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第10話 決意

実地訓練が終わり、一週間が経ち生徒の間では、カイムと魔族の戦いの話題でもちきりである。



純粋に尊敬するもの、嫉妬するものと様々だが、どんな意味でもカイム達のグループは有名になっている。

しかしカイムは今悩んでいた。


(この力を手に入れた俺は、学園を抜け、兵士となりこれから始まる戦いに出た方がいいのだろうか…)



カイムは新人類として覚醒し、名実共に聖剣の担い手となった。この力をすぐに使って、戦争に出ないといけない。そんな風に考えているのだ。



そんなときだった。人間連合軍の情報司令部から重大な発表があると魔法ネットワークで知らされた。



映像魔法で人間界の全人類に発表される。


生徒達は大聖堂に集められ、発表が始まるのを待っている。

始まった。



「全人類の皆さん、こんにちは。私は、連合軍司令部大総統、ヨハン・ブラインである。」



この放送は、魔族も見ていた。




「先日、シュヴァリース学園との掃討戦において、魔族を見たという報告があり、私達、連合軍は先の大戦の時に創設した、正規軍とは異なる、傭兵部隊、"ギルド"の再建することに決めた。」



全人類、いや全世界が震えた。恐怖からくる震え、武者震いの震え。様々であるが、震えた。



「今回の人間と魔族の争いは、今までの類を見ない熾烈な争いとなるだろう。だが、人間が力を合わせれば必ずや勝つだろう。」



(俺は…"ギルド"に入る。必ず、奴らを倒す…)



「詳しくは…―」






―校長室



「校長…いえ、ルシフォード。俺は、」


「言わなくても分かっておる。ただ、本当に良いのだな?」



「はい。俺は、仲間と共に必ず、世界を守ります。」


「僕も同じく。」


「俺も。」


「「「私も」」」




「では、未来の英雄達よ、行け!」



「はい。」






「まずは、連合軍本部へと行き、"ギルド"の申請をする。」


カイムは地図を開き、説明をしている。



「その前にさ、俺達の"ギルド"の名前決めない?」


ロイドは忘れ物がないか確認しながら、皆に問い掛けた。

「名前ですか…」


刹那は剣を磨き、考えている。



「ちなみに、カイムのお父さん達の"ギルド"名は、」

ルーシェが言いかけた途端にリオンが呟く。



「"永遠の風"」


最強の傭兵部隊、先の大戦を終わらせた英雄達の"ギルド"それが、"永遠の風"


「父さん…俺も戦場を"風"のように駆け抜けるよ。」


拳を握り締め、空を仰ぐ。この思いよ父に届けとばかりに願う。そんなカイムの姿を天に住まう神は視ていた。


―天上界


『やはり、そうか…この戦い、天上軍を出せねばならぬか、ヴァルキリーよ。』


「そうですね。我が主がそう仰るのならば。」


「奴め、それほどまでに力をつけておったのか…」



「はい。」



『調査をしていて正解だったな。』



(カイム・アーウェンルクス…私もすぐそちらに向かうぞ。待っていてくれ。)



ヴァルキリーは神剣"ニーベルン"を腰に携え、右人差し指に指輪をはめて、背中から白い翼を生やし、天界の空へと羽ばたく。




―魔界

『この戦いで…全てを滅ぼす。天界の奴らも人界の奴らも…世界を壊す。』



威圧感を放つ、玉座にどんと構えている魔王。



『ククク…天界の強者、人界の英雄よ…せいぜい足掻いてくれ…我の為に…』




―人界



「俺達、"白き翼"は、正規軍の傭兵部隊に入隊します。」


「了承致しました。それでは、ここに"白き翼"の誕生を認めます。」




カイム達の戦いが始まろうとしていた。天界と人界と魔界の総力戦、勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか…

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