第2話
俺はいちど、家にかえり、ジャージに着替えてから、お隣にむかう。
が、チャイムを鳴らす前に俺を見て、
「またジャージ?運動得意じゃないくせに」
「丈夫だから、仕方ないだろ?伸縮性も抜群だから、いまでも着れる」
「背はのびてるのに?」
「のびたかな?」
「だって前は私よりチビだったのが、いまは10センチくらい上だよね?あっ、もしかして、シークレットシューズとか?」
「俺にシークレットあると思うか?」
そもそも、わりとお隣との夕食会という仮面飲み会があるぞ?
当然、一人っ子同士、子供は子供であそんでる。
いまさら、幼馴染の、目の前にいるやつの部屋に、行くなんて、慣れている。
ただ性別が違うだけだし?
だから、当然、迷いも考えることなく、俺は大人の玄関で靴を脱ぐ。
そもそも靴脱ぐから、バレるだろ?
それとも時代はシークレット靴下か?
地下足袋化してんのかなあ?
俺は平均より上だから、気にしないですんだんだよなあ。
まあ、目の前にいるコイツより、デカくなりたい!は、思ってたな?
「さあ?学校でのあなたを、私は知らないし?」
「そういえば、俺も学校でのお前を知らないよな?」
「お互いシークレットだらけということね?」
腕を組み俺を見上げてくるが、たしかに、様になるけど。
少し猫目にまなじりがつりあがってるが、まあ、見慣れたたしかに美少女だ。
ようは、
ー腕を組んでる姿が様になる。
そして、やっぱり、
ーでめちゃんが可愛い。
目のデカさは同じかなあ?
俺が同じように腕を組み首を傾げて、見下ろしたら、
「…なんか不愉快だから、腕をくんで見下ろさないで」
って、自分から腕をほどいて、俺を見上げて首を傾げるから、
「はい」
素直に腕を解く俺がいる。