も耐えられる。」
ステータスに変化。
【地獄の覇王】スキルが少しずつ近づいてる気配。
八大地獄クリア。次は八寒地獄か?
「まだ92回……。でも、もうヌルゲーだ。」
異世界が、完全に俺の庭になった。
(つづく)




