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100回死んで地獄を制覇したら、異世界がヌルゲーになっていた  作者: nekorovin2501


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4/12

第4話:街で出会った少女と、五回目の地獄は熱湯の釜だ

街の名前は「ルミエル」。中規模の交易都市で、冒険者ギルドが活気づいているらしい。ギルドの受付でFランク登録を済ませ、薬草採取の簡単クエストを受注した。報酬は銅貨20枚。異世界通貨のレートはよくわからないけど、飯代くらいにはなるはずだ。

ギルドの外に出ると、陽光が眩しい。石畳の通りには商人たちの呼び声が響き、馬車がガタガタと通る。ファンタジー世界の典型だ。

「まずは装備を整えようか。棍棒だけじゃ心許ないし。」

業ポイントは今、450+今回のポイントで……待てよ、四回目の叫喚地獄でボーナス入ったから、700近くあるはず。

交換所を開く。

【業ポイント交換所】

• 体力ポーション:50ポイント

• 鉄の棍棒(強化版):150ポイント

• 革の鎧(基本防具):300ポイント

• スキル強化(耐性系):200ポイント

• 情報開示(地獄次層ヒント):100ポイント

• 新規:地獄の鬼の短剣:400ポイント(業火属性付き)

「お、地獄由来の武器か。短剣買おう。」

400ポイント消費。手元に黒い短剣が現れる。刃が赤く熱を帯び、触るとジリジリするけど、俺には痛くない。

「これで戦闘力アップだな。」

街を歩きながら、クエストの薬草を探す。街外れの森に入る。

森は静か。鳥のさえずりだけ。

薬草は「青葉草」らしい。葉が青くて星型のやつ。

一本見つけて摘む。よし、順調。

でも、油断した。

背後から気配。振り返ると、巨大な蜘蛛。体長2メートルはありそうな魔物。

「マジかよ……薬草採取でこんなの出てくんのか!」

蜘蛛が糸を吐く。避けるが、足に絡まる。

【黒縄耐性Lv1】のおかげで、糸が少し緩む。短剣で切る。

蜘蛛が飛びかかる。牙が肩をかすめる。毒? 痛いが、地獄の痛みに比べりゃ……。

棍棒で頭を叩く。ガツン! 効いてる。

短剣で腹を刺す。緑の体液が噴き出す。

蜘蛛が暴れる。糸で体を巻かれる。

「くそっ!」

短剣で糸を切り、反撃。蜘蛛の目を突く。

最後に棍棒で頭を潰す。

【経験値獲得。レベルアップ!】

レベル6。息が上がる。

「勝った……。でも、死ななくて済んだ。」

薬草を10本集めて、街に戻る。

ギルドでクエスト完了。銅貨20枚ゲット。

「これで飯食えるな。」

近くの酒場に入る。安い宿も兼ねてるらしい。

カウンターでパンとスープを注文。異世界の味。意外と美味い。

隣の席に、少女が座ってる。

銀色の髪、青い瞳。10代後半くらい。服はボロボロだけど、綺麗な顔立ち。

「えっと……あの、隣いいですか?」

少女が話しかけてくる。

「どうぞ。」

「ありがとうございます。……私、冒険者なんですけど、お金がなくて……。」

彼女の名前はリリア。Cランクの魔法使い。パーティが解散して、金欠らしい。

「一緒にクエストやりませんか? 私、回復魔法使えるんです。」

面白そう。

「いいよ。明日からで。」

リリアが笑う。初めての仲間っぽい。

でも、心のどこかで思う。

この世界で仲間ができたら、死ににくくなるかも。でも、死んだら……また地獄。

リリアを巻き込むわけにはいかない。

夜、宿のベッドで横になる。

業ポイントはクエストと戦闘で少し増えた。交換所で耐性強化を考える。

でも、今日は寝よう。

……夢を見た。

地獄の門。次は「大叫喚地獄」。

熱い鉄の釜に落とされる予感。

翌朝。

リリアと合流。クエストは「森の狼退治」。5匹倒せばいい。

森に入る。リリアが後ろで魔法を準備。

「火の玉、準備OK!」

狼の群れが現れる。7匹。

「来い!」

棍棒で先頭の一匹を殴る。短剣で二匹目を刺す。

リリアの火球が飛ぶ。狼が燃える。

順調。レベル7に上がる。

でも、最後の狼が俺の背後を取る。

牙が首筋に。

【HP:0】

五度目の死。

暗転。

今度の地獄は、巨大な釜が並ぶ空間。熱湯が煮えたぎる。

「大叫喚地獄……五番目。」

鬼が俺を掴み、釜に放り込む。

熱湯が体を包む。皮膚が溶ける。肉が剥がれる。

「ぎゃあああああ!」

叫び声が止まらない。肺が焼ける。目が煮える。

再生しても、また落とされる。

熱湯の中で何度も溺れ、焼かれ、叫ぶ。

痛みと絶叫の連鎖。

前世の妄語? 嘘をついたこと? そんなんでここかよ……。

でも、耐える。ヒント通り、耐え時間を伸ばす。ポイントボーナスを狙う。

叫びながらも、心で数える。

1分、2分……耐えろ。

ようやく終了。

【地獄周回:5回目完了。業ポイント+300(ボーナス+100)。】

【異世界に戻ります。】

戻ると、狼の前に。

今度は先制。短剣で喉を切り、棍棒で頭を潰す。

リリアが驚く。「え、太郎さん……急に強くなった?」

「ま、運が良かっただけ。」

全滅。クエスト完了。

ギルドに戻る。報酬ゲット。

リリアが喜ぶ。「これで宿代出せます! ありがとう!」

俺は笑う。でも、心の中は複雑。

死ぬたびに強くなるけど、リリアを失いたくない。

「次はもっと安全なクエストにしよう。」

夜、宿でステータス確認。

【名前:佐藤太郎】

【レベル:7】

【スキル:地獄周回者(5/100)】

【業ポイント:1200】

【業火耐性Lv1】

【黒縄耐性Lv1】

【衆合耐性Lv1】

【叫喚耐性Lv1】

【大叫喚耐性Lv1(新規)】

大叫喚耐性……叫びや精神攻撃に強くなるのか。

「これで、少しはメンタル耐えられるかも。」

でも、次は焦熱地獄。焼かれる系の上位版。

「まだ95回……。地獄は続く。」

リリアが隣の部屋から声をかける。「おやすみ、太郎さん。」

「おやすみ。」

異世界が、少しずつ楽しくなってきた。

でも、地獄の記憶は消えない。

100回まで、耐え抜くしかない。

(つづく)


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