出会いと1週間
──むかしむかし…
…では無く、かなり最近のお話──
「あー!木こりたのしー!」
木こりが趣味の男の人がおりました。
しばらくした後、男の人…もとい、小野 直也が切り株に座って休んでいると…
「あれ、俺の斧がない…いや、あれは…」
なんと、斧がコロコロ転がっていくではありませんか。
斧マニア小野は斧を追いかけつつ、前を見ると…
目の前に、小さな沼がありました。
そう、ここには昔から沼があるのです。どんなに雨が降らなくても、その沼は枯れることなく存在し続ける…不思議なものです。
ちなみに、近くに薔薇が(色んな意味で)沢山咲いているため"薔薇沼"と呼ばれています。
斧はそのまま勢いよく転がり、沼の中へ沈んでいきました。
「……………俺の斧が…My sweet honeyが…」
そう嘆いた時でした。
いきなり、沼がすごい輝きを放ち始めたのです。
呆気に取られて見ていると、光の中に人影が見えました。
その人影は、下半身にあたる部分を沼に沈めながら、こう言います。
「御機嫌よう。私は、この沼に住まう…」
…
……
「あー!めんどくさいっす!あ、自分、ここの女神のアイナって言うっす!」
「えーっと…」
「あなたが落としたのはこのBL本っすか?それともリョナ要素がたっぷりのBL本っすか?それとも─」
早口で問いかけたものの…
「俺が落としたのは普通の斧です」
あっさり返されてしまった。
──女神…アイナは腐女子だが、直也は斧マニアである。直也からしたら早く斧を返して欲しいのだ。
しかし…
「ちぇー!あんた、つまんないって言われないっすか?BLって素晴らしいじゃないっすかー!」
「…あー!もう!そんなあんたにはこのNL本しかあげないっす!それじゃ自分はBL本の続き読むんでさらばっす!」
そう言い放ち、NL本を沼の外に投げ捨ててまた沈んでしまった。
「あ、斧…いや、でも、思わぬ収穫だな」
──直也は、斧マニアであることは確かなのだが…
生粋の、NL本好きなのだ。
少しわくわくしながら本をめくり、目次を見る。
・女装好きな〇〇君
・あの子はきっと
・都会っ娘と田舎っ娘…
…………おい!
あの女神サラッとBLとGL混ぜてきたぞ!?
「おい女神!出てこい!この本GLもBLも混ざってるじゃねえか!てか俺のMy sweet honeyを返せ!」
先程のような神々しい演出はなく、素早く現れた。
「何回呼ぶんすか?!うるさいっすよ!あと自分アイナって名前あるっす!所でその本の都会っ娘と田舎っ娘は名作っすよー!珍しいメリバで序盤はリリカがいじめを受けているところからはじm」
「うるせえとりあえず俺のMy sweet honeyを返せ!」
大きな声で女神の話を遮る。
少し俺は疲れてはぁはぁと声を荒げていた。
「えーいやっすよー地味に気に入ってるんっす…そうだ!じゃあ1週間!毎日ここに来るっす!話し相手になってもらうっす!」
「えぇ?!もう今すぐ俺のMy sweet honeyを返せよ…まあ背に腹はかえられん…」
ため息をつきながら座り、女神をじっと見つめる。
「決まりっすねー!1週間よろしくっす!」
こうして1週間が始まった。
「ところであんた名前なんなんっす?」
「俺?直也。小野 直也。」
そして…アイナは沼へと戻っていったのである…
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「あ、1週間終わっても毎日来て欲しいっすよ!暇なんすよ!」
「めんどくさい…」
アイナ
直也の木こり場の近くの沼に住んでる女神(?)
リョナラー腐女子。ただの変態。なんでも好きだが夢は地雷。
BLを布教するのが趣味。
口調が女神っぽくない。
視力だけは無駄にいいので世界の男同士のイチャイチャを眺めるのが趣味。
「やっぱBLは最高っすよ!!ほら!直也も読んでほしいっす!」
小野 直也
木こりが好き。my斧を10個使い分けてる。
沼に斧を落としたら変な女神に出会ってしまった。
2次元はNL派だが実際は恋愛感情がない。
BL本を布教してるアイナに困り果ててる。
「BL本はいらんから俺の斧返してくれ…」




