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973話 【8ターン目】とんでもトッププレイヤー(挿し絵あり)

 『いくぞ!

 「ユニーク」コマンド起動!

 俺の大一番にはやっぱりお前がいないとな!

 現れろっっっっっ、俺の……唯一無二の相棒!!!!!!』


 光線が迫る中俺が起動した『ユニーク』コマンドによって頭上に次元の裂け目が生まれ、そこから一つの人影が舞い降りてきた。

 それは俺が最も信頼する暑苦しくも頼もしい姿であった!



 「ガハハ!!!

 待たせたな【包丁戦士】!!!

 お前のいるところにワシがいる!!!

 そう、次元戦争であってもな!!!」



 【Raid Battle!】


 【鉄血森林の森人君主】


 【槌鍛冶士】


 【メイン】ー【鉄血森人君主】【上位権限(神殿)】【エンチャントスペシャリスト】

 【サブ】ー【失伝秘具】【幻界超技術】【プレイヤー(偽)】



 【甦った隠者は再び唯一無二の相棒を選んだ】




 【レイドバトルを開始します】




 「ここで【アイシア】と同族を呼び出してきたのか!?

 だけど【エンチャントスペシャリスト】なら直接戦闘に向かないレイドボスのはず……

 それなら僕の一撃を受け止められないっ!」


 「その通りだな!!!

 ワシではお前の攻撃を止めきれないだろう!!!

 だが、立ち向かうのはワシだけではない!!!

 【上位権限】ー【Legend Weapon】!!!

 さあ【包丁戦士】、受け取れ!!!」


 『あぁ、任された!

 スキル発動!【封印土剣】! 

 【槌鍛冶士】、俺たち包丁次元の意地をこのイケ好かない勇者に見せつけてやろう!』



 【槌鍛冶士】は緑色の粒子で包み込まれていく。

 そうして【槌鍛冶士】は形を変えていき、サイズとしては両手持ち大剣レベルの肉斬り包丁のようになった。

 そして、【封地剣マヒク】の力を解放したことによって大剣サイズの包丁が大地の色へと変色していき、持ち手部分から枝が伸び刀身に絡まり始めた。

 


 『くらえええええええぇぇぇぇぇ!!!』


 俺は【ランゼルート】の放つ光線の中を【封地剣マヒク】の力で無理矢理こじ開けていく。

 一歩進む度に身体が焦げ付き、端から光の粒子に変わっていく喪失感を覚えるがそんなことは知ったことか!

 ここでやらなければいつやり遂げるというのだ!

 【トランポリン守兵】お嬢様、【風船飛行士】、【釣竿剣士】……そして【槌鍛冶士】が繋いでくれたバトンをここで取り落とすのは『面白く』ない。 

 視界に広がる極光に眼を焼かれ、頭もクラクラしてきたがそれでも構わず進み続けてようやくたどり着いた。

 目が焼かれてもなお微かに見える【勇者】の前に俺は立ち塞がり、巨大化した包丁を掲げ最期に声をかけていく。



 『よぅ、【ランゼルート】。

 元気だったか?

 だが、これで終わりだ!』


 「ば、馬鹿な!?

 まさかこんな形で【聖突破魔剣】が……僕が敗れるなんて……!?

 君にそこまで力があったとは……」


 『いや、俺だけの力じゃない。

 包丁次元のプレイヤーたちそれぞれが、それぞれの役割を全うしたからこそ生まれた結果だ。

 手を取り合うだけじゃない、ワンマンプレーの集大成ってやつだな!』

 

 俺の決死の一撃は【聖突破魔剣】を切り裂き、そのまま【ランゼルート】の左肩から右腰骨辺りまでを包丁で斜めに振り下ろして切り抜けた。

 光線の中を通り抜けたので俺も右腕以外全て動かない状態になってしまったが、【槌鍛冶士】の補助もあったので何とか耐えきることが出来たのだ!



 「……また君に敗れることになるなんて。

 悔しいけど前の戦いはただのまぐれだったわけでもなかったようだね。

 でも君が深淵の力を使い頂点に立ち続ける限り僕は何度だって君の前に立ち塞がる。

 それが【正義】の体現者である僕の使命だからね。

 ……それまで首を洗って覚悟しておくといいよ!」



 【ランゼルート】はそう言い残すと全身が光の粒子と化して消え去っていってしまったようだ。

 いくら【勇者】であっても終わりはあっけないものだな。

 だが、あの時見れなかった【ランゼルート】の死をこの目で確かめられたのは僥倖だ!

 


 『へっ、今度もお前を食らい尽くしてやる。

 覚悟、して、おく、の、は、お前、の方、だ……』


 そして、限界を超えた俺の身体も少しした後に空中へと塵となって消えていく中、脳裏に無機質なアナウンスが鳴り響いていくのであった……








 【ディメンションバトル】



 【包丁の煌めき】


 【聖剣の衰退】



 【MVPプレイヤーが討たれました】


 【【包丁次元】WIN!】


 【【聖剣次元】の一部エリアの規模が最低限まで縮小しました】


 【勝利報酬は王宮にて選択してください】




 【個人アナウンス】


 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力により称号【『sin』暴食の捕食:正義の勇足】を獲得しました】


 【称号の効果で【Bottom Down】!】


 【【包丁戦士】の深度が101になりました】




 【【包丁戦士】に貸与された暴食の力が返還されます】


 【それぞれの次元へ送還します】








 さあ、凱旋だ!


 【Bottom Down-Online Now loading……】

挿絵(By みてみん)


【釣竿剣士】ちゃんを描いていただけました!

こちらを描いてくださったのは双葉鳴さんです!

可愛らしくも凛々しい【釣竿剣士】ちゃんをありがとうございます。

【釣竿剣士】ファンアートはかなり久々にいただいた気がするのでなおのこと嬉しいです!




私も愛読している『Atlantis World Online-定年から始めるVRMMO-』の作者様です。

とても面白いのでこちらもぜひ!

https://ncode.syosetu.com/n0226gb/


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― 新着の感想 ―
[一言] このタイミングで見覚えのあるイラストが! いやー懐かしいですね。
[一言] 【『sin』暴食の捕食:正義の勇足】 ちゃんと足を捕食してるw
[一言] そろそろ【山伏権現】の誘いに返答する頃かな?
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