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猫の惑星〜この星の人類は滅亡しました~  作者: BIRD
第4章:残されたモノ
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第34話:バーベQセットで何を焼く?

 ケイト曰く「学生たちが思いつく物をなんでもかんでも実験に使ってみた」らしい、超長期保存品の数々。

 そうそう、キャットタワーを保存実験に加えたのはケイトだったよ。

 某通販サイトで間違って2つ発注しちゃったから、1つを実験に使ったんだって。

 そんな感じで学生たちが使う物が多く保管されているから、同世代の俺にはとても役立っている。


「お! バーベQグッズがある!」


 遺跡発掘イメージとは程遠い品を見つけて、喜ぶのは俺。

 バーベキューグリル、トング、炭まで一式揃っているぞ。

 揃わないのは一緒にバーベQを楽しむ人間たちか。


「それは何に使うんだい?」


 と聞くモリオン博士も遺跡調査メンバーも、バーベQは未経験だ。

 彼らは猫舌だから、焼き立ての肉を食べる習慣は無い。


「トイレかな?」

「なんで脚が付いているんだろう?」

「まて! 入ろうとするんじゃない!」


 ミノルとアババが中に入ろうとするが、脚が付いていて高さがあったので、突入には至らず。

 彼らがメタボで良かったと、この時だけちょっと思ったよ。


「これは、屋外で肉や野菜を焼いて食べるときに使う道具だよ」

「なるほど、熱い物が食べられる人間ならではの道具だね」


 道具としての用途を話して、トイレ認識されるのを回避しよう。

 とりあえず、調査メンバーは理解してくれた。


「焼きたては食えないけど、焼いた肉って美味いよな」

「今夜は庭園でバーベQパーティしよう!」

「いいね! 私は肉をかってくるよ!」


 はりきるのはメタボ2匹+ミケ。

 今日の調査レポートは食レポつきだな。

 調査メンバーのうち、肉を買いに行ったミケ以外の面々は、バーベQセットと共に研究所の庭園に移動した。



 バーベQセットは炭にかけて使う液体タイプの着火剤とチャッカマンも一緒に保存されている。

 けど、猫文明には必要なかった。


「炭に火をつけるの? これでいい?」

「うん、ありがとう」


 火のフォースは基本だそうで。

 幼児から中学生くらい(イメージ)に成長した仔猫ミカエルが、片耳をピコッと動かすだけで炭が発火する。


 まるで魔法のようだが、超能力の分野でも「発火能力(ファイアスターター)」とかいう能力があったな。

 フォースは異世界の魔法じゃなくて未来の超能力だから、ゲームの火魔法よりも発火能力(ファイアスターター)に近いと思う。

 俺もできるのか? と試してみたら、普通にできた。

 といっても俺は耳を動かすなんて器用なことはできないから、指パッチンで発火しといたよ。


「おまたせ! 肉かってきたよ!」

「って丸ごとかーい!」


 そうして炭に火がいきわたる頃、ミケが帰ってきた。

 但し、肉にはフル装備でオプション(骨・羽根・足・くちばし)が付いているが……


「ふふっ、私こう見えても狩りは得意なのよ」

「街の肉屋、出番が無いじゃないか……」


 どうやら、ミケの「かってくる」は買い物ではなく、「狩ってくる」だったようだ。



挿絵(By みてみん)


【第34話の裏話】

ミケのモデル猫は我が家の御庭番衆(地域猫)ミケです。

ぽっちゃり体型におっとりした性格の猫なんですが、狩り能力高いんです。

元旦からシロハラクイナを狩ってきたミケ。

ネズミを狩ることもしばしば。

アンナもそうですが、猫ってメスの方が狩猟能力が高いかもしれません。

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