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100回死んで地獄を制覇したら、異世界がヌルゲーになっていた  作者: nekorovin2501


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3/12

第3話:三回目の地獄は岩で潰されるなんて、想像以上だった

狼の遠吠えが近づいてくる。森の奥から、複数の影が現れる。灰色の毛並み、鋭い牙。少なくとも五匹の狼の群れだ。

「マジかよ……ゴブリン倒したばっかなのに。」

レベル2になったけど、まだステータスは貧弱。体力は少し上がったけど、武器は即席の枝棍棒だけ。

逃げる? いや、森の中じゃ追いつかれる。戦うしかない。

一匹が飛びかかってくる。俺は枝で払う。ガキン! 枝が折れかけるが、なんとか弾く。

「くそっ、硬い!」

二匹目が横から噛みついてくる。腕をかすめる。痛いが、地獄の痛みに比べりゃマシ。

【業火耐性Lv1】と【黒縄耐性Lv1】のおかげか、耐久力が上がってる気がする。

蹴りで一匹を転ばせ、石を投げて頭を狙う。命中! 経験値が入る。

でも、残りの四匹が一斉に襲ってくる。囲まれて、背中を爪で裂かれる。血が噴き出す。

「ぐあっ!」

HPが急減。視界が赤くなる。

最後の抵抗で一匹の目を突くが、群れのリーダーらしきデカい狼が喉元に飛びついてくる。

【HP:0】

三度目の死。

地獄周回の三回目。

暗転した視界が開くと、今度は巨大な岩が林立する谷間みたいな場所。空は鉛色で、地面は荒れ果ててる。遠くで、轟音が響く。

「ここは……衆合地獄?」

八大地獄の三番目。岩や山で圧し潰されるやつ。

日本仏教の地獄描写そのまんま。神様、せめてスキル説明くらい詳しくしてくれよ……。

体が浮き上がり、谷の底に落とされる。

周りの岩壁が動き出す。ゴゴゴ……という地響き。

「待て、冗談だろ!」

巨大な岩が両側から迫ってくる。逃げようとするが、足が地面に絡みつく根みたいなので固定される。

岩が体を挟む。骨が軋む音。肉が潰れる感覚。内臓が圧迫されて、息ができない。

「うぐっ……あがあああ!」

痛い。焼かれるのも斬られるのもエグかったけど、これは違う。全身がゆっくり潰される絶望感。

視界が暗くなりかけるが、死なない。体が再生して、また岩が迫る。

潰される。再生。潰される。

何度も繰り返す。最初はパニックで叫んでたけど、途中から思考が麻痺する。

前世の業って、本当に何? 社畜生活で溜めたストレス? それとも、誰かを傷つけた記憶? いや、そんな大それたことしてねえよ……。

でも、地獄の痛みは容赦ない。永遠に続くみたいだ。

ようやく、痛みが引く。体が完全に再生し、視界がぼやける。

【地獄周回:3回目完了。業ポイント+200。】

【異世界に戻ります。】

光が包む。

目覚めると、狼の群れの前に戻ってる。体は無傷。

「はあ……はあ……三回目か。残り97回。」

ステータス確認。

【名前:佐藤太郎】

【レベル:2】

【スキル:地獄周回者(3/100)】

【業ポイント:450】

【業火耐性Lv1】

【黒縄耐性Lv1】

【新規スキル:衆合耐性Lv1】

衆合耐性……圧迫や衝撃系の攻撃に強くなるのか。

「これ、地獄ごとに耐性スキルが増えてくのか。最終的に、無敵になるんじゃね?」

でも、今はそんな悠長なこと言ってる場合じゃない。狼の群れが目の前だ。

さっきの戦いで、経験値が入ってる。レベル3に上がった。ステータス微増。

「よし、対策考えろ。」

周りを見回す。木に登る? いや、狼は木登りしないけど、囲まれたら終わり。

さっきの枝棍棒を拾い直す。業ポイント交換所を開く。

【業ポイント交換所】

• 体力ポーション:50ポイント(残り在庫無限?)

• スキル強化:100ポイント

• 情報開示:200ポイント

• 新規:簡易武器(棍棒):100ポイント

• 新規:地獄のヒント:50ポイント

「お、アイテム増えてる。棍棒買おう。」

100ポイント消費。手元に鉄製の棍棒が現れる。地獄の鉄みたいに熱を帯びてるけど、持てる。

さらに、地獄のヒントを買ってみる。50ポイント。

【地獄のヒント:各周回で得るポイントは、耐え時間や業の質で変動。耐えれば耐えるほどボーナス。100回達成で『地獄の覇王』スキル解放。】

「おお、モチベーション上がるな。耐えろってことか。」

狼の群れが動き出す。一匹が飛びかかる。

棍棒で叩き落とす。ガツン! 骨が砕ける音。経験値入る。

二匹目、三匹目を連続で殴る。レベル3の力プラス地獄耐性で、動きが軽い。

リーダーのデカ狼が喉を狙うが、衆合耐性のせいか、衝撃が緩和される。

反撃で棍棒を頭に叩き込む。グシャ。

全滅。

【経験値獲得。レベルアップ!】

レベル4。いい感じ。

「ふう……勝てた。地獄のおかげで強くなってるわ。」

でも、喜びは半分。岩で潰される記憶がフラッシュバックする。メンタルが少しずつ削られてる気がする。

「このループ、いつまで続くんだ……。100回なんて、地獄そのものじゃん。」

森を抜けると、道が見えた。街道っぽい。遠くに街のシルエット。

「ようやく文明か。冒険者ギルド行って、情報集めよう。」

街道を歩く。馬車が通り過ぎる。異世界らしいファンタジー風景。

でも、油断は禁物。道端に魔物が潜んでるかも。

少し進むと、道を塞ぐように bandit みたいな連中が現れる。三人組。剣と斧を持ってる。

「おい、旅人。金を出せ。」

人間の敵かよ。レベル4じゃ勝てるかもだけど、死んだらまた地獄……。

「待て、話し合おうぜ。」

無視して襲ってくる。一人が剣を振り下ろす。棍棒で受け止める。

戦闘開始。

一人は倒すが、二人がかりで押される。斧が肩に食い込む。痛い。HP減。

「くそっ!」

反撃で一人を気絶させるが、最後の一人がナイフで心臓を刺す。

【HP:0】

四度目の死。

あれ? 三回目終わったばっかなのに、もう四回目?

暗転。

今度の地獄は、鉄の棒が雨のように降る空間。叫び声が絶えない。

「叫喚地獄……四番目か。」

熱い鉄の棒で殴られるやつ。

鬼が現れ、鉄棒を振り上げる。

「罪人よ、叫べ。」

棒が体に叩きつけられる。骨折。内臓破裂。

「ぎゃあああ!」

殴られる。再生。殴られる。

痛みの連鎖。叫びたくなくても、声が出る。

耐える。ヒント通り、耐え時間を伸ばす。ポイントボーナス狙い。

前回の岩よりマシ? いや、どっちも地獄。

ようやく終了。

【地獄周回:4回目完了。業ポイント+250(ボーナス+50)。】

【異世界に戻ります。】

戻ると、bandit の前に。

今度は先制。棍棒で三人まとめて叩きのめす。レベル5。

金品を回収。街に向かう。

街に到着。冒険者ギルドに登録。Fランク。

受付の姉ちゃんが可愛い。「新人さん? 気をつけてね。」

クエスト受注。薬草採取。簡単そう。

でも、心のどこかで思う。

この調子で死にまくったら、100回なんてすぐかも。

いや、すぐじゃ困る。地獄はもう嫌だ……。

(つづく)

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